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『小説』川柳

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太宰治と芥川龍之介を敬愛する、お笑い芸人ピース・又吉直樹の中編小説「火花」を読んだ。
第153回芥川賞受賞で、今のところ累計124万部(15刷)の増刷が決定(7月21日、文藝春秋発表)。
現代人の活字離れに困っている出版業界には久々の朗報だろう。

売れない芸人「徳永」が、師と仰ぐ先輩芸人「神谷」との交流を通して「笑いとは、才能とは、人間とは、生きるとは何か」を自問自答し続けて葛藤するストーリー。自伝ではないが自伝的で、リアリティーのある静謐な小説。心理描写も風景描写も、なかなかに達者だと感じた。
登場人物のモデルは誰かな。この先ドラマや映画になる時のキャスティングはどんな面々になるのかな………などと考えながら楽しんだ。

ちなみに、表紙絵は2012年に発表された西川美穂さん(当時、多摩美術大学、大学院2年)の「イマスカ」。布に隠れたモノは何か。見えるモノと見えないモノの境界を鋭くさりげなく描いている。


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課題『小説』の川柳を集めてみた。

【小説】
小説の中美しく国亡ぶ(三條東洋樹)
綴るほど薄墨色の私小説(宮川 蓮子)
平熱で書く小説が売れ残る(間瀬田紋章)
小説のページ進める青い風(石堂 稔枝)
私小説ふとんはいつもやわらかい(樋口由紀子)
漱石の猫がのぞいた隣組(平田 一暢)
やま場ないままにペン置く私小説(間瀬田紋章)
名作のふるさと蔵の多い町(津島 無境)
ひとりの灯消せばロビンソンクルーソー(片岡 直人)
読み耽る乱歩へ時計走り出す(今西 規壬)
生きて来てよかったと周平を読む(玉理由貴美)
またひとり殺してねらう乱歩賞(亘 高一)
なんべん読んでもこみあげてくる頁(池内 雅巳)
身の上の数奇を綴る出世作(津田 一江)
結末はわかっていても血が騒ぐ(高塚 夏生)
目薬を注して続編面白し(野里 猪突)
仮の世から銀河鉄道予約する(萩原五月子)
ベストセラーのペン赤裸々な青春譜(松尾 泰子)
共感の作者に会ってみたくなる(梶原 祐幸)
ここまでは読んだ証の古栞(小池 一恵)
鏡花もの好きな老女と訪う湯島(石岡 正司)
空っぽになれた一冊読み終えた(山本 乱)
人に飽きて太宰治に浸る日々(竹田 桃生)
ハッピーエンド確かめてから本を読む(名田 和雄)
小説家気取りで夜のネオン街(河原崎頌石)
小説の舞台になって過疎も春(望月 双葉)
携帯で小説までも読む時代(若林寿美子)
ヒロインになり小説の中に居る(秋山はな江)
小説は手紙一人に向けて書く(橋倉久美子)
私小説赤い葉っぱのエピローグ(出雲寺 紘)
小説の森に炎と棲む女(二宮千栄幸)
濃厚な干し柿になる私小説(悠 とし子)
華やかに「ひとひらの雪」消えてゆく(宮田伊久子)
小説を読む海峡に呼び出され(山下 和一)
残り火の消えないうちの私小説(岡本かくら)
大波小波三代生きた私小説(大竹 忠義)
変遷の渦に漂う私小説(吉田甚吾朗)
小説の中で遊んで若返る(辻田みえ子)
小説で知った台詞で口説かれる(沢田 正司)
小説を書く夢空し老いにけり(谷口秋之助)
少し脚色少し飾って私小説(大石あすなろ)
小説より奇なり自分史書き下ろす(山長 岳人)
私小説一つ抱いてる風の駅(小野 しま)
通夜の席ナマの小説読み終える(かしわぐま光代)
美しい過去形を積む私小説(上村 脩)
携帯で小説を書く新世代(太秦 三猿)
針穴をくぐった糸の私小説(菊池ふみを)
小説の世界出口は無限大(石川 檀)
留守電で一気に書いた私小説(黒澤かかし)
小説の世界に自我を置いて読む(椿 豊)
続編は喜劇にしたい私小説(市川つとむ)
私小説開けば傷が未だ疼く(木口 孝子)
私小説めく川柳がわが世界(太田 茶人)
小説を書こうとしたは五度六度(椙元 紋太)
小説の先が気になり午前二時(治枝)
サスペンス背筋が凍る夜を読む(三陽)
小説に青雲をみた少年期(鉄也)


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by ringo-utahime | 2015-07-27 18:49 | Comments(6)