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りんご詩姫のブログ(新)

「川柳番傘11月号」

番傘川柳本社(大阪市北区)発行の
「川柳番傘11月号」を紹介。146ページ。

表紙絵は「晩秋の里」。

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~同人近詠(田中 新一選)より一部抜粋~

《巻頭》
静寂いまわたしを試すちさい欲
石投げて波紋ひろげる孤独癖
アナログに悲鳴の届く風のいろ
(川崎/長野 清子)


手から手へ修羅場演じてきた紙幣
いい言葉噛んで血となれ肉となれ
(奈良/菱木 誠)

愛憎の狭間を埋める秋の雨
山頭火も辿った径を濡れながら
(香川/安田 翔光)

着ぐるみの中で泣きます怒ります
許される嘘ウエストも年齢も
(佐賀/真島久美子)

うしろから押された恩に生かされる
惚れ直す言葉を聞いた雪の道
(宮崎/中武 重晴)

居眠りも許してくれる神楽宿
遠回りしてから透き通る紅葉
(宮崎/中武 弓)

飛行機雲一直線の筆さばき
祭壇に気に入りだった夏帽子
(宮崎/岩崎 哲)

酒好きの夜に漕ぎだす船がいる
美しい嘘をいっぱい積んだ船
(宮崎/間瀬田紋章)

紫蘇を揉む梅酢に母の手が紅い
どしゃ降りに駆け出す肩が潔い
(薩摩川内/石神 紅雀)

ウイットを受けとるアンテナを合わす
自画像の目線正面はずさない
(福岡/冨永紗智子)

そうめんをすすりながら夏の懺悔
夫婦別姓どう聞いている瓜南瓜
(熊本/黒川 孤遊)

噴水に委ねています死生観
白い画布花びらだけが濡れている
(都城/主税みずほ)


~誌友近詠(森中惠美子選)より一部抜粋~

《巻頭》
爽やかな風に逢うため畑に出る
見縊ってはならぬ女の返し針
(倉敷/小野 礼子)


打算などないから酒が旨くなる
ほどほどの毒を発散して元気
(大牟田/山下 華子)

清貧の愛に昭和の塩サンマ
山頭火好きの孤独な茶わん酒
月下美人の告白聴いているワイン
木犀から甘い秘密がもれている
土の声聴けば命がよみがえる
(宮崎/さわだまゆみ)


介護2の母が畑を恋しがる
お受験に親の学歴問うてくる
(宮崎/日高 賀邁)

決断へ雲の高さのこころざし
建前の拑堝に涸れて来た真意
(宮崎/肥田木聞明)

夕焼け小焼けカラスと帰る子がいない
しゃぼん玉こわれて消えた夢の数
(鹿児島/馬場ナオミ)

プライドも殻も一緒に脱ぎました
騙されてあげる優しい嘘だから
(薩摩川内/春田あけみ)

青信号リズムに合わせ通りゃんせ
この星の危機を知らせる点滅機
(福岡/平本つね子)

チャレンジャーまだ伸び代を抱いている
何事もなかったように銀杏散る
(宮崎/永友 淳子)

頬擦りをしてバーベルにまず感謝
伯父さんの祈願が効いてこその銅
(鹿児島/松本 清展)


◆前月号近詠鑑賞〈同人の部〉(大分/若杉 幹夫)より
寄席に来て笑い堪える臍曲がり(森園かな女)
ど真ん中の直球だった悔いはない(間瀬田紋章)
贅沢には遠いが幸せに近い(真島 清弘)
成長期めきめき骨の音を聞く(松尾 貞美)
圧勝の剣で斬り込む伏魔殿(石丸 尚志)
天皇は不老長寿と決めている(六信 来)


◆前月号近詠鑑賞〈誌友の部〉(千葉/太田ヒロ子)より
死角などない位置にいるふたりです(春田あけみ)
煌めきも束の間人の世の花火(小林 宥子)
通知表パパがスマホを取り上げる(谷口 邦子)
向かい合い種なしぶどう食べている(谷 公子)
女性知事茨の道へキックオフ(外浦恵真子)
渋滞もいいかラジオでリオ五輪(横塚 隆志)


●リレー放談
『吟行のすすめ』 (宮崎/間瀬田紋章)



★課題吟「実る」(三原/大森 明恵選)より
療法士の根気に実る松葉杖(日高 賀邁)
失敗を糧に実った4連覇(松本 清展)
一粒の麦が実っていく平和(小林 宥子)
降るほどに実っています里の星(真島久美子)
最大の実りは妻と半世紀(鈴木 栄子)


★イメージ吟〈No.13〉(大津/小梶 忠雄選)より

前を来る盲導犬へ道あける(真島 清弘)
白足袋の白さが揺れているのです(中谷 弓)
白足袋で今日は私の誕生日(中武 重晴)
カランコロン母が消えゆく曲がり角(小林 宥子)
交番はどこですか昭和はどこですか(美馬りゅうこ)


◆各地句報9月句会(森口 美羽抄)より
《宮崎番傘》九州男報
虚と実をマイナンバーが精査する(紋章)
マイナンバーだけを残した孤高の死(まゆみ)
捨てられた猫のプライド顔洗う(ふさこ)
弔辞から寡黙な父へ差す光(敬女)
風光り水澄む里で生き返る(九州男)
《入来わくわく番傘》あけみ報
自然災害神は遠慮をなさらない(紅雀)
覚悟して五人の子ども産んだ妻(南風)
嗚呼とああ金と銀とで違う声(孤遊)
自動ドア涙をふいてから進む(紋章)


★友の会「人形」(越前/黒崎 洋介選)より
青い目の人形たちが知る昭和(太田ちかよし)
人形に恋したままの引きこもり(さわだまゆみ)
人形を愛してしまう青い刻(肥田木聞明)
人形に戻った母に子守唄(伊藤 良一)
顔だけを人形にする整形医(村上 哲子)


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Commented by kojiro-nomama at 2016-11-07 14:51
昨日はお疲れ様でした。
何処へ行っても元気よく飛び跳ねている
りんごちゃんを見ると「若いって何よりもスバラシイ」と思います。
番傘川柳 本社のブログUPありがとうございます。
いつも素早く丁寧にありがとう(〝⌒∇⌒〝)
Commented by ringo-utahime at 2016-11-08 07:19
さくら草さん、コメントありがとうございます。

延岡市文化祭川柳大会、総合3位おめでとうございます。

懇親会ではカラオケがなかったから、さくら草さんの歌が聴けなくて残念でした。

(*^^*)
by ringo-utahime | 2016-11-04 18:10 | 川柳誌 | Comments(2)