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『栗』川柳と俳句

秋雨前線の影響で、しばらく天気が悪い予報。
家でゴロゴロの雨の定休日。
おやつに「むき栗」。

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課題『栗』の川柳と俳句を集めてみた。

~川柳~
【栗】

絵手紙の栗が届いて秋を知り(平井 研二)
皮ぐるみ栗食べられる自慢の歯(坂倉 敏夫)
渋皮も剥いてかあさん栗送る(興津 嵐坊)
栗爆ぜて一目散の恋となる(山倉 洋子)
小さな秋小さな栗をむきながら(時枝 京子)
地味ながら梅雨に咲いてる栗の花(反り目恋昇)
手間かけたわりには地味な栗ごはん(駒崎美津子)
生い立ちをしみじみと栗の渋皮(沼尾美智子)
行く秋に人に恐れる栗の棘(立花 三郎)
縄文の森からもらう栗ごはん(三浦 敬光)
火傷せぬ距離で火中の栗つつく(村田 花扇)
桃栗三年おんなはふいに鬼になる(竹内ヤス子)
主張する栗が火中で跳ね上がる(石丸 たか)
火中の栗を拾う先駆者の賭け(岩田 柳堂)
祖母のしたとおりに孫へ栗をむく(荻原非茶子)
おじいさんの遺した山で栗拾う(西部 郁代)
母さんが居たらと思う栗ごはん(西田美恵子)
栗ごはん買ってふる里遠くなる(河村佐和子)
火中の栗とすこし遊んでみようかな(五十嵐夏了)
栗飯の湯気も供えて亡母に秋(緒方美津子)
羞恥心の詰まった栗をむいている(那須ひさし)
病院から帰りわずかな栗をむく(森中恵美子)
火中の栗と漫画には手を出さぬ(森中恵美子)
栗ごはん仏の自慢ばかりする(森中恵美子)
晩秋のリズムで栗の実が落ちる(森中恵美子)
死後のことを知る柿の木も栗の木も(森中恵美子)
七十の肩で栗売る秋がくる(上田 森子)
老骨のファイト火中の栗拾う(飯沢 鳴窓)
栗の木の思いきりよく冬を知る(椙元 紋太)
火中の栗拾うロボットなら雇う(さわだまゆみ)
渋皮煮届きホントの秋を知る(みゆき)
風よ吹け嵐にもなれ栗拾い(あゆむ)
栗の様な女時どき破裂する(シゲ)


~俳句~
【栗】(季語=秋)

栗泥棒栗泥棒と挨拶す(高山 幽子)
栗剥くに完全無欠目指しをり(石井 みや)
海鳴を聴く父栗を食む子供(相生垣瓜人)
栗拾ふものの光の見ゆるとき(平畑 静塔)
木曽仔馬青栗のいが道に出て(森 澄雄)
老の身に故里ありて栗とどく(松本つや女)
栗を拾ひともにはにかむ父同士(林 翔)
栗尽きし寮生おのが灯にもどる(金子 潮)
みなし栗ならべおはじきあそびせる(加藤三七子)
毬栗の毬に青みの抜けるころ(宮坂 静生)
山門をいでて試食の栗もらう(山下美江子)
釜飯の大きな栗を喜べり(大木あきら)
てのひらに少し栗鳴る祖母の音(中村 梶子)
刃を据ゑて大ぶりの栗剥きにけり(野末たく二)
大粒の五山の栗を拾ひけり(根岸 浩一)
柴栗の破顔一笑野良着干す(今井 茅草)
山の地図そへし妙見栗を買ふ(岩田 余志)
ハングルとこぼれ焼栗手秤に(倉本 岬)
栗食むや若く哀しき背を曲げて(石田 波郷)
茹栗の湯気に遊べる仏かな(原 石鼎)
火中の栗掴みて捨て場のなかりけり(佐藤 文子)
毬栗に指の先より近づきぬ(藤田寿美子)
母の肘と触れ合えば栗の実の気分(丸木美津子)
所在なければ甘栗に爪立てる(垣本 善朗)
嫁が炊く栗多すぎし栗御飯(川瀬 向子)
栗剥げと出されし庖丁大きけれ(高浜 虚子)
行く秋や手をひろげたる栗のいが(松尾 芭蕉)
栗備ふ恵心の作の弥陀仏(与謝 蕪村)
栗焼く香ただよへば船灯し合う(友岡 子郷)
三つほどの栗の重さを袂にす(篠田悌二郎)
死の見ゆる日や山中に栗おとす(秋元不死男)
栗の毬割れて青空定まれり(福田甲子雄)
山行の栗の毬より雨あがる(石橋 秀野)
一粒の大粒の艶丹波栗(中山 純子)
間道はいづれも京へ丹波栗(渕上 千津)
抛られて音もたてずに虚栗(松田 美子)
灯の暗き丹波の郷や虚栗(赤尾 恵以)
栗山に在れば落日慌し(高浜 虚子)
栗山の空谷ふかきところかな(芝 不器男)
昼飯に少し間のあり栗拾ふ(赤星水竹居)
下野や風雨いよいよ栗林(鈴木真砂女)
栗売の声が夜となる飛騨盆地(成瀬櫻桃子)


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by ringo-utahime | 2015-08-30 15:00 | 川柳(課題別) | Comments(0)

2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡


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