りんご詩姫のブログ(新)

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2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡

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『熱帯夜』川柳と俳句

今週7月29日(水)ようやく全国の梅雨明けが発表された。

そして昨日7月30日(木)に日本一気温が高かったのが、なんと宮崎の西米良村と西都市とのニュース報道。37.3度を記録。
今年も酷暑の夏になりそうだ。


「夏日」は、日最高気温(0時~24時までの気温の最大値)が25度以上の日。

「真夏日」は、日最高気温が30度以上の日。

「猛暑日」は、日最高気温が35度以上の日。

「熱帯夜」は、日最低気温25度以上の日。

熱中症で死亡のニュースも多い。
室温を管理してエアコンなどを上手に使い、脱水症状予防の水分補給を欠かさないように心掛けたい。


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今週の「りんごの詩」の花は、久し振りの《カサブランカ》。
暑い夏に白い花は涼しげで、ホッとする。


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『熱帯夜』の川柳と俳句を集めてみた。


~川柳~
【熱帯夜】

風鈴が無口にさせる熱帯夜(米司 定生)
ウラオモテタテヨコナナメ熱帯夜(上村 千寿)
熱帯夜らくだ一頭予約する(宮本美致代)
見えもなく寝相さらけた熱帯夜(野口和嘉子)
いたずらの電話と熱帯夜がつづく(森中恵美子)
熱帯夜人を送りし記憶ばかり(森中恵美子)
抱擁をちょっとためらう熱帯夜(伊藤三十六)
熱帯夜と一行書いて日記閉じ(原島 幸男)
生まれ育ちは問わぬ熱帯夜の寝相(大野 稔)
気持ち良く生き生きしてる青大将(栗原いさむ)
熱帯夜パジャマのズボン脱げている(太田紀伊子)
氷山を夢見て寝るか熱帯夜(森島 一)
有刺鉄線ごと抱き締めた熱帯夜(さわだまゆみ)


~俳句~
【熱帯夜】(季語=夏)

潜航の潜水艦も熱帯夜(田代 蒼猫)
熱帯夜芳香剤にかなしばり(湯浅 洋子)
さそり座をめざす航海夜も暑し(福永 耕二)
零時過ぎ人語道ゆく熱帯夜(富岡掬池路)
掌にあばら鎮め商旅の熱帯夜(大西やすし)
透きとほるものばかり飲み熱帯夜(村田緑星子)
見飽きたる顔が隣に熱帯夜(加藤早記子)
熱帯夜しやうことなしに北枕(佐々木久子)
熱帯夜天使のやうな冷気来し(小関 桂子)
熱帯夜犬がかりりと器噛む(阿部みち子)
熱帯夜伸びきっている脳の襞(菅谷 豊治)
熱帯夜効かぬくすりを呑んでみる(田川ひろし)
蛇皮線を鳴らし古酒飲む熱帯夜(堀 古蝶)
まつくらな中に階段熱帯夜(吉田 汀史)
手と足と分からなくなる熱帯夜(五島 高資)


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by ringo-utahime | 2015-07-31 16:38 | 川柳(課題別) | Comments(3)

『銅像』川柳

7月18日(土)の讀売新聞(宮崎版)「川柳」欄の3席が、
廃校に石の本読む金次郎(堀内 宏幸)
………だったことから、さくら草さんのブログ『さくら草川柳日記』でも、金次郎の話題で盛り上がった。
念のため、二宮金次郎を知らない人の為に補足する。



◎二宮尊徳〈にのみやそんとく〉
1787~1856
江戸後期の農政家で、報徳主義の創唱者。通称金次郎、諱〈いみな〉は尊徳〈たかのり〉。相模(神奈川)の人。
14歳のとき父を、16歳のときに母を失い、田畑は酒匂〈さかわ〉川の洪水によって流失して、伯父の家に寄食。苦学して一家を再興し、田畑約4町歩をもつ地主となった。
徹底した倹約実践家で、また神・儒・仏に基づく報徳精神を説いた。
小田原藩桜町領の農村復興に成功して認められ、のち普請役格の幕臣となる。以後、常陸(茨城県)その他各地の農村復興に尽力。彼の弟子たちにより報徳社運動が全国的に展開された。主著に『報徳記』など。


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小学校に建てられた「金次郎像」で最も古いものは、大正13年(1924)愛知県前芝村立前芝高等尋常小学校(現・豊橋市立前芝小学校)に建てられたもの。
その後、昭和初期に地元民や卒業生の寄付によって各地の小学校に像が多く建てられた。

戦前の像は銅製のものが多く、これらの多くが第二次世界大戦中の金属提出により無くなったが、教育的配慮として、教師や児童の立会いの下で像に襷〈たすき〉をかけて壮行式を挙行し戦地に送り出したり、撤収後の台座に「二宮尊徳先生銅像大東亜戦争ノタメ応召」の札が立てられた。

1970年代以降、像のように薪を背負ったまま本を読んで歩いたという事実が確認できないことと、児童が像の真似をすると交通安全上問題があることから、校舎の建て替え時などに徐々に撤去され、像の数は減少傾向にある。


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上の写真は、我が家の秘宝、二宮尊徳像。高さ12.5㎝。
銅製……ではなく、ポリレジン。重さ200g。


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実は、これ、スマホスタンド。
薪ではなくスマホを背負う金次郎が手にしているのも、本ではなくスマホ。
私のお気に入りグッズの一つ。

(#^.^#)


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課題『銅像』の川柳を集めてみた。

【銅像】
伯父さんの意見二宮金次郎(村田 周魚)
除幕式銅像の目は海に向き(松岡惠美子)
人が来たとき銅像は人になる(若林 柳一)
鳥のふん銅像何も言いません(小谷 賢)
銅像が顔をしかめる世の乱れ(佐藤 博正)
銅像も屋根を欲しがる酸性雨(阿部 功)
銅像のさみしい横顔もおとこ(森中恵美子)
銅像は明治の風を恋しがり(夏秋 竜平)
銅像の一瞥を得てなお貧し(東野 節子)
銅像も降りて来そうな労働歌(今井 友蔵)
銅像の孫マンションにひそと棲む(長谷川歴青)
俺だ俺だと銅像云いたそう(麻生 路郎)
焼酎や西郷どんも犬が好き(東野 節子)
裸婦像をのんびり見れる年になり(句の一)
見る人もない像雨が洗ってる(古今堂蕉子)
平和の像に六十年を問うてみる(片山 辰巳)
ニューリーダーの失意ロダンの像になる(山本 毅)
ライオンの像が夜中に歩きだす(末住 栄)
裸婦像は風邪も引かずに雪の中(菊田差知子)
雨しとど胸像はまだ動かない(坂 範子)
アイデアをロダンの像に問うてみる(鹿島 敏生)
裸婦像のあたり空気も柔らかい(上田 佳風)
ブーム今地域うるおす竜馬像(佐々木江久子)
戦乱を嘆く自由の女神像(大河原信昭)
腕組みをする日の多い女神像(提坂まさえ)
殺し合うテロを悲しむ女神像(佐野 越子)
アメリカで自由を探す女神像(野島 正夫)
裸婦像にときめく呼吸少しあり(小林 昭男)
永遠の恋全身で見るダビデ像(千田 節子)
思索して孤高な呼吸ロダン像(中井 大八)
小便小僧のうしろで女待っている(森中恵美子)
小便小僧をときどき抱いてみたくなる(森中恵美子)
胸像も主張をまげぬ面構え(麻生 路郎)
小便小僧にセーターを編む母性愛(福島 久子)


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by ringo-utahime | 2015-07-30 01:01 | 川柳(課題別) | Comments(6)

『小説』川柳

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太宰治と芥川龍之介を敬愛する、お笑い芸人ピース・又吉直樹の中編小説「火花」を読んだ。
第153回芥川賞受賞で、今のところ累計124万部(15刷)の増刷が決定(7月21日、文藝春秋発表)。
現代人の活字離れに困っている出版業界には久々の朗報だろう。

売れない芸人「徳永」が、師と仰ぐ先輩芸人「神谷」との交流を通して「笑いとは、才能とは、人間とは、生きるとは何か」を自問自答し続けて葛藤するストーリー。自伝ではないが自伝的で、リアリティーのある静謐な小説。心理描写も風景描写も、なかなかに達者だと感じた。
登場人物のモデルは誰かな。この先ドラマや映画になる時のキャスティングはどんな面々になるのかな………などと考えながら楽しんだ。

ちなみに、表紙絵は2012年に発表された西川美穂さん(当時、多摩美術大学、大学院2年)の「イマスカ」。布に隠れたモノは何か。見えるモノと見えないモノの境界を鋭くさりげなく描いている。


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課題『小説』の川柳を集めてみた。

【小説】
小説の中美しく国亡ぶ(三條東洋樹)
綴るほど薄墨色の私小説(宮川 蓮子)
平熱で書く小説が売れ残る(間瀬田紋章)
小説のページ進める青い風(石堂 稔枝)
私小説ふとんはいつもやわらかい(樋口由紀子)
漱石の猫がのぞいた隣組(平田 一暢)
やま場ないままにペン置く私小説(間瀬田紋章)
名作のふるさと蔵の多い町(津島 無境)
ひとりの灯消せばロビンソンクルーソー(片岡 直人)
読み耽る乱歩へ時計走り出す(今西 規壬)
生きて来てよかったと周平を読む(玉理由貴美)
またひとり殺してねらう乱歩賞(亘 高一)
なんべん読んでもこみあげてくる頁(池内 雅巳)
身の上の数奇を綴る出世作(津田 一江)
結末はわかっていても血が騒ぐ(高塚 夏生)
目薬を注して続編面白し(野里 猪突)
仮の世から銀河鉄道予約する(萩原五月子)
ベストセラーのペン赤裸々な青春譜(松尾 泰子)
共感の作者に会ってみたくなる(梶原 祐幸)
ここまでは読んだ証の古栞(小池 一恵)
鏡花もの好きな老女と訪う湯島(石岡 正司)
空っぽになれた一冊読み終えた(山本 乱)
人に飽きて太宰治に浸る日々(竹田 桃生)
ハッピーエンド確かめてから本を読む(名田 和雄)
小説家気取りで夜のネオン街(河原崎頌石)
小説の舞台になって過疎も春(望月 双葉)
携帯で小説までも読む時代(若林寿美子)
ヒロインになり小説の中に居る(秋山はな江)
小説は手紙一人に向けて書く(橋倉久美子)
私小説赤い葉っぱのエピローグ(出雲寺 紘)
小説の森に炎と棲む女(二宮千栄幸)
濃厚な干し柿になる私小説(悠 とし子)
華やかに「ひとひらの雪」消えてゆく(宮田伊久子)
小説を読む海峡に呼び出され(山下 和一)
残り火の消えないうちの私小説(岡本かくら)
大波小波三代生きた私小説(大竹 忠義)
変遷の渦に漂う私小説(吉田甚吾朗)
小説の中で遊んで若返る(辻田みえ子)
小説で知った台詞で口説かれる(沢田 正司)
小説を書く夢空し老いにけり(谷口秋之助)
少し脚色少し飾って私小説(大石あすなろ)
小説より奇なり自分史書き下ろす(山長 岳人)
私小説一つ抱いてる風の駅(小野 しま)
通夜の席ナマの小説読み終える(かしわぐま光代)
美しい過去形を積む私小説(上村 脩)
携帯で小説を書く新世代(太秦 三猿)
針穴をくぐった糸の私小説(菊池ふみを)
小説の世界出口は無限大(石川 檀)
留守電で一気に書いた私小説(黒澤かかし)
小説の世界に自我を置いて読む(椿 豊)
続編は喜劇にしたい私小説(市川つとむ)
私小説開けば傷が未だ疼く(木口 孝子)
私小説めく川柳がわが世界(太田 茶人)
小説を書こうとしたは五度六度(椙元 紋太)
小説の先が気になり午前二時(治枝)
サスペンス背筋が凍る夜を読む(三陽)
小説に青雲をみた少年期(鉄也)


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by ringo-utahime | 2015-07-27 18:49 | Comments(6)

『メロン』川柳と俳句

今朝、宅配便でメロンが2個届いた。嬉しい。ありがとうございます。

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子どもの頃、マスクメロンは憧れの果物だった。高価なので、病気で入院でもしない限りは滅多に食べられなかった。口に入るのは、安価なマクワウリ(大阪では「マッカ」と呼ぶ)や、せいぜいプリンスメロンの類だった。

メロンは、ウリ科の一年生草本植物。ギリシャ語のmelopepon(りんごのような瓜)が語源。
最近の遺伝子研究により、メロンの原産地はインドと裏付けられた。紀元前2000年頃に栽培が始まり、西方に伝わった品種群をメロンと呼び、東方に伝わった品種群を瓜(ウリ)と呼ぶ。
紀元前5世紀頃にエジプトで作られた苦みの少ないメロンが地中海を越えてヨーロッパに渡った。その後、数世紀に及ぶ改良努力の結果、甘い品種が作られるようになった。
園芸分野では果菜(実を食用とする野菜)とされ、青果市場や栄養学上では果物・果実と分類される。

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『メロン』の川柳と俳句を集めてみた。


~川柳~
【メロン】

果物屋メロンへ貴賓席があり(伊豆丸竹山)
西瓜から見ればメロンのけちくさし(江口 東白)
入院の妻に初めて買うメロン(中武 重晴)
メロン一個重たいときもある見舞い(青山 亨子)
女王のようにメロンが座る冷蔵庫(喜多川やとみ)
ままごとの続きのようにメロン剥く(小島 礼子)
メロン一個が五人家族のまん中に(中村登美子)
食べ頃をメロンに聞けばいい匂い(原 みえこ)
上段にメロン序列があるらしい(永田 俊子)
頭数かぞえて母の切るメロン(坂口 松美)
安物のメロンを食べてメロン党(早良 葉)
自己愛のそんなメロンを食べてます(小野 杏子)
人の名は忘れたままでメロン食ぶ(田村 精子)
メロン一口君から貰う薄あかり(松山 芳生)
仏様メロンが熟すまで供え(前川 正子)
やわらかくなったメロンの愚痴を聞く(古今堂蕉子)
いつかいつかとメロンの端を食べている(斎藤あまね)
この星は腐りかかっているメロン(新家 完司)
団欒に熟れたメロンがよく喋り(松岡恵美子)
デザートはメロン嬉しい日が続く(宮村 典子)
移るか残るか夕張メロン眠れない(山崎 泰司)
病室にライバルが来るメロン下げ(秋山 了三)
ひとさしずつメロンをすくう嘘すくう(柏原幻四郎)
道頓堀メロンが腐ったなげきなり(麻生 路郎)



~俳句~
【メロン】(季語=夏)

診し病篤しメロンに手をつけず(五十嵐播水)
炎帝につかへてメロン作りかな(篠原 鳳作)
メロンたうべ明るく巨き船おもふ(瀧 春一)
熟れ頃も冷え頃も誕生日のメロン(大橋 敦子)
白樺を日のもる卓にメロン割る(伊丹 丈蘭)
メロン買ひわが体温の紙幣消ゆ(福永 耕二)
真二つのメロンが雪の香を放つ(河野 文洋)
見舞いてはメロンを貰い帰りけり(長谷川禮子)
しろがねの刃のためらはぬメロンかな(日野 草城)
恋に倦みメロンの網を撫でゐたり(小林 貴子)
メロンから拡がる夜の白い漁網(中嶋 秀子)
尼となる勇気もなくてメロン食ぶ(今泉 陽子)
ソクラテスの妻の顔してメロン食む(大沢 玲子)
天文台のようにメロンが置いてある(大橋 一青)
藹藹とメロンの知能指数かな(高橋 京子)
母の忌の夜ふけひとりを甜瓜(土方 鐵)
縁談の話の客へメロン切る(小田 尚輝)
メロンにも銀のスプーン主婦好み(高浜 虚子)
メロンに刃入るるや沖に白帆置き(畠山 譲二)
メロン掬ふに吃水線をやや冒し(鈴木 榮子)
青メロン運ばるゝより香に立ちぬ(日野 草城)


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by ringo-utahime | 2015-07-25 21:43 | 川柳(課題別) | Comments(6)

戦争が廊下の奥に立ってゐた
(渡邊 白泉)


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俳人・渡邊白泉(わたなべはくせん)
1913年3月24日~1969年1月30日。本名は威徳(たけのり)。東京出身。
昭和初期の新興俳句運動において無季派(超季派)の俳人として活躍。戦争の本質を鋭く突いた「銃後俳句」と呼ばれる無季俳句が特に知られる。
※上の写真は、昭和40年、52歳の頃。

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※参考書籍
(現代俳句の世界16「富澤赤黄男、高屋窓秋、渡邊白泉 集」朝日文庫、昭和60年5月20日発行)


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◆白泉は大正2年3月24日、東京都赤坂生れ。中学4年(16歳)で「子規俳話」に接し、蕪村に魅了され、俳句を始める。

白壁の穴より薔薇の國を覗く
(昭和4年、16歳)

街燈は夜霧にぬれるためにある
(昭和9年、21歳)

鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ
(昭和10年、22歳)

三宅坂黄套わが背より降車
(昭和11年、23歳)
※「黄套」は陸軍の将校のカーキ色。

◆昭和12年7月、日中戦争勃発。

われは恋ひきみは晩霞を告げわたる
(昭和12年、24歳)

遠き遠き近き近き遠き遠き車輪
(昭和13年、25歳)

銃後という不思議な町を丘で見た
(昭和13年、25歳)

憲兵の前で滑って転んぢゃった
(昭和14年、26歳)

戦争が廊下の奥に立ってゐた
(昭和14年、26歳)

◆昭和15年2月、新興俳句(京大俳句)弾圧事件。5月、白泉検挙。執筆禁止。

◆昭和16年12月、対米英大東亜戦争開始。

庭中にまはりてふるや春の雪
(昭和18年頃)

鳥籠の中に鳥飛ぶ青葉かな
(昭和18年頃)

◆昭和19年6月、応召。横須賀海兵団入団。

めつむりて打たれてゐるや坊や見ゆ
(昭和19年、31歳)

襯衣〈しゃつ〉袴下〈こした〉番兵凍る洗濯日
(昭和19年、31歳)

夏の海水兵ひとり紛失す
(昭和19年、31歳)

◆昭和20年8月14日、ポツダム宣言受諾、敗戦。翌15日、玉音放送。

玉音を理解せし者前に出よ
(昭和20年、32歳)

新しき猿又ほしや百日紅
(昭和20年、32歳)

砂町の波郷死なすな冬紅葉
(昭和23年、35歳)
※俳人「石田波郷」は戦中に左湿性胸膜炎を発病、手術と入退院を繰り返した。心不全による逝去は、昭和44年11月21日。

◆昭和25年6月、朝鮮戦争勃発。

まんじゅしゃげ昔おいらん泣きました
(昭和25年、37歳)


◆昭和27年4月、サンフランシスコ講和条約締結、国際法上の大東亜戦争終戦。

◆昭和28年7月、朝鮮戦争休戦。

◆昭和29年3月、米軍の水爆実験。第五福竜丸被曝。


地平より原爆に照らされたき日
(昭和31年、43歳)

万愚節明けて三鬼の死を報ず
(昭和37年、49歳)
※俳人「西東三鬼」は胃癌を発病し、昭和37年4月1日永眠。

あぢさゐも柳も淡き雨のなか
(昭和39年、51歳)

極月の夜の風鈴責めさいなむ
(昭和39年、51歳)

松の花かくれてきみと暮らす夢
(昭和40年代)

おらは此のしっぽのとれた蜥蜴づら
(昭和40年代)

谷底の空なき水の秋の暮
(昭和40年代)

◆昭和44年1月30日、帰宅途上バスに乗る際、脳溢血発作で昏倒。意識不明のまま逝去。沼津市立沼津高等学校教諭。享年55。


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by ringo-utahime | 2015-07-24 23:27 | 書籍 | Comments(4)

『百合』川柳と俳句

理由は何故か自分でも判らないのだが、子どもの頃から百合が好きだった。
昔、花屋の店先に並んでいる百合は専ら白百合・透かし百合・鬼百合の類だったが、最近は西洋百合が主流となってきている。
毎週月曜に花屋さんが「りんごの詩」に配達してくれる西洋百合(オリエンタル百合)を、開店以来ずっと愛でている。

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写真は、今週の「りんごの詩」の花。オリエンタル百合の『アマロッシ』。

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ちなみに、フランス王家の紋章は「fleur de lys」(フルール・ド・ リス)=「百合の花」。
処女マリアに受胎告知をした天使ガブリエルが白百合を持っていたことから、フランス国王はキリスト教でも認知された王であるシンボルであったとされる。


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「百合」の川柳と俳句を集めてみたが、植物だけに圧倒的に俳句が多い。


~川柳~
【百合】

場違いに頬染めて咲くクルマユリ(大西 菊水)
谷底を出ぬ鬼百合の一本気(園田恵美子)
白百合の荷が着く朝の城下町(博多 成光)
百合気まま思い思いを向いて咲き(松本 涼一)
裏庭の白百合なぜか過敏症(由紀子)
自信過剰カサブランカもワタクシも(さわだまゆみ)
カサブランカの俯いて咲く愚かさよ(さわだまゆみ)


~俳句~
【百合】(季語=夏)

百合の花朝から暮るるけしきなり(小林 一茶)
白百合のめしべの尖のぬめぬめと(戸田 九鈴)
姥百合を大きく曲る草刈機(石井 檀)
三つ咲きし鉄砲百合を好みけり(野村 喜舟)
蘂〈しべ〉掻いて百合の丸蜂あわてもの(島村 元)
熱出でて母には百合のことのみ云ふ(斎藤 空華)
鬼百合の鬼々しきを生けて厭く(相生垣瓜人)
断崖を白くし百合の群れ咲けり(山口波津女)
百合の香と小過失吾を眠らせず(相馬 遷子)
駅員の一卓の百合海へ向き(能村登四郎)
谿音や百合はねむりて蘂めざむ(森 澄雄)
黒百合の嶺にらんらんと夜明星(岡田 日郎)
あら壁に百合の花粉の触れし跡(渡辺 茂子)
山百合をいくたび照す夜の雷火(土方 秋湖)
何思ふ子の横顔や百合ひらく(和田 祥子)
百合咲けば百合の高さにもの思ふ(小檜山繁子)
百合匂う地球は月を抱きにけり(細井 啓司)
白百合の今年も白し師の忌来る(守部 幸代)
山百合の純白守り抜く香なり(廣瀬 町子)
鬼百合がしんしんとゆく朝の空(坪内 稔典)
黒百合の花に鎌屋根霧吹きし(蓮實 淳夫)
笹百合の咲く古里の山偲ぶ(久保ふさ子)
離島なる鉄砲百合は丈なさず(末廣紀惠子)
姥百合の花素気なく棒立ちに(重見 和子)
姥百合の種子翔ぶ風の見えねども(加藤芙美子)
燈籠に隠れ十字や百合ひらく(土肥さだ子)
ちち母は知らず少年百合かぐを(西 和夫)
白百合の匂ひを出づる痛みかな(平尾 洋子)
鬼百合や妻が少女となりし家(香西 照雄)
山百合の怒りて香る家の中(久保田慶子)
百合の香をもてあましたる男部屋(鈴木 寿子)
漆黒の壺に鬼百合挿せば父(石倉 夏生)
山百合の匂ひに噎せ君とゐし(小幡 九竜)
百合の香のはげしく襲ひ来る椅子に(稲畑 汀子)
起き上る風の百合あり草の中(松本たかし)
すぐひらく百合のつぼみをうとみけり(安住 敦)
百合咲くや海よりすぐに山そびえ(鈴木真砂女)
百合ひらき甲斐駒ヶ岳目をさます(福田甲子雄)
むきむきに花粉こぼして卓の百合(奈良 鹿郎)
献花いま百合の季節や原爆碑(後藤比奈夫)
仏壇の中の暗きに百合ひらく(菖蒲 あや)
百合の香を深く吸ふさへいのちかな(村越 化石)
指さしてわがものとする崖の百合(橋本美代子)
折り持てば首より動くかのこゆり(松藤 夏山)
稚児百合の丈のあはれに揃ひけり(吉田万里子)


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by ringo-utahime | 2015-07-24 02:29 | 川柳(課題別) | Comments(7)


手と足をもいだ丸太にしてかへし
(鶴 彬)




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柳人・鶴 彬(つる あきら)
1909年1月1日~1938年9月14日。享年29。
石川県河北郡高松町(現かほく市)生まれ。本名、喜多一二(きた かつじ)。
日本のプロレタリア文学の影響を受けた代表的な反戦川柳作家。


川柳という人間・社会を映し出す十七音の鏡による表現力と出遭い、しだいに川柳とは、社会とは………という真理を求めた鶴彬。全体主義の時代は、それを許さなかったが、鶴彬が川柳作品と柳論に遺した叫びは、時代を超えて川柳への情熱を伝える。



~「川柳人」281号(昭和12年11月15日)より~

高梁の実りへ戦車と靴の鋲

屍のゐないニュース映画で勇ましい

出征の門標があってがらんだうの小店

万歳とあげて行つた手を大陸へおいて来た

手と足をもいだ丸太にしてかへし

胎内の動きを知るころ骨〈こつ〉がつき



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写真は、「鶴彬の川柳と叫び」尾藤一泉編(新葉館出版)の表紙。


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■自由と平和のための京大有志の会
「声明書」

戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。


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by ringo-utahime | 2015-07-22 23:51 | 川柳本 | Comments(4)

川柳句集「炎」松村華菜

6月21日(日)の熊本噴煙川柳大会の参加者に贈られた松村華菜さんの川柳句集「炎(ほむら)」(飯塚書店、2015年7月1日第1刷発行)を紹介。

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26年前の8月の暑い日、突然の交通事故で夫を亡くされた松村華菜さん。絶望と喪失感と悔しさの中で、何かに縋りたくて、ふらりと導かれるように入ったのが川柳の世界だと言う。以来、不思議な川柳の魔力に引かれ、舟を漕ぎ続けてこられての25年………華菜さんの内なる炎が詰まる375句は圧巻。
情熱的な紅色の表紙に、平田朝子さん(噴煙吟社主宰)書の題字も素敵。


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走り雨悲は突然にやって来る

美しい約束が散るももさくら

眠ってくれぬ記憶の中にあるほむら

もう桃は流れて来ない冬の川

風花の今日は行き場のない孤独

一瞬の炎えた記憶で生きられる

魚拓から逢いたいひとの笑い声

叱ってくれる月も今夜はまだ出ない

走らねばならぬならぬと貨車が行く

あなた以上のひとに会えない海の蒼

もうすこし噛ってみたい骨だった

淋しさは言わぬ部屋中ジャズで埋め

書きなぐる詩は悲しい独り言

ひまわりの裏は渇きに耐えている

消し壺の中にときどき風の音

豆の蔓おまえも支え欲しいのか

帽子目深に今日は人間から逃げる

修正液の下の涙が乾かない

まっすぐな線を描いて狂えない

人間の匂いたっぷりさせている

風船を飛ばす独りもいいもんだ

すこし血が濃すぎるようでサラダ噛む

夢食べて淋しさ食べてまだこの世

身の内を奔るものあり紅い月

待つという快感がある梅香る

佗助や脆い縁のひとといる

狂い鳴く蝉は幸せかも知れぬ

夜桜や危ういものと響き合う

人間の深いところに棲む獣

遠花火赤いかけらがまだ光る

夕やけ小やけ嘘は真っ赤につき通せ

下車できる駅はいくつもあったはず

冬の絵を明日はひらりと出て行こう

りんごが沁みる少しいい子になりすぎた

茄子の花人を羨むことはない

浮雲の自由鍵穴から見つめ

人間が好きでやさしい嘘をつく

振り向いて欲しくてときに吠えてみる

すこしだけ酔っております路地裏で

埋め立て地海ほおずきの音がする

ゆっくりと沈むわたしも紙の舟



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松村 華菜(まつむら かな)

昭和11年、熊本県荒尾市生まれ。
平成3年、熊本噴煙吟社入会。
平成4年、川柳人間座入会。
平成13年、熊本噴煙吟社幹事同人。
平成18年、川柳葦群(川柳人間座後継)同人。
平成24年、現代川柳新思潮入会。


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by ringo-utahime | 2015-07-21 07:32 | 川柳本 | Comments(4)

俳句の添削に学ぶ

TBS系で放送中のバラエティ番組『プレバト!!』の〈俳句コーナー〉が好きだ。
俳人・夏井いつき
さんの添削指導には、ファンも多い。

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夏井いつきさんは昭和32年生まれ、松山市在住。8年間の中学校国語教諭の後、俳人へ転身。「第8回俳壇賞」受賞など。

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「超辛口先生の赤ペン俳句教室」著者・夏井いつき(朝日出版社、2014年12月10日初版第1刷発行)を紹介。

普通の入門書のような俳句の作り方は、ほとんど書かれていない。
芸能人(ほぼ初心者)の俳句を取り上げ、添削によって変容する「言葉の化学変化」を楽しんで欲しいという主旨。


《Q&A》
Q★添削した句の作者は誰か?
A★日々の句会でも、添削は作り替えの提案として議論される。指導者や句座の仲間から自句について様々な添削案が示され、それが自分の表現意図に合致していれば、作者の判断において、その案を自作として採用して構わない。が、提案された添削が自分の表現意図やニュアンスに敵っていない場合は、諸々の提案は推敲のヒントとして拝聴するに留めておくべき。
添削という提案を採用するか否かは、作者自身が自分の意思で決めるべきこと。


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~添削実践例より一部抜粋~

①夏の日の思い出にがしかき氷(長嶋 一茂)
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夏の季語が2つ(夏の日、かき氷)の「季重なり」はNG。
上句の「夏の日」を具体的な映像を持つ語彙に変えたい。
《添削例》
片恋の思い出にがしかき氷
縁日の思い出にがしかき氷
合宿の思い出にがしかき氷
〈季語「かき氷」=夏〉

②移り行く夏の夜空か万華鏡(前田 吟)
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花火を万華鏡に喩えたかった句。「移り行く」が「夏」にかかってしまうのを避けたいので、上句を「ひらきゆく」に添削。
誤読を引き出す要因の「夜空か」の助詞「か」を「の」にして「夏の夜空=花火=万華鏡」という意味が伝わるようにしたい。
《添削例》
ひらきゆく夏の夜空の万華鏡
〈季語「夏」=夏〉

③古き塔照らす月光君想う(吉村 涼)
↓↓↓↓↓
※言葉の無駄遣いを省くこと。
「月光」に「照らす」は不要。「古き塔」は「古塔」に縮めることができる。
《添削例》
月光に古塔の影や君想う
〈季語「月光」=秋〉

④行く夏を惜しむ夕日が浜てらす(田原総一朗)
↓↓↓↓↓
「行く夏」には「惜しむ」気持ちも内包される。
「夕日」に「てらす」は不要。
《添削例》
行く夏や夕日の浜に一人立つ
行く夏や夕日の浜に我と犬
行く夏や夕日の浜に国憂う
〈季語「行く夏」=夏〉

⑤夕暮れの月が囁く帰り道(蛭子 能収)
↓↓↓↓↓
「夕暮れの月」を「夕月」に短縮して、具体的な映像を加えたい。
《添削例》
夕月が囁く坂の帰り道
夕月が囁く妻と帰る道
夕月に暖簾囁く帰り道
〈季語「夕月」=秋〉

⑥涼しさを登り味わう氷水(優木まおみ)
↓↓↓↓↓
夏の季語(涼しさ、氷水)が2つの「季重なり」なので、季語を1つ捨てる。
動詞「味わう」と説明せず、臨場感をもって気分を表現したい。
《添削例》
涼しさを登りきてこの水の味
〈季語「涼しさ」=夏〉

⑦滝つぼに向かって白龍まっしぐら(藤本 敏史)
↓↓↓↓↓
中8音の字余りなので「向かって」を「向かい」にしたい。
「滝つぼに」を「滝つぼへ」と助詞を変えたい。
※「に」は場所を示す助詞、「へ」は方向を示す助詞で勢いが出る。
《添削例》
滝つぼへ向かい白龍まっしぐら
〈季語「滝」=夏〉


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先日、みごと芥川賞を受賞されたピース又吉直樹さんの俳句は、秀句に分類されている。さすが。

柄のとれた箪笥の中に菫草(又吉 直樹)
〈季語「菫草=春」〉

号令の風となりけり水芭蕉(又吉 直樹)
〈季語「水芭蕉」=夏〉


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共に俳諧連歌から生まれた「俳句」と「川柳」は、性格は異なるが同じDNAを持つ兄弟なので、幾つかの共通点もある。
俳句を学ぶことは、川柳作家にとっても大いに勉強になり、プラスになることだと考えている。

(*^_^*)


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by ringo-utahime | 2015-07-20 02:50 | 書籍 | Comments(14)

『扇風機』川柳と俳句

7月17日(金)、九州南部の梅雨明けが発表された。平年より3日、昨年より一日遅かった。
梅雨入りの6月2日から7月16日までの総雨量は、鹿児島市で1699.5ミリ、宮崎県都城市で1449.5ミリを記録。各地で平年の2倍以上だったらしい。

さて、これからがいよいよ夏本番。友人から充電式の「扇風機」をもらった。

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課題『扇風機』の川柳を集めてみたが、残念ながら少なかった。

~川柳~
【扇風機】

両方の顔色を見て扇風機(楠山 東石子)
扇風機やさしい止まり方が好き(西 恵美子)
扇風機 仲をとりもつかの如く(板垣 草丘)
扇風機かけてもらって値切られず(青木 史呂)
扇風機音の中なる駒の音(金泉 萬楽)
扇風機3に落として札の束(鋳谷 京糸)


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歳時記から『扇風機』(夏の季語)の俳句を集めてみた。

~俳句~
【扇風機】(季語=夏)

扇風機ぐらり写楽の大首絵(石田 玲子)
還らない誰彼扇風機をしまう(春日井 誠)
叩かねば動かぬ猫と扇風機(高橋 とき)
扇風機強を押す日の弱気かな(村上 邦子)
扇風機まはり澄みをり音もなく(横江 几絵子)
睡りたる子に止めて置く扇風機(稲畑 汀子)
扇風機大き翼をやすめたり(山口 誓子)
卓布吹きやがてわれ吹き扇風機(星野 立子)
何もなき袂吹かるゝ扇風機(日野 草城)
ひとり居のわれに首振り扇風機(細川 加賀)
扇風機さげて嫁いで来し妻よ(轡田 進)
駄菓子屋の奥見えてゐる扇風機(斎藤 夏風)
扇風機止めれば雨の音のまた(久保田万太郎)
扇風機籠のレモンに風送る(横山 白虹)
扇風機しづかいさかひゐるときも(吉野 義子)
羽欠けて病人によき扇風機(福田 大志)
扇風機干拓の風送るなり(片山 宣子)


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by ringo-utahime | 2015-07-18 00:30 | 川柳(課題別) | Comments(8)

2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡


by りんご詩姫