「川柳つばさ6月号」(第84号)
2015年 05月 31日
表紙裏の〈お世話になっている方々〉には、佐賀番傘川柳会の真島清弘さん。
川柳を始めたのは、昭和40年頃。
▽自選作品3句
魔女悪女みなふくよかな乳房持つ
私には世界遺産のような母
戻りぶん食べて帰るか申告日
~近詠(自選)薫風集より~
財もなく子等は明るく生きている
(鹿児島/飫肥ちさ子)
一滴もこぼさぬように桃を剥く
(伊集院/上原しず香)
仲直りさせてくれたね通り雨
再会の約束交わし花は散る
(入来/勝田みどり)
影ふたつ夜更けのワルツ月照れる
(入来/河田すみれ)
思い出をゆっくりと切る爪を切る
故郷の手紙に海の独り言
(熊本/黒川 孤遊)
少しだけ緩めてくれたペンの縄
黙祷の為には行かぬ救助隊
(千葉/小園 逸郎)
さくら散る君の唇突き抜ける
陽炎は怒りそれとも嫉妬心
(入来/坂元しげき)
桜ほどもてはやされてみたいもの
(指宿/迫 竹馬)
笑いを売る人の真似してハヒフヘホ
(入来/田口いさ子)
花あらし心のもやをさらってく
(尼崎/辻 鈴音)
幸せを考えすぎる不幸せ
(慈眼寺/堂下モクレン)
身の丈に生きた証しを子が見せる
(川内/中野しず子)
ほっこりとわき出てこぬか幸せは
(東京/永田りりこ)
語源には嘘もあります日本人
(宮崎/西岡 南風)
性懲りもなく言い訳を探してる
満月をかじれば何か変わるかな
舐め合った傷が大きく深くなる
(入来/春田あけみ)
退院を待っていたよと草元気
(入来/平川とよ子)
道ならぬ恋も見ていた焼却炉
(鹿児島/平瀬 芙蓉)
胎動に母性と父性はしゃいでる
(宮崎/平田まりん)
何事もなかったように光る海
(入来/渕上みえ子)
図書室に栞をはさむやわらかさ
(千葉/深澤 忠利)
セシウムを知らず水鳥羽休め
(川内/外園ピアノ)
太鼓の音じっと出来ない祭り好き
(日置/前田 洋子)
ネクタイはいつもおんなじ屋台酒
身の丈を忘れたまんま自動ドア
(宮崎/間瀬田紋章)
死に顔を見せぬ猫には猫の意地
戒名の代わり色紙に句を一句
(鹿児島/松本 清展)
新茶のむふんわり命を包み込み
(二軒茶屋/安達ヒトミ)
雲に乗り二百年後を見てみたい
花冷えに枕を抱いて耳すます
(慈眼寺/ありはらようこ)
大空に北斎の波似せて画く
(入来/池頭 英子)
ふるさとの音を小さな耳に蒔く
やわらかに反発をする水たまり
あく巻きのあめ色に透けるふるさと
(入来/石神 紅雀)
剽軽な孫が微笑む五月晴れ
(出水/入木田一寸坊)
クタクタになって連休満ち足りる
(川内/石原 夢修)
絡む糸ゆっくり解いて飛ぶホタル
(入来/大園やす子)
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紫陽花の次は番傘だったと思ってた。つばさに全然気づかなかった。
たくさんアップしていただき、感謝です。 (*^^*) (*^^)v
今はどうなんだろう?