「川柳みやざき冬季号」164号
2015年 12月 14日
宮崎番傘川柳会(間瀬田紋章会長)発行の
「川柳みやざき冬季号(164号)」を紹介。
◆巻頭言
三十年の節目を越えて 国民文化祭(西岡 南風)
◆近詠『尾鈴集』(間瀬田紋章選)より〈33名参加〉抜粋
悔しさをばりばりばりと食べている
捨てるものいくつもあって冬の海
(宮崎/中武 弓)
日奈久の湯あし音がする山頭火
食麺麭を切れば小さな嘘が出る
(宮崎/江藤九州男)
透明になりたい夜のクラシック
負け戦認めぬままに枯れるバラ
(宮崎/さわだまゆみ)
断捨離の隙間にあった手鞠唄
約束を果たし女の新天地
(都城/主税みずほ)
ぬくもりを欲しがることは罪ですか
しとしとと誰にも傷をつけぬ雨
(薩摩川内/春田あけみ)
音だけの花火二人の四畳半
再稼働人間がいる町がある
(宮崎/高峰 桂介)
メモ帳の継続わたしの力こぶ
自由研究蝉の穴にも謎がある
(宮崎/西 ほたか)
宗教の違いで迷う世界観
満月に己の影を写し見る
(高鍋/自流 譲)
うらうらと壷中の天へ日向ぼこ
黄泉の賑わいプロパガンダの曼珠沙華
(宮崎/棧 舜吉)
円安の光と陰のかげに耐え
桟敷席和服が占めている格差
(川南/岩崎 哲)
母を呼ぶ指の先には妻がいる
周りのものみな眠ってる避難場所
(宮崎/西岡 南風)
使い捨て世代と同居馴らされる
送り火に未練残して嫁が立つ
(川南/久保田チカ子)
カウントダウン心配ごとの数珠つなぎ
見て見ぬふりできる大人になりました
(薩摩川内/石神 紅雀)
目配せにしぶしぶ噤む老いの口
賽子を振って定年後を生きる
(宮崎/馬場さだお)
両手して魚を高く空担ぐ
美しい田舎においで陸海空
(日南/金井 一光)
◆第51回 川南土の子番傘川柳大会入選句集
◆第32回課題吟より抜粋
【ぷんぷん】(江藤九州男選)
入 怒った顔も美しいのは昔(中武 弓)
入 アイドルを褒めると妻はおかんむり(さわだまゆみ)
入 ぷんぷんのメール画面を飛び出した(桜木 えり)
入 鳩の眼に怒りプンプン安保法(吉井 楼太)
佳 ぷんぷんと漢の匂い能舞台(石田 酎)
佳 誰ですか隠れてウナギ食べるのは(石神 紅雀)
佳 いい糞だ牛が元気を取り戻し(岩崎 哲)
特 ノーベル賞ぷんぷん匂う妻の愛(長友 巽)
軸 密約の臭い百年先までも(選者)
【初日】(主税みずほ選)
入 子どもらに九条渡す初日の出(吉井 楼太)
入 初出勤凛とした背がまだ若い(桜木 えり)
入 大入りの初日の太鼓風に乗る(冨田 博)
入 初めての写経震える過去がある(中武 弓)
入 真っさらの肌着にも染む初日の出(河野 幸生)
佳 千秋楽初日無かったサロンパス(棧 舜吉)
佳 ダブルキャスト舞台に火花散る初日
特 どの人も初日へ夢を持っている(間瀬田紋章)
軸 初日でて人間の風若返る(選者)
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平成28年
【宮崎番傘新年句会ご案内】
★日時/平成28年1月17日(日)13時受付
★会場/ホテル浜荘
(宮崎市吾妻町151、電話0985-24-3019)
★宿題(各題3句詠)
①装う
②昭和
③真夜中
④自由吟
※当日の出会者のみ席題(印象吟1句詠)あり。
★会費/
懇親会まで参加は、4000円。
句会のみの参加は、500円。
欠席投句のみの方、300円。
※注
懇親会まで参加ご希望の方は、必ず「さわだまゆみ」までご連絡ください。
申し込み締め切りは、1月12日(火)です。
料理の準備があるため、当日の申し込みは出来ません。
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