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りんご詩姫のブログ(新)

「川柳みやざき秋季号」167号

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宮崎番傘川柳会(間瀬田紋章会長)発行の
「川柳みやざき秋季号(167号)」を紹介。
40ページ。


◆巻頭言
川柳と脳のはたらき(さわだまゆみ)



◆近詠『尾鈴集』(西岡 南風選)〈37名参加〉より抜粋

梅雨晴れ間笑い袋を開けてみる
散り際の胸の炎が眩しすぎ
気楽さの独りがイヤになる微熱
賛成も反対もない父の指揮
(宮崎/間瀬田紋章)

森という酸素ボンベが抱く命
海螢涌き出る海に消えた星
原発の墓地を見つめる冬の虹
火の匂いそっと実印引っこめる
(宮崎/高峰 桂介)

己には見えぬ背中が気にかかる
ポリシーを持たぬ同士でウマが合う
最期まで父は褌はずさない
(宮崎/江藤九州男)

自己管理甘えのあった病床記
転んだら終りと知った花の杖
揚げ立てのコロッケを買うあかね空
(宮崎/森本いつき)

格差の世ひらひら人が流される
冷え切った深夜の酒が身をほぐす
人間不信饒舌の翳透けている
(宮崎/日高 賀邁)

充たされぬ訳は秘密にしておこう
愚痴こぼす男のラーメンがのびる
訃の知らせ積もって長いながい梅雨
男とおんな異なる愛の形追う
白百合の孤高うらやむ崖っぷち
ママ友の棘を隠している砂場
美しい誤解のままの別れうた
(宮崎/さわだまゆみ)


モノクロは多弁いつしか夜が明ける
よろけても立ち止まれない炎天下
その青が見たくて堰を切っている
(宮崎/中武 弓)

掛値なしの愛が届かぬ少年期
どこまでも泳いで行ける父の海
残響の胸倉深く谺する
(宮崎/七條 美千)

もの忘れ茗荷のせいではありません
梅雨あけを先に知らせる蝉の声
この西瓜活断層のごと割れる
(宮崎/西 ほたか)

始まりはマロンケーキのひよこ色
ジャズ喫茶あの日のわたし隅の席
ラブリーな月夜の晩にかくれんぼ
(都城/西山なずな)

駄菓子屋のぬくい記憶にあるポエム
無防備なうなじへ届くみそかごと
ビフテキを焼いて命の灯をともす
(都城/主税みずほ)

 

◆句集の筐 
新緑を母と抱いてる女寺
川柳句集「さくら草」主税みずほ (間瀬田紋章)



◆私の風〈エッセイ2篇〉

川柳時評・時鳥啼くなと申す人もあり(江藤九州男)

大海を泳ぐ(川崎 敬女)




◆第35回 課題吟より抜粋

【ごつごつ】主税みずほ選

入選
ごつごつのプライド少し丸くなる(太田ちかよし)
ごつごつの石肌凄い生き方だ(中村 涼子)
ごつごつの弁解耳がはねつける(石神 紅雀)
ごつごつの山道膝が笑い出す(西代みなみ)
テロ・ゲリラごつごつ角が立つ地球(棧 舜吉)
佳作
帰りついたごつごつの月かぐや姫(高峰 桂介)
ごつごつの茶碗生みだす父の趣味(さわだまゆみ)
ぶつかってなかなか丸くなりません(中武 弓)
特選
ごつごつの石がまあるくなる深夜(間瀬田紋章)
軸吟
山寺のごつごつ岩の客になる(選者)

【なめらか】江藤九州男選
入選
なめらかな道に狸や狐待ち(西代みなみ)
どの酒もなめらかになる我が味蕾(甲斐 雅人)
折り合えぬ暮らしも今は馴れ合いに(やすの喜宏)
なめらかな舌持つ政治家と詐欺師(さわだまゆみ)
なめらかに加速していく少年よ(間瀬田紋章)
佳作
絹糸のやさしさで母介護する(細山田吐夢)
円滑に馴染んで生きる傘の中(石田 酎)
なめらかにハンドル捌く深い皺(主税みずほ)
特選
なめらかに見えぬ力で効く薬(金井 一光)
軸吟
なめらかに問えばさらっと出る本音(選者)



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by ringo-utahime | 2016-09-20 18:12 | 川柳誌 | Comments(0)