「川柳葦群」第36号

「川柳葦群」(柳川・梅崎流青編集発行)第36号を紹介。

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~葦の原推奨作品(梅崎流青選)より抜粋~
柘榴熟れ妬心は今も爆ぜてい(萩原 鹿声)
早いもの勝ちネ逝くのも狂うのも(村上 久美)
滑らかになるまで嘘を噛み砕く(楠根はるえ)
憎み通す熱意があれば良かったわ(木本 朱夏)
空腹で秋のポストをまた覗く(真島久美子)
好きだった人の病を聞いて冬(さわだまゆみ)


~川柳葦群抄より抜粋~

ネクタイに頼る戦士で貌が無い
ふたこごろ懺悔したのは神父様
閉経はまだかと不躾な男
阿部定ほどに愛されたいと乞う男
銭の話好きな男の寒い酒
(宮崎/さわだまゆみ)


すがりつく神は邪険に手を払う
祈らねば それでも私祈らねば
(和歌山/木本 朱夏)

愛のないおんなが風の中に立つ
愛一途紙風船の見る夢は
(福岡/弘津 明子)

死神とベッドインならお断り
生きたくて枕の下に置くスマホ
(いわき/真弓 明子)

ほろほろと運命線を行く電車
釘踏んだ事が自慢の足の裏
(大和高田/板垣 孝志)

シナリオを胸の谷間に埋めておく
わたくしを拒み続ける橋ばかり
(福岡/清野 玲子)

曼荼羅絵母をやめたくなる時も
慰めはひとりで入る映画館
(佐賀/寺町 和子)

画像から探す花の名おとこの名
腹式呼吸うまくできない十二月
(福岡/柴田 美都)

秋しぐれ茫々たるや海馬病む
まろやかな話に乗ってしまう冬
(熊本/中川しのぶ)

煌々と月人愛さずにいられない
よじ登る梯子の途中火の匂い
(荒尾/松村 華菜)

未来図を出発点に置き忘れ
降り続く雨に不遜をくり返す
(糟屋/中村 鈴女)

ざっくざっくあの日学徒で征ったきり
新月にそっと謀反をうちあける
(佐賀/砥川 房代)

目覚めたら私無口な深海魚
裏切りの記憶の中にあるレモン
(筑後/木村 翔龍)

転がした嘘が巨大な雪だるま
片手では子育てなんか出来ません
(佐賀/真島久美子)


~近詠「葦の原」(梅崎流青選)より抜粋~

ひまわりを演じ続けるお人好し
百均のペアウォッチでも満ちる恋
子を産めぬ劣等感へ散紅葉
栄転の人へ別れの銀の雨
憎んでも愛してみても独りの夜
好きだった人の病を聞いて冬
認知症の母の時計に針がない
(宮崎/さわだまゆみ)


ゼロになり裏も表も見せておく
フライパン女の嘘がよく弾く
(松江/清水美智子)

ジェラシーを畳むと消えていたわたし
イソップの園から母が戻らない
(北九州/楠根はるえ)

コスモスになって順番守らない
知恵の輪を女心のように解く
(佐賀/真島久美子)

湯あがりの男の指に雪が降る
銀河鉄道行きの筋トレらしいのです
(青森/野沢 省悟)

以下余白これから荒れる予感する
信じてたことば別れの匂いする
(松江/内田 久枝)

木の洞に預けたままの日記帳
コスモスの花に逃げ込む微罪かな
(柳川/吉開 綾子)

ちらほらと彼岸へも来る年賀状
戦争を知らぬ子供が吹くラッパ
(いわき/真弓 明子)

円心のバラ一本が病んでいる
襖絵の猫が褒められ虎になる
(糟屋/河野 成子)

最終章さてこれからがおもしろい
次の世へすこし傾く冬薔薇
(福岡/柴田 美都)

タイムマシンあの日の罪に戻ろうか
曲線のないまつりごと勇ましい
(熊本/中川しのぶ)

ネタ切れを誰も笑わぬおさんどん
煮くずれる前に冷水くぐらせる
(三重/青砥たかこ)

笑うしかないな思いっきり転ぶ
やわらかな沈黙ならば抱かれたし
(大牟田/山下 華子)

少年の運命線は海が好き
疚しさが残るいのちと橋の上
(都城/主税みずほ)

あと一歩踏み込むボクのキーボード
痴呆症の母は優しい人を恋う
(福岡/石田 酎)

後押しをするよあなたを生んだから
春彼岸来世も君の妻となる
(鹿児島/石神 紅雀)

懺悔する海で私が救われる
ひと皮が剥けて台詞が光り出す
(宮崎/肥田木聞明)

目で読んで済まぬと思う子の点字
平和といい国を守るという戦
(宮崎/西岡 南風)


~前号「葦の原」観賞(第35号)大西泰世より抜粋~
天罰の一つ二つはこの身にも(原田 順子)
故郷に釘一本を打ちに行く(吉開 綾子)
もうすこし魚のままでいましょうよ(柴田 美都)
亡母に似た人としばらく駅の椅子(緒方 章)
罪人も詩人も生み落とす孤食(さわだまゆみ)
ゆで卵つるりと剥けた日の誤算(上田しずか)
日本地図やさしいかたちしているね(石神 紅雀)
夫とは別の夢見る冷奴(永戸 文恵)


~課題「人」三宅保州選より抜粋~
入選 人として散りたし満月に祈る(松村 華菜)
入選 わたしから生まれたはずの宇宙人(石神 紅雀)
入選 笑い呼ぶ人が持ってる薬箱(西岡 南風)
入選 青空が鬱になるほど人が好き(肥田木聞明)
入選 人気あるままで死にたい薔薇の欲(さわだまゆみ)
佳作 人波に押され孤独の海にいる(山下 華子)
佳作 信じよう砂漠で遭った人だから(佐藤 倫子)
特選 人情に触れ愛にふれ喪を抜ける(弘津 明子)
軸吟 人間が好きで人間やめられぬ(選者)


~課題「昇る」石神紅雀選より抜粋~

入選 ときどきは夫の崖をよじ昇る(平井 翔子)
入選 月へ昇る梯子いまだに見つからぬ(内田 久枝)
入選 後ろめたい影と一緒に昇る月(肥田木聞明)
入選 西からの陽を昇らせる独裁者(さわだまゆみ)
佳作 昇進をきっぱりと断つ母のまま(田中 笛奈)
佳作 昇りきるまでにやさしい月になる(清水美智子)
特選 レスキューのヘリが絶望吊り上げる(伊藤 縁太)
軸吟 頂上のはずが新たな段見える(選者)


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by ringo-utahime | 2015-12-30 17:45 | 川柳誌 | Comments(0)

『饅頭』川柳

えびの市農業協同組合販売のきんかん洋風饅頭『宮崎たまたま』が、なかなか美味しい。お茶うけにお薦め。

宮崎のきんかん「たまたま」ペーストを使用し、甘くてフルーティーな風味で、お気に入り。

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きんかん生産日本一の宮崎県の中でも完熟きんかん「たまたま」は高級ブランド。
木の上で完熟させて出荷され糖度は16度以上、栄養分があり酸っぱさや苦味が少ないので人気だが、なんせ高価なので手が出ない。饅頭で我慢。
(^_^;)


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課題『饅頭』の川柳を集めてみた。

【饅頭】
土饅頭詫びつつ親の歳を越え(田中 絢子)
毒饅頭中身を喰って丸くなる(宮下 昌人)
不意に来る叔父の土産は酒饅頭(山中あきひこ)
饅頭もケーキも敵にして生きる(楠根はるえ)
饅頭もケーキもバナナには勝てぬ(新家 完司)
饅頭を割る黒々とした平和(中沢久仁夫)
受話器から毒まんじゅうのいい匂い(塩釜アツシ)
右手に饅頭左手に盃(正春)
饅頭が目当てお点前耐えている(楓楽)
饅頭をほうばる男隙を見せ(たもつ)


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by ringo-utahime | 2015-12-22 16:35 | 川柳(課題別) | Comments(6)

『みかん』川柳

先日、日南の「デコポン」(正式名称は「不知火」)を頂戴した。
デコポンは、ポンカンと清見の交配種らしい。

皮がむきやすく種もほとんどない。甘味と酸味のバランスも良い。
毎日美味しくいただいている。

ありがとうございました。

(^○^)

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課題「みかん」の川柳を集めてみた。

【みかん】
みかんみかんみかんの皮の三箇日(貴田 金星)
青蜜柑の匂い新婚と乗り合わす(澤 車楽)
選別機みかんにもある落ちこぼれ(和田悠紀子)
不確かな愛に転がる夏みかん(庄司登美子)
皺寄ってからの蜜柑が甘くなり(嘉村ひすい)
目隠しのみかんが匂う待ち合わせ(植野美津江)
ご近所の噂をむいているみかん(田中 新一)
苦労性いたんだみかんから食べる(杉野まつ子)
みかん一個輝く大地描かしむ(時実 新子)
妻といてどちらともなくみかんむく(西塚 春魚)
愛なんて 箱の蜜柑はすぐ腐る(倉富 洋子)
子の学費稼いでくれたみかん切る(杉本 町子)
冷凍のミカン解けだす一人旅(芦田 敬子)
差し上げたミカンが縁のバスの旅(水谷 一舟)
いい話にしようミカンひと箱持って行く(坂倉 広美)
人病んでみかんのへこみ眼について(石田 柊馬)
みかん剥いて戦争見てる掘炬燵(佐藤 岩男)
柑橘が豊かに実り 人は過疎(内田 順子)
置手紙みかんをひとつ乗せておく(ひとり 静)
お前まで甘くされたか夏みかん(坂牧 春妙)
運賃で買えるみかんを子に送る(山川 泰陽)
お帰りと迎えてくれたみかん山(柳岡 敬子)
親指は元気で夏みかんをむく(岩井 三窓)
鏡餅へこわごわみかん乗っている(篠田 捨松)
柿みかん母には秋がよいと見え(岸本 水府)
少子化の行方案ずる夏みかん(深堀 正平)
着メロがみかん畑に鳴る時代(和家 重子)
調整へみかんの哀歌聞く摘果(森川 羊人)
夏みかんいじめに頑と立ち向う(末光 康英)
夏みかんはげしき思慕を押え得ず(森中恵美子)
願いこめ箱に消え行くみかん追う(森 光司)
徘徊のぶどうはみかん山にいた(壷内 半酔)
日当りと日陰みかんに糖度の差(萩森 安利)
ブランドのみかん岬を黄に染める(三好 幸子)
祭り笛青きみかんの青さ買う(森中恵美子)
丸い背みかんひとつを慰霊塔(神谷 幸恵)
みかん青く人の心は知りがたし(大洞 一郎)
みかんの花の咲く丘再起誓う丘(佐藤真砂延)
みかん箱中に四角なみかんなり(岸本 水府)
みかん二つずつ正確に食う夫婦(佐々木喜久楼)
みかん剥くあなたに何の義理もなく(本田 哲子)
みかん剥くサファイアいろの爪立てて(宮本美致代)
みかん山染まり農夫の背が温い(田中 展子)
こたつにはミカンの顔で座るクセ(炭蔵 正廣)
こっそりとそれは蜜柑の色でした(伊藤こうか)
子供にもむけ蜜柑の素直さよ(椙元 紋太)
幸せは炬燵の上にある蜜柑(井塚たけし)
鳥帰る頃へふるまう伊予蜜柑(日浅 静)
初戀の思ひ出になる夏蜜柑(麻生 路郎)
まだ青き蜜柑を喰べて眼を閉ぎ(椙元 紋太)
安らぎと蜜柑を盛って置炬燵(山内まさ女)
紀伊國屋時化を味方にみかん船(進)
みかん剥く女ひとりを剥くように(靖弘)
みかんむく少女の指はもう女(節子)


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by ringo-utahime | 2015-12-19 16:33 | 川柳(課題別) | Comments(2)

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宮崎番傘川柳会(間瀬田紋章会長)発行の
「川柳みやざき冬季号(164号)」
を紹介。

◆巻頭言
三十年の節目を越えて 国民文化祭(西岡 南風)


◆近詠『尾鈴集』(間瀬田紋章選)より〈33名参加〉抜粋

悔しさをばりばりばりと食べている
捨てるものいくつもあって冬の海
(宮崎/中武 弓)

日奈久の湯あし音がする山頭火
食麺麭を切れば小さな嘘が出る
(宮崎/江藤九州男)

透明になりたい夜のクラシック
負け戦認めぬままに枯れるバラ
(宮崎/さわだまゆみ)

断捨離の隙間にあった手鞠唄
約束を果たし女の新天地
(都城/主税みずほ)

ぬくもりを欲しがることは罪ですか
しとしとと誰にも傷をつけぬ雨
(薩摩川内/春田あけみ)

音だけの花火二人の四畳半
再稼働人間がいる町がある
(宮崎/高峰 桂介)

メモ帳の継続わたしの力こぶ
自由研究蝉の穴にも謎がある
(宮崎/西 ほたか)

宗教の違いで迷う世界観
満月に己の影を写し見る
(高鍋/自流 譲)

うらうらと壷中の天へ日向ぼこ
黄泉の賑わいプロパガンダの曼珠沙華
(宮崎/棧 舜吉)

円安の光と陰のかげに耐え
桟敷席和服が占めている格差
(川南/岩崎 哲)

母を呼ぶ指の先には妻がいる
周りのものみな眠ってる避難場所
(宮崎/西岡 南風)

使い捨て世代と同居馴らされる
送り火に未練残して嫁が立つ
(川南/久保田チカ子)

カウントダウン心配ごとの数珠つなぎ
見て見ぬふりできる大人になりました
(薩摩川内/石神 紅雀)

目配せにしぶしぶ噤む老いの口
賽子を振って定年後を生きる
(宮崎/馬場さだお)

両手して魚を高く空担ぐ
美しい田舎においで陸海空
(日南/金井 一光)


◆第51回 川南土の子番傘川柳大会入選句集


◆第32回課題吟より抜粋

【ぷんぷん】(江藤九州男選)
怒った顔も美しいのは昔(中武 弓)
アイドルを褒めると妻はおかんむり(さわだまゆみ)
ぷんぷんのメール画面を飛び出した(桜木 えり)
鳩の眼に怒りプンプン安保法(吉井 楼太)
ぷんぷんと漢の匂い能舞台(石田 酎)
誰ですか隠れてウナギ食べるのは(石神 紅雀)
いい糞だ牛が元気を取り戻し(岩崎 哲)
ノーベル賞ぷんぷん匂う妻の愛(長友 巽)
密約の臭い百年先までも(選者)

【初日】(主税みずほ選)
子どもらに九条渡す初日の出(吉井 楼太)
初出勤凛とした背がまだ若い(桜木 えり)
大入りの初日の太鼓風に乗る(冨田 博)
初めての写経震える過去がある(中武 弓)
真っさらの肌着にも染む初日の出(河野 幸生)
千秋楽初日無かったサロンパス(棧 舜吉)
ダブルキャスト舞台に火花散る初日
どの人も初日へ夢を持っている(間瀬田紋章)
初日でて人間の風若返る(選者)


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平成28年
【宮崎番傘新年句会ご案内】


★日時/平成28年1月17日(日)13時受付

★会場/ホテル浜荘
(宮崎市吾妻町151、電話0985-24-3019)


★宿題(各題3句詠)
①装う
②昭和
③真夜中
④自由吟
※当日の出会者のみ席題(印象吟1句詠)あり。

★会費/
懇親会まで参加は、4000円。
句会のみの参加は、500円。
欠席投句のみの方、300円。

※注
懇親会まで参加ご希望の方は、必ず「さわだまゆみ」までご連絡ください。
申し込み締め切りは、1月12日(火)です。

料理の準備があるため、当日の申し込みは出来ません。


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by ringo-utahime | 2015-12-14 16:04 | 川柳誌 | Comments(0)

街にクリスマスデコレーションがあふれる12月。
花屋の店先にも定番の赤いポインセチアが並ぶ。
私のお気に入りは、ピンクの「プリンセチア」。
名前の由来は、プリンセスのような華やかな印象とポインセチアの組み合わせ。
花言葉は「思いやり」。

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〈クリスマス用キャンドル〉


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課題『クリスマス』の川柳と俳句を集めてみた。


~川柳~
【クリスマス】

教会に縁がなくてもクリスマス(佐々木五郎)
ケーキ買うだけが家風のクリスマス(巽 仲男)
クリスマスカード平和な雪が降る(星野 かよ)
クリスマスお寺はとうに寝てしまい(西島 ◯丸)
イエス様は信じないけどクリスマス(仁賀 俊雄)
クリスマス近くになるといい子だね(小野田美智子)
待たされた受話器で聖歌聴いたイブ(竹田 光柳)
礼拝の聖きこの席クリスマス(今村 静恵)
銀河から鈴の音するクリスマス(河内 天笑)
クリスマスソングと共に消えた恋(加藤 鰹)
ミサ堂に雪降り積むまでのクリスマス(山崎夫美子)
クリスマス家族蛍光色めいて(柴崎 昭雄)
神祭り仏拝んでクリスマス(椿 豊)
キャンドルを灯し独りのクリスマス(竹下 健作)
星空がきれいふたりのクリスマス(河合美柄子)
おふくろに歩く力をクリスマス(句ノ一)
世のサンタ東北に向け飛んでくれ(と志子)
飲み食いに今日だけ俄クリスチャン(善雄)
被災地を案じてイブの火を灯し(幸男)


~俳句~
【クリスマス】(季語=冬)

サイレントナイトハトバスガ出テユク(光尾 秀)
ミキモトの窓に三越クリスマス(鈴木 蝶)
雪の戸の堅きを押しぬクリスマス(水原秋桜子)
クリスマス馬小屋ありて馬が住む(西東 三鬼)
体重計みどり子をのせ聖夜来る(轡田 進)
表裏なき聖樹どこにも燈がともる(山口波津女)
父と子にあまる聖菓や刃を入れて(渡辺千枝子)
台詞言ふ役が子につく聖夜劇(黒坂紫陽子)
裏町の泥かがやけりクリスマス(桂 信子)
ウインドのハムにもリボンクリスマス(西村 和子)
送電線深海をゆくクリスマス(遠山 陽子)
疵りんご厩舎に届きクリスマス(斎藤 節子)
かいば桶耀いてをり聖誕祭(菊池アグネス)
癌がまた出て来たぞクリスマスイヴ(堀米 秋良)
木と紙のおもちやの家や降誕祭(前原早智子)
聖菓切るその断面の月日かな(平田かずし)
砂糖壺ゆたかに満たしクリスマス(平間眞木子)
火が熾り赤鍋つつむクリスマス(小松 道子)
船四方に白波立てりクリスマス(久野 幸子)
点滅は聖樹の言葉クリスマス(山崎みのる)
クリスマス二人の吾子のサンタなり(小林 好美)
蛇口より雫ふくらむ聖夜かな(土肥あき子)
病棟に遠き国より聖夜くる(阪本 晋)
地下道を迷ひて出づる聖夜かな(土橋たかを)
みなとみらい天まで点し聖夜来る(岡田 文子)
ひと啼きを復習ふ羊や聖夜劇(村山 春子)
抱擁も台詞のひとつ聖夜劇(原 好郎)
いづこにか戦争があり聖夜かな(坂詰 國子)
床鳴らすタップダンスの聖夜劇(藤田 信子)
聖夜劇牧師が波の音つくり(真下 耕月)
抱きしめし児は手に余り聖夜かな(加藤英津子)
聖夜劇みな神の子の瞳もつ(小田切文子)
卓上の聖樹に雪のまだ降らず(池田富美子)
掃除機に聖樹の星のつまりけり(神谷美枝子)
格子戸に聖樹の似合ふ世なりけり(野村 仙水)
はやばやと聖樹灯して子を持たず(大嶋 洋子)


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by ringo-utahime | 2015-12-08 18:40 | 川柳(課題別) | Comments(4)

「川柳番傘12月号」

番傘川柳本社(大阪市北区)発行の
「川柳番傘12月号」
を紹介。144ページ。

表紙絵は「暮れ」。(高岡秀造・カット)。

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巻頭言は、田中新一主幹が「福井県川柳大会」と共に「第30回国民文化祭かごしま2015」について述べられている。入来わくわく番傘川柳会の石神紅雀さんと春田あけみさんを労う文章が嬉しい。
86~90ページには、菱木誠さんの国文祭の報告記事も掲載。大会が無事大成功に終わったことを物語る。石神紅雀さんの挨拶文も掲載。


同人近詠は、巻頭に熊本の黒川孤遊さん、4席目に都城の主税みずほさんが掲載。おめでとうございます。


~同人近詠(田中新一選)より抜粋~

泣け笑え喜怒哀楽と踊らんか
生きているそのうえ何を求めるか
新しい恋真っ白なシャツを着る
見えぬ線わたしも妻も引いている
(熊本/黒川 孤遊)

寒林をぬけて埋み火恋うている
風花に夢を託した女文字
玉子酒逝った夫を抱いている
ブランドを目指し女を鍛えてる
(都城/主税みずほ)


いい本を電池代わりに読んでいる
笑わない父が絆を縒っている
ボランティアしているような白絵の具
(佐賀/真島 清弘)

シンプルに散ってみせます女です
玉ねぎと天文学の話など
真っ白になるまで抱きしめてやろう
(佐賀/真島久美子)

爪を噛む少女と出会う夜の街
ものうげな壺を求めた秋の窯
まっすぐな男で白い花が好き
(佐賀/真島美智子)

川底が見えてきたのはきっと罠
追伸に振り込み先を書いておく
平凡な孫の名前にほっとする
(佐賀/横尾 信雄)

うなずけばうなずいている飲み仲間
本音しか言えない曲がるのも嫌い
責任のなんと重たくなる自由
(奈良/菱木 誠)

甘い球だった思わず見逃した
深追いの危険を知っている背中
(佐賀/西村 正紘)

空白を酒で埋めてる定年後
飛び込んで子どもにかえる水溜まり
(宮崎/間瀬田紋章)

まっすぐに生きた男だ敵もある
国文祭カウントダウンのまま尽きる
(薩摩川内/石神 紅雀)


~誌友近詠(住田英比古選)より抜粋~

〈私の句〉
電飾に恋の魔法の十二月
母の癌しずめるように聖歌隊
砂時計スピードアップする師走
除夜の湯に沈む煩悩抱いたまま
(宮崎/さわだまゆみ)


裸一貫他に残せるものはなし
ひとつやふたつ子のため積んだ罪もある
(宮崎/甲斐 碌詩)

世の乱れ唯一の神知らんぷり
燃えている血は献血の年を過ぎ
(宮崎/自流 譲)

躓いた小石が笑う八十路坂
安保法もろ刃に縋る蟻の群れ
(宮崎/冨田 博)

富有柿の甘さ木枯らしから便り
正論でぶつかってくるまだ若い
(宮崎/中武 弓)

働くって何だろロボットの疑問
カンバスをはみ出す子らの無限大
(宮崎/肥田木聞明)

黙祷の心に染みる鐘の音
多数派に入り現実見失う
(宮崎/日高 賀邁)

剪定を失敗花が咲きません
ウォーキング女の口は休まない
(鹿児島/馬場ナオミ)

朝刊が社説で説いた抑止力
大晦日ぼくのあしたは凪だろう
(鹿児島/松本 清展)

正論を性懲りもなく持ち歩く
声上げる蟻一匹にある覚悟
(薩摩川内/春田あけみ)


~課題吟「アップ」(坂倉 広美選)より抜粋~
まだ死ねぬ平均寿命また延び(横尾 信雄)
ウォーミングアップが終わる頃は冬(真島久美子)
大写しモデルの臍が縮こまる(馬場ナオミ)
離婚してバージョンアップするおんな(さわだまゆみ)


~友の会のページ・課題吟「友」(勢藤 潤選)より抜粋~
辛口の友が差し出す助け船(さわだまゆみ)
毒舌を吐ける近さに友が居る(肥田木聞明)
赤提灯今日の夕日を友と飲む(冨田 博)
ふるさとの友の訛りを聞いて寝る(中武 弓)


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※月刊「川柳番傘」購読お申し込みは下記へ。

《番傘川柳本社》
TEL./06-6361-2455
FAX./06-6361-2456
振替/00970-0-26919

半年分/4500円(送料込)
一年分/8400円(送料込)


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by ringo-utahime | 2015-12-02 18:50 | 川柳誌 | Comments(4)