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『ぶどう』川柳と俳句

今日は立秋。まだまだ猛暑まっ盛りだが、暦の上では秋が始まるので、以後の暑さを「残暑」と呼ぶ。

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三日前、綾町へ「ぶどう狩り」に行かれたYさんから、ぶどうをいただいた。
ありがとうございます。

「ブラックオリンピア」は、巨峰と巨鯨の交配によって生まれた黒ブドウ品種。糖度が高く甘さを強く感じることから「ハチミツぶどう」とも呼ばれる。

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『ぶどう』の川柳と俳句を集めてみた。

~川柳
【ぶどう】

葡萄ひとふさ王さまのように食う(新家 完司)
笑い皺だったのですね干しぶどう(武田 笙子)
登録の富士にぶどうも瑠璃となる(天野 真金)
出す出さぬブドウの種にある流派(菱山 忠侑)
青い葡萄笑い袋の中に棲む(竹信与志夫)
ぶどう一房回覧板に載せてある(太田玉流川)
種なしのブドウ少子化ふと思い(井上柳五郎)
ぶどう熟れて母の掌から逃げる(竹原 和美)
庇い合いぶどうの房は熟れていく(伊藤 玲子)
徘徊のぶどうはみかん山にいた(壷内 半酔)
母の弱さはぶどうの粒の大きさに(森中恵美子)
拒絶するスリル葡萄に種が無い(藤本 尚士)
干葡萄一房ばかり握られる(椙元 紋太)
大粒の葡萄 掌にあり娶らんか(大山 竹二)
一度だけ海を湛えるぶどう粒(佐藤とも子)
ぶどうたわわ聖母は今も学び舎に(柿山ヒロ子)
一房のぶどうは家族かも知れぬ(野村 京子)
種無しにされたブドウの黙秘権(安宅美代子)
ひと房の夜を育てる葡萄の木(西田 雅子)
山ぶどう自腹のワイン秋深し(照沼 智)
葡萄一粒が転がっている僕の夕暮れ(千鳥 鉄男)
あと少しリニア見ながらぶどう狩り(手塚 敦子)
ぶどうの名覚えぬうちに新品種(木村 源子)
種ナシのブドウに慣れていく怖さ(みつこ)
ピレーネが熟れてゆっくり秋になる(扶美代)
葡萄酒のグラス話をまるくする(美代子)


~俳句~
【葡萄】(季語=秋)

枯れなんとせしをぶだうの盛りかな(与謝 蕪村)
黒葡萄天の甘露をうらやまず(小林 一茶)
黒きまで紫深き葡萄かな(正岡 子規)
葡萄うるはしまだ一粒も損はず(高浜 虚子)
葡萄の種吐き出して事を決しけり(高浜 虚子)
葡萄食ふ一語一語の如くにて(中村草田男)
夜の雨葡萄太らせゐる斜面(見學 玄)
国境の丘また丘や葡萄熟れ(小路智壽子)
マスカット剪るや光りの房減らし(大野 林火)
一粒の葡萄の曇り愛しゐる(細見 綾子)
裁ちもののごとく葡萄に鋏入れ(鷹羽 狩行)
日の斑より葡萄のにほひ葡萄園(鷹羽 狩行)
めぐらして庭に天なき葡萄棚(白岩 三郎)
葡萄採るこゑの童女は肩ぐるま(山岸 治子)
髪の根もかわく日和ぞ山葡萄(福永 耕二)
亀甲の粒ぎっしりと黒葡萄(川端 茅舎)
葡萄熟れ 書架に古びる革命史(森 武司)
地震のあと葡萄の粒のひしめきぬ(宗像 ひで)
葡萄熟れきつたる匂ひしてきたる(井上 喬風)
妻へのみ通るわがまま葡萄吸ふ(原田 孵子)
熟れ葡萄八方に目のあるごとし(稲岡 潤子)
黒葡萄よりも冷たき女の手(名取 文子)
柄杓星葡萄の村は寝しづまり(橋口 柳女)
マスカットひとつぶごとのひまつぶし(田中 幸雪)
移り鳴く雉の声せり葡萄園(猪股 洋子)
黒葡萄その後のユダの舌を染む(村田冨美子)
黒ぶどう日暮れてからの川奔る(石川 元彦)
葡萄園北の大地に暮れ残る(塩田みどり)
驢馬を打つ少年無口葡萄の荷(岡崎 万寿)
あせつても一粒一粒葡萄食ぶ(いしだ ゆき)
種のある昔ながらの葡萄かな(竹南寺摩耶)
吾が齢ぶどう四五粒あればよし(川原 絹子)
葡萄狩る指のさびしさ戦闘機(杉本 雷造)
諦めのひゅう葡萄の木の匂う(三井 絹枝)
自給自足のぶどうにさわってばかり(増山 美島)
葡萄その透明な騎馬軍団(松浦 力)
現在を葡萄は青く垂れたがる(畠中 妙子)
黒葡萄爪がおしへる沖ツ島(小堀 寛)
葡萄棚出て風と合ふ空と会ふ(稲畑 汀子)
黒葡萄鋏を入るる隙のなし(嶋田 麻紀)
黒葡萄祈ることばを口にせず(井上 弘美)
葡萄狩山々移るごとくなり(中島 月笠)
不揃ひにはじく雨粒青葡萄(小野とみゑ)
青ぶどう体内の沼靜かなり(松本 照子)
少年の声太くなる青葡萄(大見あや子)
青葡萄地震は土へ戻りけり(幸野 白蛾)
この雨の不思議な重さ青葡萄(藤本とみ子)


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Commented by 月波与生 at 2015-08-09 07:35 x
ねぶたまつりが終わると立秋。青森の秋は早くやってきます。例年、9月下旬になると、年寄りはストーブをつけます(;^_^A

ぶどうの川柳は桃にくらべて佳句が少ないように感じました。
そのなかで

葡萄一粒が転がっている僕の夕暮れ(千鳥 鉄男)

はやはり、忘れられられない一句です。
Commented by ringo-utahime at 2015-08-09 07:48
与生さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

青森の夏は短いのですね。
夏の暑さも情熱も、ねぷた祭りにぎゅっと凝縮されているような気がします。

宮崎は10月頃まで残暑が厳しいこともしょっちゅうです。
昨年は、10月にできた「あせも」が化膿して、皮膚科に通ったほどでした。

若い頃は寒いのだけが苦手でしたが、近頃は暑いのも辛くて困っています。やっぱり更年期のせいかな……。

(*_*)


Commented by よったま at 2015-08-10 18:07 x
あ~~、コメントを書いたのに消えたぁぁ~~~

ショックです。

コメントできるとわかったのでまたきますね。
Commented by ringo-utahime at 2015-08-10 18:25
よったまさん、ありがとうございます。

また遊びにいらしてくださいね。

( ̄∇ ̄*)ゞ
by ringo-utahime | 2015-08-08 23:05 | 川柳(課題別) | Comments(4)

2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡


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