『百合』川柳と俳句

理由は何故か自分でも判らないのだが、子どもの頃から百合が好きだった。
昔、花屋の店先に並んでいる百合は専ら白百合・透かし百合・鬼百合の類だったが、最近は西洋百合が主流となってきている。
毎週月曜に花屋さんが「りんごの詩」に配達してくれる西洋百合(オリエンタル百合)を、開店以来ずっと愛でている。

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写真は、今週の「りんごの詩」の花。オリエンタル百合の『アマロッシ』。

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ちなみに、フランス王家の紋章は「fleur de lys」(フルール・ド・ リス)=「百合の花」。
処女マリアに受胎告知をした天使ガブリエルが白百合を持っていたことから、フランス国王はキリスト教でも認知された王であるシンボルであったとされる。


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「百合」の川柳と俳句を集めてみたが、植物だけに圧倒的に俳句が多い。


~川柳~
【百合】

場違いに頬染めて咲くクルマユリ(大西 菊水)
谷底を出ぬ鬼百合の一本気(園田恵美子)
白百合の荷が着く朝の城下町(博多 成光)
百合気まま思い思いを向いて咲き(松本 涼一)
裏庭の白百合なぜか過敏症(由紀子)
自信過剰カサブランカもワタクシも(さわだまゆみ)
カサブランカの俯いて咲く愚かさよ(さわだまゆみ)


~俳句~
【百合】(季語=夏)

百合の花朝から暮るるけしきなり(小林 一茶)
白百合のめしべの尖のぬめぬめと(戸田 九鈴)
姥百合を大きく曲る草刈機(石井 檀)
三つ咲きし鉄砲百合を好みけり(野村 喜舟)
蘂〈しべ〉掻いて百合の丸蜂あわてもの(島村 元)
熱出でて母には百合のことのみ云ふ(斎藤 空華)
鬼百合の鬼々しきを生けて厭く(相生垣瓜人)
断崖を白くし百合の群れ咲けり(山口波津女)
百合の香と小過失吾を眠らせず(相馬 遷子)
駅員の一卓の百合海へ向き(能村登四郎)
谿音や百合はねむりて蘂めざむ(森 澄雄)
黒百合の嶺にらんらんと夜明星(岡田 日郎)
あら壁に百合の花粉の触れし跡(渡辺 茂子)
山百合をいくたび照す夜の雷火(土方 秋湖)
何思ふ子の横顔や百合ひらく(和田 祥子)
百合咲けば百合の高さにもの思ふ(小檜山繁子)
百合匂う地球は月を抱きにけり(細井 啓司)
白百合の今年も白し師の忌来る(守部 幸代)
山百合の純白守り抜く香なり(廣瀬 町子)
鬼百合がしんしんとゆく朝の空(坪内 稔典)
黒百合の花に鎌屋根霧吹きし(蓮實 淳夫)
笹百合の咲く古里の山偲ぶ(久保ふさ子)
離島なる鉄砲百合は丈なさず(末廣紀惠子)
姥百合の花素気なく棒立ちに(重見 和子)
姥百合の種子翔ぶ風の見えねども(加藤芙美子)
燈籠に隠れ十字や百合ひらく(土肥さだ子)
ちち母は知らず少年百合かぐを(西 和夫)
白百合の匂ひを出づる痛みかな(平尾 洋子)
鬼百合や妻が少女となりし家(香西 照雄)
山百合の怒りて香る家の中(久保田慶子)
百合の香をもてあましたる男部屋(鈴木 寿子)
漆黒の壺に鬼百合挿せば父(石倉 夏生)
山百合の匂ひに噎せ君とゐし(小幡 九竜)
百合の香のはげしく襲ひ来る椅子に(稲畑 汀子)
起き上る風の百合あり草の中(松本たかし)
すぐひらく百合のつぼみをうとみけり(安住 敦)
百合咲くや海よりすぐに山そびえ(鈴木真砂女)
百合ひらき甲斐駒ヶ岳目をさます(福田甲子雄)
むきむきに花粉こぼして卓の百合(奈良 鹿郎)
献花いま百合の季節や原爆碑(後藤比奈夫)
仏壇の中の暗きに百合ひらく(菖蒲 あや)
百合の香を深く吸ふさへいのちかな(村越 化石)
指さしてわがものとする崖の百合(橋本美代子)
折り持てば首より動くかのこゆり(松藤 夏山)
稚児百合の丈のあはれに揃ひけり(吉田万里子)


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Commented by h82261765 at 2015-07-24 20:06
俳句は創るんだけど
人の作品は読まないから
俳人の名前も七割は知らないですね。
親父も俳人(蒼舟)だったけど
作品はまったく知らないんだ。
もっとも
自分の作品も覚えてないのが多いです。
推敲なんてよっぽどでないとしないから
作品に愛着もないのかも(笑)
Commented by attainmentofall8 at 2015-07-24 20:24
鬼百合が咲き誇っていたかと思ったらいまは鹿の子百合をあちこちで見かけます。しかも自生種です。懸崖に咲いているのを見ると誰が植えたのでもないのによく咲いていると感心します。鹿の子百合は、甑島が名産地ですが昔は食糧だったそうです。根っこの球根が煮しめでも粉末にしてだんごでもいけますよ。僕も小さいころに食べた思い出があります。
Commented by attainmentofall8 at 2015-07-24 20:34
清展さんは、親父さんも俳人だったんですね。もっとも松山という土地柄ですから…環境がそうさせている面がありませんか?作るのに全エネルギーを注いでいらっしゃる方もいれば、作品鑑賞だけで全く作らない方もいます。ほとんどが両方少しずつのかたが圧倒的に多いと思いますが…(関心ない人は除いての話です)清展さんの創作の源泉は何だろうといつも思っていますが…
Commented by ringo-utahime at 2015-07-24 22:27
清展さんは、推敲がお嫌いなんですね。もともと天才型なのかも判りませんね。
ご自分の句を覚えておられないのは、ちょっと問題かも………。(笑)

天才ではない上に子どもも孫もいない私には、自分の詠んだ句が我が子のようなものなので、出来が悪くても可愛いし、推敲も好きです。

(^o^;)
Commented by ringo-utahime at 2015-07-24 22:37
夢修さん、ユリ根は私も好物です。茶碗蒸しには必ず入れたいな。丸ごと揚げても、ホクホクして美味しいし。ユリ根って、栄養豊富で漢方薬にも用いられるんですってね。
あ、色気より食い気のコメントになっちゃった。

(^o^;)
Commented by 月波与生 at 2015-07-24 22:54 x
川柳が少ないのは、百合は人間に見立て易い花なのかもしれませんね。付きやすい、ってやつです。その中で

ちち母は知らず少年百合かぐを(西 和夫)

が印象に残りました。
Commented by ringo-utahime at 2015-07-24 23:02
与生さん、ありがとうございます。
川柳に近い俳句には、私もおおいに魅力を感じます。

o(^o^)o
by ringo-utahime | 2015-07-24 02:29 | 川柳(課題別) | Comments(7)