『コップ(グラス)』川柳

カプセルトイシリーズの「コップのフチ子」は有名だが、私のお気に入りは、Kさんからプレゼントしていただいた「コップのフチ猫」。
茶トラ・三毛・シャム・アメショー・ハチワレ(黒・グレー)の6匹のフィギュアが可愛い。

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課題『コップ(グラス)』の川柳を集めてみた。

【コップ(グラス)】
秋風にコップが一つ生き残り(櫛田 信子)
男老いてコップの水をひといきに(柴田 午朗)
ふっ切れて洗うコップの透明度(原田 健二)
バリウムのコップが少し大き過ぎ(久田美代子)
気づかれない私のコップ空なのに(渡辺 妙子)
コップの中に無色の寒がうずくまる(宮本美致代)
透明なグラスに嘘は注げない(岡田 幸子)
万歳に急に呼ばれた紙コップ(稲垣のぶ久)
いろいろな唇しっているグラス(八木 侑子)
響き合う海がペアグラスに満ちる(若林 柳一)
過去ばかり注ぐグラスとは遊ばない(古俣 麻子)
乾杯のグラス傾け介護論(齋藤 光子)
甘い罠ワイングラスが揺れている(武田 帆雀)
氷河期をグラスに沈め飲んでいる(木本 朱夏)
喪の帯をするりと抜けてコップ酒(平向 玲子)
適量の適に迷ったコップ酒(大村 松石)
充電のように朝からコップ酒(吾妻 政枝)
コップ酒こころに風の鳴る日なり(村木 碧水)
エプロンに小銭女もコップ酒(田内 文子)
妻の振るタクトへ背くコップ酒(遠藤 枯葉)
負け犬の気炎をあげるコップ酒(田中 蛙声)
市場籠提げた男のコップ酒(樋口 公輔)
青い鳥さがしあぐねてコップ酒(伊藤 久笑)
男も女も二兎を追う夜のグラス(西野 光陽)
忘れたい思い出グラスの中に浮き(八島 白龍)
ときめきはワイングラスの指が知り(奥田 松子)
たよりない男にも似て紙コップ(橋田呂久朗)
乾杯のこころもとない紙コップ(塩田しずを)
紙コップどこまで堪えてゆけるのか(片野智恵子)
毒薬を飲む日のための紙コップ(春日井五月)
飽食の街をころがる紙コップ(西秋忠兵衛)
棒鱈むしって夢つぎこぼす紙コップ(府栄野香京)
捨てられる時を知ってる紙コップ(浦 眞)
もう愚痴は聞き飽きました紙コップ(後藤 孝)
ビールでは勘弁してよ紙コップ(敬三)
検尿のコップへ確とフルネーム(圭子)
紙コップ程の愛だと倦怠期(春菜)
薬だと言われ欠かせぬコップ酒(恵子)
コップ手に晴れて二十の春がくる(宏)
百歳へ神と分け合うコップ酒(英子)


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by ringo-utahime | 2015-10-08 17:53 | 川柳(課題別) | Comments(12)

「川柳歳時記・四」

2015年4月15日発行の「川柳歳時記・四」(新葉館出版)を紹介。
課題1895題、秀句5454句。519ページ。1600円+税。

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◆題「一週間」西岡 南風選(川柳みやざき)
一週間過ぎれば恋をする喪服(まゆみ)
週はじめ企業戦士は面かぶる(淳子)
曜日知る必要もなく日々ゆたか(カツ子)

◆題「裏」古賀麗子選(川柳葦群)
人情の機微裏見せることも技(吉開 綾子)
正論の裏に隠れている本音(石田 酎)
ひょっとこの仮面の裏の涙あと(梅崎 流青)

◆題「追い風」石神 紅雀選(川柳火のしま)
信じようとても無口な追い風だ(真島久美子)
女ひとり追い風は今帆は斜め(冨永紗智子)
追い風へ線引き直す青写真(大窪りんず)

◆題「片隅」永友 淳子選(川柳みやざき)
おんな先生心の隅に六十年(龍司)
老舗屋は昭和の路地の片隅に(雄三)
片隅に置いても光る知恵袋(静江)

◆題「サイズ」真島 清弘選(川柳ふんえん)
帰港した巨大タンカー孫の靴(棧 舜吉)
堂々とわたしを生きるLサイズ(村岡 寿子)
ジャンボではないがおっぱい良く出ます(中原たかお)

◆題「塩」野村 賢悟選(川柳葦群)
善人の顔して並ぶ塩むすび(高田 泰夫)
地の塩となるはずだった獄中記(速川 美竹)
塩加減やっと自分を取り戻す(内田 久枝)

◆題「失恋」真島久美子選(川柳あやめ)
そっとしておこういい恋掴むまで(伸江)
身を焼くほどの恋は捨おく外はない(乱)
線香花火ぽとりわたしの恋ぽとり(紗智子)

◆題「新品」山下 努選(川柳火のしま)
新品のスーツから夢溢れ出す(外園ピアノ)
おさがりが新品になる母の技(篠原 郁代)
妥協せぬ風を待ってる新コート(中村エレキ)

◆題「そよそよ」石神 紅雀選(川柳火のしま)
青い実へ風はそよそよ噂する(桜木 えり)
恋かしらそよ吹く風が歌ってる(平田まりん)
そよ風に素直になってみませんか(春田あけみ)

◆題「東海道」〈時代吟〉加行 大洋選(汎)
参勤交代心はお江戸東海道(岩崎 哲)
早馬が駆けて赤穂の幕が開く(伊福 保徳)
弥次喜多も馬子唄うなる浮世風呂(高峰 桂介)

◆題「逃げる」緒方 正堂選(川柳ふんえん)
その場から逃げても同じ陽が昇る(あじさい)
あの頃の君に会いたい鬼ごっこ(なお美)
逃げ出した故郷に未練が滲み出る(萬理)

◆題「望む」真島美智子選(川柳むつごろ)
美代ちゃんも外へ出たいと春を待つ(信雄)
ノックしてみよう望みが叶うかも(信雄)
手のひらの望みときどき握り締め(和子)

◆題「平均」荒砂 和彦選(川柳みやざき)
学校に個性眠らす平均値(吉井 楼太)
不揃いの美学許さぬ計算機(さとう亜夢)
平均値比較社会の拠りどころ(倉迫 一朝)

◆題「虫」大河原信昭選(川柳葦群)
夏終る怠惰な虫を肥らせて(堀 久美子)
封印を解けばうごめく虫すだく(小林 宥子)
柔順な蟻一匹の猜疑心(中川しのぶ)

◆題「リコール」深道 岳柳選(川柳火のしま)
リコールは破滅への道プロローグ(青柳)
リコールに出したい妻がでんと居る(芙蓉)
もう駄目とリコール前に決めた知事(清明)



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by ringo-utahime | 2015-10-06 17:15 | 川柳本 | Comments(4)

「川柳番傘10月号」

番傘川柳本社(大阪市北区)発行の
「川柳番傘10月号」を紹介。
138ページ。

表紙絵は「稔り」。(高岡秀造・カット)。

今月号は、同人近詠欄の巻頭次席に佐賀の真島久美子さん6句掲載、誌友近詠欄の見開き頁に私の6句が掲載されたので、嬉しい。

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~同人近詠(田中新一選)より抜粋~

ジーンズもシャツも私を美女にする
鈍感という最強の武器を持つ
約束も影も静かに延びてゆく
実印を置いて蝶々は逃げました
すり減った純情という靴の裏
窮屈なところで羽化をしてしまう
(佐賀/真島久美子)

句読点ひとつで変わる夜寒かな
フクシマの墓参につらい防護服
あの日から今につながる平和の灯
頼まれた顔にうなづくムジナたち
時代からないがしろにされた言葉
心を洗う心なら持っている
(奈良/菱木 誠)

秋風が痛いところを突いてくる
50年惚れた弱みがつきまとう
(佐賀/真島 清弘)

ジョーカーは強い私の味方です
ママチャリのパワー入道雲笑う
(佐賀/真島美智子)

何となく距離を置かれている敬語
運命線に遊び心がてんこ盛り
(薩摩川内/石神 紅雀)

だんどりがつかぬブランコ揺れている
終戦日梅干しひとつ口に入れ
(熊本/黒川 孤遊)

満たされた居場所を包むオムライス
見えすぎる鏡は見ない女郎花
(都城/主税みずほ)

義理果たす白いタオルを首に巻き
白百合の純潔鼻を突いてくる
(宮崎/間瀬田紋章)



~誌友近詠(住田英比古選)より抜粋~

〈私の句〉
絵手紙にチャレンジ母の神無月
病床の母のタクトで虫の声
戦中派の父を詩人にする秋刀魚
コンバインも案山子も踊る秋祭り
神官と僧侶も交わす秋の酒
再稼働に怒り隠さぬ桜島
(宮崎/さわだまゆみ)


戦傷は消して詠まずに逝く度量
戦友の分生き抜いて父白寿
(鹿児島/松本 清展)

薬飲む今日をきれいに生きるため
真っ白な楽譜に秋の色を足す
(宮崎/中武 弓)

極まって女の闇に引火する
謎解きのヒントをくれた向かい風
(宮崎/肥田木聞明)



~課題吟「満」(上野勝比古選)より抜粋~

機は満ちて柿の落ちるを待つばかり(石神 紅雀)
ふるさとの風満タンにして帰る(真島美智子)
コスモスの百万本と戯れる(横尾 信雄)
おにぎりが足りなかったと母嬉し(真島 清弘)
満足という言葉まだ使わない(黒川 孤遊)
満開のヒマワリどこか嘘っぽい(真島久美子)
含ませる乳房は母の愛で満ち(岩城富美代)
満足な寝顔乳房に顔を埋め(松尾 貞美)



~各地句報8月句会(森口 美羽抄)より抜粋~

《宮崎番傘》(九州男報)
雨上がり寸暇を惜しむ蝉時雨(節子)
百年後遠くて近い宇宙船(みなみ)
休日は何の色にも染まるまい(九州男)
すぐ傍にいるのに君がつかめない(あけみ)
貴方との距離を置いては乱れ雲(弘二)
きっかけは三面鏡が知っている(信)


~友の会のページ・課題吟「欲」(平田 耕一選)より抜粋~

宝くじ買う金だけは惜しくない(富田 博)
小欲の夫婦ゆったりティータイム(さわだまゆみ)
イケメンで医者で気立てがいいらしい(中武 弓)



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※月刊「川柳番傘」購読お申し込みは下記へ。

《番傘川柳本社》
TEL./06-6361-2455
FAX./06-6361-2456
振替/00970-0-26919

半年分/4500円(送料込)
一年分/8400円(送料込)


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by ringo-utahime | 2015-10-04 17:55 | 川柳誌 | Comments(4)

「川柳葦群」第35号

「川柳葦群」(柳川・梅崎 流青 編集発行)第35号を紹介。

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~葦の原推奨作品(梅崎 流青選)より~
スリッパの底には一匹の骸(前中 知栄)
自分から自分へ書いている手紙(和才 美絵)
手折られぬ場所でひっそり咲くつもり(村上 久美)
無一文になると螢になれそうな(野沢 省悟)
行き急ぐ蝉よ答えを出せたのか(長井すみ子)
故郷に釘一本を打ちに行く(吉開 綾子)
何もかも捨てたら夏の雲に乗る(清水美智子)
青空の意味をヒマワリだけが知る(中原 由美)


~川柳葦群抄(同人作品より)~
〈私の句〉
大砲を花火に戦後七十年
神様になって悩みを聴くグラス
元カレの婚約が呼ぶ砂嵐
封印の母性を醒ます男泣き
ダイヤモンドエイジ勝ち取るフラメンコ
(宮崎/さわだまゆみ)


洗剤も愛も少しでいい私
全身の力を抜いて逢いましょう
(中津/和才 美絵)

双方に未練残して風は止み
(筑後/木村 翔龍)

あなたとの隙間に植える花茗荷
(福井/奥村美枝子)

身を立てて小さな故郷売りました
(奈良/山部 牧子)

炎天の乳房愛しい沼になる
(海老名/やまぐち珠美)

警報が鳴りっ放しの夏の脳
伏兵が夢の中まで追ってくる
(和歌山/木本 朱夏)

夫の顔浮いて沈んで盂蘭盆会
(札幌/小林 宥子)

生真面目が狂ってみてもまた一途
(今治/村上 久美)

秋の絵になろうと風がなびいていく
(越前/米谷あや湖)

ひまわりの絶唱を見る蝉の殻
満月に身を投げようか秋ざくら
(熊本/中川しのぶ)

無欲にはなれぬ深夜の返し針
便箋にポツリと溜め息を落とす
(大牟田/山下 華子)

生き方も死に方もある灯油缶
棄てられてからサボテンに花が咲き
(大和高田/板垣 孝志)

カーテンの外まで迫るお月様
魂の抜けた話で盛りあがる
(大川/柿添 花子)

満腹になると虚ろな昼の月
(松江/内田 久枝)

積木の家いそいそ向かう解体屋
(郡山/山下 和子)

血の戦さ砂塵の中のつぶらな瞳
(佐賀/砥川 房代)

満点にまだまだ遠い目玉焼き
(佐賀/大屋 夏子)

シンプルに生きる炎に蓋をして
浅瀬なら渡れそうです花筏
(荒尾/松村 華菜)

川の音対話途切れてしまいそう
八月や母の土鈴がふと耳に
(福岡/清野 玲子)

桃を剥く過去に触れてはいけません
鳥だったころからずっと掠れ声
(福岡/柴田 美都)

一匹の蚊に成り果てる赤ワイン
遠出する生命線を書き足しに
(佐賀/真島久美子)


~前号「川柳葦群抄」鑑賞(新家 完司)より~
饒舌な患者を持て余す歯科医(さわだまゆみ)
携帯は鳴らずあなたの確かな死(松村 華菜)
メルアドの交換をして以下次号(木本 朱夏)
袖口の汚れ隠して向かい膳(木村 翔龍)
持ち時間咲いてきっちり去るつもり(吉開 綾子)
叱られて学んでいます叱り方(真島久美子)


~近詠「葦の原」(梅崎 流青選)より抜粋~
〈私の句〉
玉ねぎサラダ透明な血に憧れて
罪人も詩人も生み落とす孤食
ただバラに生まれただけの深い罪
骨抜きにしたのは黒百合の涙
三面鏡もホントの私見抜けない
行間を読んで大河を渡る蝶
新盆の寡婦の美しさにめまい
(宮崎/さわだまゆみ)


美しい嘘が鏡の前にある
戦争を見飽きただろう天の川
(青森/野沢 省悟)

たんぽぽの綿毛に添うて老年期
海峡を素直にわたる母の下駄
(札幌/小林 宥子)

安らぎはあるか瞬きせぬ蛇よ
一人ずつ帰るひとりの穴の中
(大和高田/板垣 孝志)

ヒマワリは焦げて原発再稼働
氷河崩落河童の皿がひからびる
(和歌山/木本 朱夏)

また人を一人惑わす花石榴
(柳川/吉開 綾子)

群れを出てコップの中にいる自由
白旗が血に染まるまで気付かない
(大川/渡辺 桂太)

過去形になっても燃える薬指
(松江/清水美智子)

失った物は数えぬ震災忌
逃げ足の速い男だ三年忌
(いわき/真弓 明子)

逆切れをしようか蝉になれそうだ
靴脱いで覚悟を一つ黙らせる
(佐賀/真島久美子)

息継ぎの下手な金魚はわたしです
おそらくは戻れぬ橋と知りながら
(福津/樫根 わ子)

タイミングずれてくずれる予定帳
詰めすぎて蓋が出来ない夢のつぼ
(三重/青砥たかこ)

もうすこし魚のままでいましょうよ
耳たぶをすこし齧っておきました
(福岡/柴田 美都)

亡母に似た人としばらく駅の椅子
きっちりと男を一人料理する
(朝倉/緒方 章)

横糸の温さに触れる里神楽
賛成をした掌を重く持ち帰る
(日光/荻原 鹿声)

否定形ばかりが浮かぶ秋夜更け
八月の水平線にある微熱
(大牟田/高田 泰夫)

指先の記憶としばし微睡もう
うどん似るひとつの恋を見送って
(荒尾/松村 華菜)

道端に俺の欠片が捨ててある
アンパンの中に隠してある殺意
(松江/石橋 芳山)

ばら咲いてあの世この世のかくしごと
ときどきは見つけてほしい場所にいる
(熊本/宮本美致代)

炎昼になくすものなし曼珠沙華
桃の実のしろ後悔を吸い尽くす
(海老名/やまぐち珠美)

夕焼けを心に挟む謀
(北九州/楠根はるえ)

枯れる日が来るまで今日も洗濯機
(岐阜/堀 久美子)

家系図をなぞると森に辿りつく
(前橋/勢藤 潤)

そのままでいいと石榴の実が割れる
(今治/山内 房子)

四捨五入すればこの世はみな未練
(筑後/木村 翔龍)

コンビニの夜を彩る深海魚
脚光を浴びて狂った羅針盤
(和歌山/三宅 保州)

天国と地獄往復して生きる
手ぐすねを引いて女が待つ戦
(福岡/清野 玲子)

水面の月を割らずにいられない
夜までは引っぱりすぎる糸電話
(福津/水谷そう美)

カギッ子へ迎えが来ない遊園地
臆病とカルテの隅に書いてある
(三原/野村 賢悟)

人間の灰汁すくってもすくっても
(横浜/平田 耕一)

犬だった頃のシッポは捨てられぬ
復讐をまだ考えているバラの棘
(亀山/坂倉 広美)

戦争を知らぬ私も共犯者
(福岡/山口由利子)

するすると抜ける指輪にある火種
(糟屋/河野 成子)

子の傷に触れて寡黙な窓の月
(福津/河内やすこ)

待ったなし飴が溶けます戦中派
ヒロインに成れずじまいの浴衣帯
(都城/主税みずほ)

炎天の羅漢にそっと水掛ける
逢いたいなほろ酔いになる三杯目
(大牟田/山下 華子)

青い空にもどこかにあるだろう秘密
(熊本/阪本ちえこ)

雷鳴の音に目覚めているいのち
(福岡/石田 酎)

価値観を合わせ夫婦の顔になる
まっすぐな運命線に人が寄る
(鹿児島/石神 紅雀)

踏切の向こうに飛んだ福袋
(津山/田中 蛙鳴)

間違った位置まで戻るかたつむり
(札幌/夏 夕子)

絡まった糸は哲学なのだろう
龍の夢見たと男の厚い胸
(和歌山/佐藤 倫子)


~前号「葦の原」鑑賞(大西 泰世)より抜粋~
濾過されてますます弱き者と知る(荻原 鹿声)
時どきは過去をやさしく拭いてやる(宮本美致代)
人間の強さ尻尾も角もある(田中 蛙鳴)
待つことを止めれば風はただの風(真島久美子)
靴下の穴約束をまた破る(宗村 政己)
知らぬ間に押し寄せて来た緑色(正岡 里)
岬にはあの言霊がよく似合う(石田 酎)


~課題吟「 机」(清水美智子選)~
ほんとうの自分と向かい会う机(松村 華菜)
軋む音父の机は歌うたう(西岡 南風)
ライバルへの手紙机を拭いてから(大屋 夏子)
時効かも机の傷が喋りだす(寺津とも子)
受付の机迷子をもて余し(石神 紅雀)
頬杖をついて机に頼りきる(青砥たかこ)
晩学の机頬杖ばかり突く(横尾 信雄)
少年を人間にした文机(河西 草庵)
平常心取りもどさせる木の机(さわだまゆみ)
落日の机涙の痕がある(肥田木聞明)
佳 詩人にはなれず机と相撲とる(宮本美致代)
佳 机上から打ち上げて行く大花火(内田 久枝)
佳 文机に欠伸しているピタゴラス(中村 鈴女)
特 夢を書き夢を泣かせてきた机(荻原 鹿声)
軸 プライドがまだ沁み込んでいる机(選者)


~課題吟「迷う」(伊藤嘉枝子選)より抜粋~
迷い箸母の躾がまだ足りぬ(中村 鈴女)
鮫だって迷う日本の熱い海(平田 耕一)
迷うから庖丁の先狂い出す(河野 成子)
人間を切り上げようかどうしよう(清野 玲子)
仕合せの迷路アンテナ切っておく(田中 蛙鳴)
吹っ切れぬ迷いへ傘が畳めない(楠根はるえ)
白蓮も晶子も愛のラビリンス(伊藤 縁太)
迷うてはならぬ蛍の道標(柿添 花子)
フラメンコの汗が迷いを吹き飛ばす(さわだまゆみ)
七十年談話に迷う不戦論(石田 酎)
引き返すきっかけを待つ雨登山(石神 紅雀)
愛憎の狭間で迷う乱れ髪(横尾 信雄)
佳 迷うだけ迷って卵かけご飯(荻原 鹿声)
特 迷うから人間なんだろうこの世(阪本ちえこ)
軸 迷い道いいではないか先がある(選者)



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『川柳葦群』購読お申し込みは下記へ。

★誌代・年間(季刊) 4000円
★振替口座 01760-2-120254(川柳葦群)

【問い合わせ先】
梅崎 流青
電話&FAX. 0944-72-6046
E-mail house7@cello.ocn.ne.jp


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by ringo-utahime | 2015-10-03 23:55 | 川柳誌 | Comments(0)