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「川柳番傘6月号」

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6月3日(月)『川柳番傘6月号』が届いた。

表紙絵は、日本三景の一つ「松島」。
松島と聞くと思い出す「奥の細道」だが、意外にも芭蕉は松島の句は全く残していない。絶景の感動のあまり句を作れなかったとも、中国の文化人姿勢〈絶景の前では黙して語らず〉に伴い、意識的に句を示さなかったという説もある。
「奥の細道」には記されなかったが、芭蕉の「島々や千々に砕きて夏の海」は、松島を詠んだもの。
ちなみに、有名な「松島やああ松島や松島や」は芭蕉ではなく、江戸時代後期の狂歌師・田原坊の作で、元々は「松嶋やさてまつしまや松嶋や」が正しいとされる。




※今月の《同人近詠》は、自選4句ずつ掲載。



~宮崎番傘川柳会所属の同人たち~

気がかりな孫と保っている絆
張り合えば凹む歩幅を確かめる
         (岩崎  哲)

杖ついて赤海亀と歩いてる
一番に挑む火花のコレクション
         (中武 重晴)

飢餓の国機械仕掛けの兵の靴
愚かなる戦ヤマトという瓦礫
         (西岡 南風)

ひざまずくことを忘れた二重顎
花いかだひとひら遅れ夕暮れる
         (間瀬田紋章)

飛翔するための挫折をくりかえす
瓦礫人生あるいた母を抱きしめる
         (主税みずほ)

付かず離れず怪しい距離を保つ愛
逢いたくてひとり見上げる白い月
         (石神 紅雀)



70~71頁『近詠の作り方 入門篇』‥‥昭和28年刊行の岸本水府著「川柳讀本」より抜粋。
興味深く読んだ。勉強になるので、お薦め。





《誌友近詠》
‥‥私は5句掲載。

父の日の父へ酌する名古屋帯
衣替え父に眩しい少女羽化
縁切り寺の額紫陽花に捨てた恋
五月雨の鬱スマートフォンが慰める
ジューンブライド誰も語らぬ離婚率
        (さわだまゆみ)



《課題吟》
「無(字結び可)」
      (富山)八木 孝子選


無一文頼りにしてる力瘤
         (富田  博)
古民家の風は無口な人が好き
         (主税みずほ)



《各・地・句・報》
宮崎番傘 4月句会 (九州男報)

 
反核へ打つ相槌が深くなる
           (みずほ)
相槌へきっとお金が動いてる
            (紋章)
うんうんと聴いたラジオの悩み事
           (あけみ)



《友の会》
課題「包む」
   (大和高田)小早川秋子選


ジャスミンの香りが包む初デート
        (さわだまゆみ)
過ちを愛で包んだ母の海
         (肥田木聞明)
両の手で包む緑のひと雫
         (中武  弓)


※(注)宮崎番傘川柳会会員と宮崎県下の柳人の句を抜粋、掲載いたしました。

(*^o^*)


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by ringo-utahime | 2013-06-05 00:04 | 川柳誌 | Comments(0)

2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡


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