『祝』川柳
2015年 05月 30日
5月29日(金)、宮崎観光ホテル東館3階〈光耀の間〉にて「山口敦己さんの宮崎県文化賞受賞を祝う会」が開かれた。参加者は約150名。
静岡県出身の山口敦己さんは、一橋大学法学部卒業後、毎日新聞社に入社。初任地の宮崎で3年働き、1971年に宮崎市の出版印刷会社《鉱脈社》を立ち上げた。
2014年11月に県文化賞(文化功労部門)を受賞。
山口敦己さん、おめでとうございます!!
開会のことばは田中詮三さん(県詩の会会長)、発起人挨拶は渡辺綱纜さん(県芸術文化協会会長)、花束贈呈の後、乾杯の挨拶は三宅理一郎さん(宮崎日日新聞社特別顧問)。
ひとことスピーチは、南州和さん、薗田潤子さん、安田郁子さん、藤野ア子さん、泉房子さん、興梠マリアさん。
立食パーティ形式で、各々ビール・かっぽ酒・ワイン・ウイスキーなどを片手の歓談に盛り上がった。
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課題『祝』の川柳を集めてみた。
【祝】
祝い酒大工車を置いて去に(深尾 吉則)
前祝い妻も濡れ手で酌を受け(永石 珠子)
祝い酒冷やは断るマイペース(平井与三郎)
祝辞謝辞酒に近づく式次第(指方 重幸)
祝杯をかかげ味方を確かめる(上田 千路)
美辞麗句胸打つものがない祝辞(楠本 知由)
お祝辞を願う順序に並ばされ(松尾 馬奮)
構想を練った祝辞へ順が来ず(岸本 水府)
祝電の嵩に人脈生きている(板垣 真沙)
祝電にさえも個性を見せる人(阪口 愛舟)
祝電の似た同文は束を見せ(木幡 村雲)
祝電を打って出世の距離思う(前田 辰男)
胃の中に金箔が舞う祝い酒(阿部 功)
ユニークな祝詞メモする箸袋(長家 正見)
シャンデリア祝辞の嘘を聞いている(葛原 辰男)
引き受けた祝辞を家でリハーサル(中村八重子)
祝電を打ちまた負けたなと思う(三原永久志)
引退へ祝電打ってくる真意(横山 雨水)
祝杯の底に木馬が沈んでる(干野 秀哉)
だいこんの花が笑った叙勲の日(春口倭文子)
バンザイをしている側に今日はいる(沼沢 閑)
壇上でまだ聞き足りぬ美辞麗句(吉井 迷歩)
喜寿祝う鬼も仏も酔っている(林 勝義)
花暦きょう百歳を祝う春(小山田 緑)
偽装列島母が祝ったお赤飯(鶴羽芙美香)
血圧よ今日は騒ぐな祝い酒(大塚 一由)
五代目の兜を祝う過疎の風(東馬場美和子)
岬から岬へ嫁ぐ祝婚歌(猿田 寒坊)
大安の廊下に溜まる修飾語(松岡 葉路)
お祝辞に似合う三十度の会釈(小金沢綏子)
棒読みの祝辞トリックなどは無い(坂部紀久子)
ライバルの幸を祝福するゆとり(柴田 睦朗)
祝電が届く産院の枕もと(神保十三夜)
祝白寿無理に笑顔も入れて撮る(河野 隆童)
長老といわれて祝辞やらされる(棚谷ひろし)
ご祝辞を畳み代理の役が終え(長山 茂寿)
御祝儀する角度二度目の職で知り(伊藤 祥太)
シャンパンの祝砲に沸く孔雀の間(鈴木 章吾)
口下手の祝辞短く味がある(竹村広三郎)
叙勲され晩年飾る祝賀会(近藤 卯吉)
祝福をされる訃報も長寿村(中村 英福)
祝婚の準備調い天使待つ(越川 智彗)
遠近の銘酒あやかる傘寿祝(本多外茂治)
祝宴の百歳軍歌唄い切る(本城 惠美)
祝福に子らを見直す金屏風(藤原 黎子)
出直しを祝福してる空の青(西脇 海棠)
祝宴の音頭は裏で母がとる(松前 貞子)
奉祝へお応えになる二重橋(浅野 寿仙)
祝白寿神のご加護に生かされる(山崎ふとし)
ご馳走を前に祝辞がまだ続く(行成 貞昭)
去年と同じ祝辞でも気づかない(橋倉久美子)
エピソード拾い集めてきた祝辞(谷 あけみ)
祝杯にちょっと涙の味がする(吉岡 茂緒)
祝福と軽い嫉妬も贈ります(青鹿 一秋)
肩書きがあるから祝辞頼まれる(武内あきら)
悪友を名乗る祝辞のありがたさ(上畠俊一郎)
非難した顔もまじって祝賀会(相川 文子)
祝賀会のリボンで客の品定め(森川 岳勇)
民宿に何か祝いの餠がつき(杉野 睦朗)
支給日を祝日とする子だくさん(渡邉 隆志)
風雪に耐えた祝辞にある丸味(中後 清史)
祝宴の用意も出来ていた次点(井上 万歩)
祝辞読む一票用の顔で読む(大谷 章)
祝電へ四角張るだけ四角ばり(麻生 路郎)
祝電に馴れぬ親類向き直り(岸本 水府)
突然の御指名祝辞用意あり(岸本 水府)
はらはらとさせる祝辞の国訛(川上三太郎)
上棟へ無事故を願う祝い餅(福田仁兵衛)
祝い酒今日は五臓の許可がある(柳瀬 容子)
祝い膳鯛の尾っぽがぴんと跳ね(山口 ムツ)
お祝いに赤飯と酒いただいた(萩野 孝一)
子らと練る白寿の母の祝い膳(菅野満里子)
米寿祝子等に貰った感謝状(山家 しく)
子等の嫁手をとり合って古希祝(伊東 貞夫)
お祝の連鎖反応ならばよい(黒澤 正明)
そこそこに生きて敬老祝い膳(杉山太茂樹)
古稀記念句集を妻と祝う幸(保科 恒二)
気が差すが御祝と書く熨斗袋(久保田見乗)
孫からの誕生祝う服を着る(長田 良一)
一才の背に一升の祝い餅(長谷川秀峰)
金婚の二人を祝う孫曾孫(小林 初枝)
鯛焼いて自分を祝い紅を引く(朝日 歳子)
喜寿祝う我が人生の通過点(柳生 芳子)
西と東別れて祝うダイヤ婚(浮田 なを)
古来稀まで生かされた祝い膳(加藤 京子)
喜寿傘寿金婚祝う三つ巴(山田紀代美)
花が咲く芽が出る毎日を祝う(小寺竜之介)
喜寿祝う子らに夫が照れている(石原 歳子)
喜寿祝い連れ添う妻も丸い背な(木村 隆吉)
古稀祝い幼なじみと春の旅(榮田 貢)
吉報に酒だ祝いだ弾む我(長井 俊昭)
五年ごと節目節目として祝う(小林由多香)
白寿まで祝座布団いらないぞ(前田 孝亮)
甘口も辛口もよし祝い酒(小野真備雄)
長生きを祝う親子の笑いじわ(山足 妙子)
ボジョレーで金婚祝う今日の幸(山本 成男)
新宮の降誕にわく祝酒(小西 静子)
毒のあるさかなと祝う誕生日(門脇かずお)
ライバルを祝うワインが赤すぎる(斎藤 泰子)
許容量越して吉き日を祝う酒(宇高 端子)
ライバルを祝う拍手に音が無い(太田玉流川)
古稀達が恩師の傘寿祝う会(中山 雅城)
大安の朝に諭吉が家を出る(次根)
招待はないが祝電打っておく(准一)
金婚式転ばぬように手をつなぐ(保州)
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