りんご詩姫のブログ(新)

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2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡

<   2016年 10月 ( 18 )   > この月の画像一覧

『ワイン』川柳②

~ワインの起源~

葡萄の木は、人類よりも古くから自生していたといわれる。実が地面に落ちて潰れて、果肉についた天然酵母により発酵してワインの原点となるものが生まれたと考えられている。

紀元前4000年頃のメソポタミア文明(現在のイラク)の遺跡から、果汁を搾る石臼が発見されている。ワインを造る目的で葡萄の木も栽培されていた。

ワインの最古の文献は、紀元前4000~5000年頃の出来事をシュメール人が書いた古代バビロニアの英雄誌「ギルガメシュ叙事詩」といわれる。この頃のワインは酸化して飲みにくかったため、水や蜂蜜を混ぜて飲んでいた。

紀元前3100~1500年に栄えたエジプト王朝のピラミッドの壁画に、葡萄栽培やワイン造りの様子が描かれていた。

紀元前1800~1700年頃に制定された古代バビロニアのハムラビ法典では、ワインの売買に関する法律が記載。ワインが日常的に飲まれていたと判る。


~2大産地のワイン~

ボルドーとブルゴーニュは、フランスのワイン生産地。

①ボルドーワイン
ブレンドが特徴。2種類以上の葡萄をブレンドして、複雑で豊かな味わいに仕上げる。ブレンド比率を変えることで、品種の出来がイマイチでも、ある程度カバーできる。
若いうちは、力強く渋味がある。
熟成によって、旨味が増し、落ちついた味わいに変化する。
生産量の8割以上を赤ワインが占める。
ボルドーワインに使用が認められている葡萄、赤ワインは「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」「カベルネ・フラン」「マルベック」「プティ・ヴェルド」の5種類。
白ワインは「ソーヴィニヨン・ブラン」「セミヨン」「ミュスカデル」の3種類。

②ブルゴーニュワイン
単一の葡萄品種から造る。赤ワインは「ピノ・ノワール」、白ワインは「シャルドネ」を使用。
一品種しか使わないため、醸造方法がダイレクトに表れるため、繊細な味わいが特徴。不作年の影響をもろに受ける。
赤ワインは、色鮮やかで渋味が少なく、すっきりした酸味があり、香り高い。
白ワインも有名で「モンラッシュ」「ムルソー」「コルトン・シャルルマーニュ」は、ブルゴーニュ3大白ワインといわれる。


~赤ワイン用ブドウ(代表5種)~

①カベルネ・ソーヴィニヨン
最も人気のブドウ。
ボルドーの五大シャトーワインは、全てカベルネ主体。
パワフルなタンニンが特徴。熟成させると優美で優雅な風味が生まれる。

②メルロー
カベルネ・ソーヴィニヨンと比べて、タンニンが少なく、ふくよか。

③ピノ・ノワール
ロマネ・コンティに代表されるブルゴーニュの偉大な赤ワインは、ピノ・ノワール100%で造られる。
「最も気まぐれなブドウ」と言われ、栽培が難しい。
若いうちはチャーミングな香りだが、熟成するとキノコや獣を思わせる妖艶な香りに。
シャンパーニュ地方では、シャルドネ、ピノ・ムニエとブレンドして高品質の発泡性ワインに。

④シラー
暑さや乾燥に強く、南フランスのローヌ地方やオーストラリアで栽培。
ローヌ地方では、スパイシーでエレガントなワインに。オーストラリアではチョコレートやハーブの香りも持つ濃厚なワインに。個性的なブドウ品種として人気。

⑤グルナッシュ
地中海周辺地域で広く栽培。凝縮した果実味が特徴。赤ワインの他、ロゼワインにも用いられる。


~白ワイン用ブドウ(代表5種)~

①シャルドネ
際立った個性がないので、産地の特性や醸造テクニックを表現しやすく変幻自在で、最も人気の白ワイン用ブドウ品種。

②ソーヴィニヨン・ブラン
爽快でフレッシュさ溢れる鮮烈な香りに人気。生き生きとした果実味を存分に味わえる。

③リースニング
ドイツワインに代表されるブドウ品種。冷涼な地域を好み、伸びのある酸味とミネラルが特徴の上品な風味をもち「最も高貴なブドウ品種」と形容される。辛口タイプから貴腐の極甘口まで幅広い表情を見せる。

④シュナン・ブラン
フランス・ロワール中流で多く栽培。「濃密さ」という個性を持つ。近年、南アフリカでも栽培され、甘口から辛口まで幅広いマルチプレーヤーとして注目を集める。

⑤甲州
日本が誇る固有品種。色は淡ピンクで、白ブドウと黒ブドウの中間のような色合い。フェノール酸が豊富なので、ワインにすると独特の渋味が生まれる。控えめな香りと酸、渋味が、和食の繊細な味わいを引き立てる。

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※写真は「りんごの詩」のスパークリングワイン3種。


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【ワイン】②
赤ワインひとりシャンソン聞きながら(安藤寿美子)
赤ワイン揺らす指から嘘が洩れ(上野 由美)
赤ワインわたしの今日を解き放つ(増田 紗弓)
或る日ふと理性を越えた赤ワイン(小西 涼成)
江戸切子ワイン優しく受け入れる(南川 哲夫)
円高でダイヤ ワインが下がっても(河合 成近)
円高のせいでワインを飲んでいる(大城 俊文)
欧州のワインに染みた血の歴史(油谷 克己)
お料理に合わせワインも変えてみる(河野美津子)
過去ぽつりこだわりを解くロゼワイン(松本 光子)
きっかけはほんの少しのロゼワイン(江崎 紫峰)
今日の悔いワインが消してふわり寝る(松尾やすよ)
キリストと石とワインのヨーロッパ(竹村ゑみ子)
ギロチンの寒い話とワインは赤(森中惠美子)
グラスワインの雫にドナウ甦る(小寺竜之介)
結末をワインの瓶は語らない(金子すすむ)
子が揃いワインを開けて賑やかに(大和田萬里)
盛り場でイラクを語るロゼワイン(森原 一灯)
しっかりと高いワインは冷えている(福井 啓二)
招待のワインに生捕りされそうだ(山倉 洋子)
白酒は飽きたとワインねだる雛(森 文代)
白ワイン少しリッチな昼の酔い(吉村 正枝)
新年をワインで祝う新世代(保田やすお)
ジョーカーを隠し余裕のロゼワイン(西畑寿々女)
西洋をワイングラスの中で酔う(田久保亜蘭)
せっかちが揺すり眠れぬワイン樽(小泉 正巳)
妻知らん隠しとりではワイン蔵(西村 半畳)
罪深いワイングラスを一ツ割る(西川 節子)
ときめきはワイングラスの指が知り(奥田 松子)
毒舌に赤ワインなど添えてみる(小林 桜花)
毒舌のライバルと酌むロゼワイン(月原つくし)
初めての年金バラとワイン買う(河内 月子)
鳩の出る話が続くロゼワイン(村上 桂子)
反対をワインで結ぶいいご縁(久保 德代)
フランスの村の名前で来たワイン(奈倉 楽甫)
ボルドーワイン炬燵で飲んでいる文化(中川 信男)
ポーズ取るモデルワインの薫りする(坪内 多美)
味方にも敵にもなれぬロゼワイン(山岡冨美子)
ユーロ安ワイングラスをでかくする(山本 勝三)
許すとは言わずワインの栓を抜く(沼尾美智子)
ヨーロッパ夢みるふたりロゼワイン(浅川 静子)
よく見える場所がお好きな赤ワイン(中島 晋吾)
ライバルを祝うワインが赤すぎる(斎藤 泰子)
ライン河ワイン流したように暮れ(牧野 芳光)
ワインからヨーロピアンの旬の詩(北出 北朗)
ワイングラスの底に沈んでいる未練(栗田 忠士)
ワイングラス独り歩きが癖になる(佐藤 明)
ワイン手にすると詳しいヨーロッパ(上垣内利凡)
ワイン飲む清酒をちょっと裏切って(小枝 喬)
ワイン飲むマナー焼酎飲むマナー(森中惠美子)
ワイン飲むみんなハイネの顔になる(前田 孝亮)
ワインより焼酎似合う老いの愚痴(高松武一郎)
ワインより焼酎のよいうたごころ(森中惠美子)


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by ringo-utahime | 2016-10-31 18:05 | 川柳(課題別) | Comments(0)

『ワイン』川柳①

宮崎は酎焼愛好家が圧倒的に多い県なので、ワインを飲む方は少ない。

「ワインの知識は皆無」という方の為に、簡単なワインの話を記したい。


~ワインの種類の違い~

★赤ワイン
黒ブドウから作る。果皮・枝・種がついたまま丸ごとつぶして発酵させるので、赤い色素が抽出されて鮮やかなルビー色になる。

★白ワイン
白ブドウから作る。果皮や種を取り除いた果汁だけを発酵漕に入れるので、ほとんど色がつかない。

★ロゼワイン
黒ブドウから作る。色がピンクになった時点で圧搾し、果皮・果肉・種を取り除き、再度発酵させる。
他に、赤・白用のブドウを混ぜて発酵させるところもある。

★スパークリングワイン(発泡性ワイン)
発酵の際に発生する炭酸ガスを閉じ込めたワイン。
「シャンパン」と呼ぶのは、フランスのシャンパーニュ地方で作られたものに限定。


~ワインの適正温度~

「白は冷やして、赤は常温で」は、気候の冷涼なヨーロッパでの話。
赤は、15~18℃、
白は、10~13℃、がベスト。
冷蔵庫で冷やす場合は、白やロゼは飲む3時間前に、赤は1時間前に入れておくとちょうど良い。


~ワインと料理の合わせ方~

一般論の「魚料理には白、肉料理には赤」は、すべての料理に当てはまるわけではなく「肉料理に白、魚料理に赤」が合う場合も多い。
《淡白な料理には、さっぱりとしたワイン。濃厚でスパイシーな料理にはコクのある個性的なワインがマッチする》と覚えておいた方が良い。


~ワインに賞味期限の記載なし~

ボトル内でも熟成が進むため、ワインには賞味期限ではなく、収穫年が記載される。


~「熟成タイプ」と「早飲みタイプ」~

「熟成タイプ」は、ボルドーの五大シャトーなどに代表される高級ワイン。収穫から10~20年程度熟成させる事で、やっと飲み頃を迎える。

ほとんどのワインは「早飲みタイプ」で、デイリーワイン・テーブルワイン・ヌーボーワインなどの比較的安価なワイン。
買った時が既に飲み頃。

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※写真は「りんごの詩」の赤ワインと白ワイン。


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課題『ワイン』の川柳を集めてみた。


【ワイン】①
甘すぎるワインと嫁も下戸でなし(苅谷たかし)
夢すこし妻のグラスへ注ぎわける(西垣美津枝)
とっておきのワインあなたの誕生日(横山 青灯)
とっときのワインを抜いたいい知らせ(杉村 鐐一)
飲み残すワインが妻のかくし味(尾崎たかもち)
鼻唄は下戸が酔ってるワイン風呂(出町 庸一)
ケータイ鳴らずワインの栓が乾きゆく(永井 玲子)
少しずつワインに混ぜた惚れ薬(志村ふみ子)
闘いが終わってふたりで飲むワイン(大橋百合子)
ワイン通華やぐ過去といて孤独(上林 貞信)
赤ワイン恋の化石に酔っている(高橋 双葉)
ワインボトル憎い男をぐっと飲む(高宮まゆ未)
ふくらんだ旅愁の中に注ぐワイン(山崎芙美子)
出ておいでワインの好きな春の鬼(坂本 浩子)
ワインの蓋開けても魔女になりきれず(楠見 章子)
揺籃を選ぶワインの樽の質(竹明なおみ)
とっときのワイン私にある祭り(江川ふみ子)
熟すまで耐えたワインの琥珀色(上野 秀湖)
赤ワイン喋り上手で崩れない(塚田 素文)
不器用な嘘ねワインが揺れている(中沢まつえ)
乾杯はワイン家のことなどみな忘れ(池本 ゆき)
いい事があったらしいよワイン抜く(井上かれん)
ワイン一口一度甘えてみたかった(小林 わこ)
友の愚痴ワイン片手に受け止める(洋子)
禁断の人へワインの栓を抜く(きよし)
傷口に触れず黙ってワイン注ぐ(あきら)
待ち侘びて機嫌そこねたワインセラー(文恵)
赤に白そしてロゼにも思い寄せ(章子)
涙かわくまでワインカラーに染まってる(れい子)
妻と酌むワイングラスに愛をつぐ(一之)
いい事がありそう今日のロゼワイン(靖鬼)
ロゼワイン女ごころに火をともす(光久)


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by ringo-utahime | 2016-10-26 16:16 | 川柳(課題別) | Comments(2)
先のNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のヒロイン小橋常子と編集長の花山伊佐次、彼らのモデルだった大橋鎮子と花森安治が設立したのが「暮しの手帖」(家庭向け総合生活雑誌)。

1968年発行の「暮しの手帖96号」の特集〈戦争中の暮しの記録〉は、翌年1969年8月15日に《戦争中の暮しの記録 保存版》として出版され、現在も増刷されている。

戦争体験者たちの寄稿文からできた〈特集号〉は「ぼろぼろになっても、この一冊だけは、これからあとに生まれてくる人のために残しておきたい」という願いを込めて造本された。

《保存版》には、付録①「戦争経験のない若い人たちの読後感」と付録②「戦争を体験した人たちの感想」も収録されている。

毎年夏になると必ず売れる底力のある不思議な本だという。


これは、戦争中の、暮しの記録である。
いま、君は、この一冊を、どの時代の、どこで読もうとしているのか、それはわからない。
君が、この一冊を、どんな気持ちで読むだろうか、それもわからない。
しかし、君がなんとおもおうと、これが戦争なのだ。
それを君に知ってもらいたくて、この貧しい一冊を、のこしてゆく。
……この一冊を、たとえどんなにぼろぼろになっても、のこしておいてほしい。
これが、この戦争を生きてきた者の一人としての、切なる願いである。
(編集者)

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『戰場』

〈戰場〉は
いつでも
海の向うにあった
海の向うの
ずっととおい
手のとどかないところに
あった
学校で習った地図を
ひろげてみても
心のなかの〈戰場〉は
いつでも
それよりもっととおくの
海の向うにあった

ここは
〈戰場〉ではなかった
ここでは みんな
〈じぶんの家〉で
暮していた
すこしの豆粕と大豆と
どんぐりの粉を食べ
垢だらけのモンペを着て
夜が明けると
血眼になって働きまわり
日が暮れると そのまま
眠った
ここは 〈戰場〉では
なかった

海の向うの
心のなかの〈戰場〉では
泥水と 疲勞と 炎天と
飢餓と 死と
そのなかを
砲彈が 銃彈が 爆彈が
つんざき 唸り 炸裂していた

〈戰場〉と ここの間に
海があった
兵隊たちは
死ななければ
その〈海〉をこえて
ここへは 帰ってこられ
なかった

いま
その〈海〉をひきさいて
数百数千の爆撃機が
ここの上空に
殺到している

燒夷彈である
燒夷彈が
投下されている
時間にして
おそらく 数十秒
数百秒
燒夷彈が
想像をこえた量が
いま ここの上空から
投下されているのだ
それは 空中で
一度 炸裂し
一発の燒夷彈は
七二発の燒夷筒に分裂し
すさまじい光箭となって
地上に たたきこまれる
それは
いかなる前衛美術も
ついに及ばぬ
凄烈不可思議な
光跡を画いて
数かぎりなく
後から 後から 地上に
突きささってゆく

地上
そこは 〈戰場〉では
なかった
この すさまじい燒夷彈
攻撃にさらされている
この瞬間も
おそらく ここが
これが〈戰場〉だとは
おもっていなかった

爆彈は 恐しいが
燒夷彈は こわくないと
教えられていた
燒夷彈はたたけば消える
必ず消せ
と教えられていた
みんな その通りにした
気がついたときは
逃げみちは なかった
まわり全部が 千度を
こえる高熱の焔であった
しかも だれひとり
いま 〈戰場〉で
死んでゆくのだ とは
おもわないで
死んでいった

夜が明けた
ここは どこか
わからない
見わたすかぎり 瓦礫がつづき
ところどころ
余燼が 白く煙を上げて
くすぶっている
異様な 嘔き気のする臭いが
立ちこめている
うだるような風が ゆるく吹いていた

しかし ここは
〈戰場〉ではなかった
この風景は
單なる〈燒け跡〉にすぎなかった
ここで死んでいる人たちを
だれも〈戰死者〉とは 呼ばなかった
この気だるい風景のなかを動いている人たちは
正式には 單に〈罹災者〉であった
それだけであった

はだしである
負われている子をふくめて
この六人が 六人とも
はだしであり
六人が六人とも
こどもである
おそらく 兄妹であろう
父親は 出征中だろうか
母親は 逃げおくれたのだろうか

持てるだけの物を持ち
六人が寄りそって
一言もいわないで
だまって 燒けた舗道を
歩いてゆく
どこからきて どこへ ゆくのか
だれも知らないし
だれも知ろうとしない

しかし
ここは〈戰場〉ではない
ありふれた〈燒け跡〉の
ありふれた風景の
一つにすぎないのである

あの音を
どれだけ 聞いたろう
どれだけ聞いても
馴れることは なかった
聞くたびに
背筋が きいんとなった

6秒吹鳴 3秒休止
6秒吹鳴 3秒休止
それの十回くりかえし
空襲警報発令

あの夜にかぎって
空襲警報が鳴らなかった
敵が第一彈を投下して
七分も経って
空襲警報が鳴ったとき
東京の下町は もう
まわりが ぐるっと
燃え上っていた
まず まわりを燒いて
脱出口を全部ふさいで
それから その中を
碁盤目に 一つづつ
燒いていった

1平方メートル当り
すくなくとも3発以上
という燒夷彈
〈みなごろしの爆撃〉

三月十日午前零時八分から
二時三七分まで
一四九分間に
死者 8万8千7百93名
負傷者 11万3千62名
この数字は
広島、長崎を上まわる

ここを 單に〈燒け跡〉
とよんでよいのか
ここで死に ここで傷き
家を燒かれた人たちを
ただ〈罹災者〉で
片づけてよいのか

ここが みんなの町が
〈戰場〉だった
こここそ 今度の戰爭で
もっとも凄惨苛烈な
〈戰場〉だった

とにかく
生きていた
生きているということは
呼吸をしている
ということだった
それでも とにかく
生きていた

どこもかしこも
白茶けていた
生きていた
とはおもっても
生きていたのが幸せか
死んだほうが幸せか
よくわからなかった

気がついたら
男の下駄を はいていた
その下駄のひととは
あの焔のなかで
はぐれたままであった
朝から その人を探して
歩きまわった
たくさんの人が
死んでいた
誰が誰やら 男と女の
区別さえ つかなかった
それでも やはり
見てあるいた

生きていてほしい
とおもった

しかし じぶんは
どうして生きていけば
よいのか
わからなかった

どこかで
乾パンをくれるという
ことを聞いた
とりあえず
そのほうへ 歩いていってみようと おもった

いま考えると
この〈戰場〉で死んだ人の遺族に
国家が補償したのは
その乾パン一包みだけ
だったような気がする

お父さん
少年が そう叫んで
号泣した
あちらこちらから
嗚咽の声が洩れた

戰爭の終った日
八月十五日
靖国神社の境内

海の向うの〈戰場〉で
死んだ
父の 夫の 息子の
兄弟の
その死が なんの意味も
なかった
そのおもいが 胸のうちを
かきむしり
号泣となって
噴き上げた

しかし ここの
この〈戰場〉で
死んでいった人たち
その死については
どこに向って
泣けばよいのか

その日
日本列島は
晴れであった



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『戦争中の暮しの記録 保存版』

昭和44年8月15日初版第1刷発行
平成28年10月15日第21刷

編集/暮しの手帖編集部
発行者/阪東宗文
発行所/暮しの手帖社
印刷・製本所/大日本印刷㈱

※290ページ、2200円+税

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by ringo-utahime | 2016-10-25 18:25 | 書籍 | Comments(0)

「山頭火」 早坂 暁

1989年11月3日、NHK総合テレビで放送されたドラマ
《山頭火~何でこんなに淋しい風ふく》
のシナリオを含めた早坂 暁の著書。

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当初主演予定の渥美清の体調が芳しくなく、代わってフランキー堺が山頭火を演じた。

第30回モンテカルロ・テレビ祭シルバーニンフ賞、最優秀男優賞(フランキー堺)受賞、第29回日本テレビ技術賞(撮影・録音)受賞作品。

〈キャスト〉
種田山頭火……フランキー堺

妻・咲野…………桃井かおり
子・健………………村田 雄浩
妹・シヅ……………林 美智子
父・竹治郎…………大地 康雄

尾崎 放哉…………イッセー尾形

大山 澄太…………辰巳 琢郎

〈スタッフ〉
作…………………………早坂 暁
音楽………………………武満 徹
演出………………………外園 悠治

大正から昭和初期の自由律俳句の巨人、種田山頭火の生涯を描いたドラマ。

※NHKアーカイブスの名作選の一本でもある。

山頭火(本名・正一)が11歳の時に、母が自殺。女道楽の父が妾と行楽の旅に出た留守に、母フサは井戸に身を投げて死んだ。
のちに僧となった山頭火は、白布に母の位牌を持って、行乞の旅を続けた。
山頭火の句の底には、いつも「母恋い」の思いが流れている。



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鉄鉢の中へも霰

まっすぐな道でさみしい

笠にとんぼをとまらせてあるく

分け入っても分け入っても青い山

家を出づれば冬木しんしんとならびたり

鳴きつれて虫のいのちのほそりゆく

足は手は支那に残してふたたび日本に

砂丘にうづくまりけふも佐渡は見えない

わかれてからのまいにち雪ふる

生死の中の雪ふりしきる

お骨声なく水のうへをゆく

銭がない物がない歯がない一人

しぐるるや人のなさけに涙ぐむ

毒薬をふところにして天の川

ほろほろほろびゆくわたくしの秋

うしろすがたのしぐれてゆくか

蝉しぐれ死に場所をさがしてゐるのか

いつまでも死ねないからだの爪をきる

雨ふるふるさとははだしであるく

このまま死んでしまふかもしれない土に寝る

もりもり盛りあがる雲へあゆむ

しぐるるや死なないでゐる

伸ばした足にふれた隣りは四国の人

朝湯こんこんあふるるまんなかのわたくし

うまれた家はあとかたもないほうたる

年とれば故郷こひしいつくつくぼうし

みんなかへる家はあるゆふべのゆきき

てふてふひらひらいらかをこえた

ひよいと四国へ晴れきつてゐる

おちついて死ねさうな草枯るる

ゆきゆきて倒れるまでの道の草

ここまで来てこの木にもたれる



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by ringo-utahime | 2016-10-24 13:47 | 書籍 | Comments(2)

「祈り」山尾三省

10月23日、雨の日曜日はユーウツ。

10月21日(金)14時07分に起きた鳥取県中部地震(M6.6、震度6弱)の被災地と被災者の皆さんが心配。
心よりお見舞い申し上げます。
気象庁は、約一週間は震度6程度の地震発生の可能性ありと、注意を呼び掛けている。
地震の収束と、一日も早く穏やかな日常を取り戻せることをお祈りしたい。


久し振りに山尾三省の詩集「祈り」を開く。

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祈り         山尾 三省

南無浄瑠璃光
海の薬師如来
われらの 病んだ心身を 癒したまえ
その深い 青の呼吸で 癒したまえ

南無浄瑠璃光
山の薬師如来
われらの 病んだ欲望を 癒したまえ
その深い 青の呼吸で 癒したまえ

南無浄瑠璃光
川の薬師如来
われらの 病んだ眠りを 癒したまえ
その深い せせらぎの音に やすらかな枕を戻したまえ

南無浄瑠璃光
われら 人の内なる薬師如来
われらの 病んだ科学を 癒したまえ
科学をして すべての生命に奉仕する 手立てとなさしめたまえ

南無浄瑠璃光
樹木の薬師如来
われらの 沈み悲しむ心を 祝わしたまえ
樹ち尽くす その青の姿に
われらもまた 深く樹ち尽くすことを 学ばせたまえ

南無浄瑠璃光
風の薬師如来
われらの 閉じた呼吸を 解き放ちたまえ
大いなる その青の道すじに 解き放ちたまえ

南無浄瑠璃光
虚空なる薬師如来
われらの 乱れ怖れる心を 溶かし去りたまえ
その大いなる 青の透明に 溶かし去りたまえ

南無浄瑠璃光
大地の薬師如来
われらの 病んだ文明社会を 癒したまえ
多様なる 大地なる花々において
単相なる われらの文明社会を 潤したまえ

Om huru huru Candali matangi Svaha
〈オーム フル フル チャンダーリ マータンギー スヴアーハー〉

(薬師如来 真言)


山尾 三省(やまお さんせい)
1938年、東京・神田生まれ。
早稲田大学文学部西洋哲学科中退。
77年、家族とともに屋久島の一湊白川山に移住し、耕し、詩作し、祈る暮らしを続ける。
2001年8月28日、死去。

***********************

本の間から、2枚の手書きの原稿用紙が出てきた。
ちょうど10年前の夏の終わりに、私が書いた短い文章だ。

養父の3回忌を終えて過ぎ去ろうとしている今年の夏は、実父が亡くなって30年目の夏でもあった。あの遠い別れの夏も、うだるような暑い毎日だった。
12の時に腎臓病を患って以来ずっと身体の弱かった私は、実父の年齢(47歳)まで生きることを目標にしてきた。そして今春とうとう父の享年と並ぶ歳となる誕生日を迎えた。
幼い時分から、酒乱の父には悩まされ泣かされることばかりの生活だったが、ひとつだけ今も忘れることのできない父の台詞がある。
「人にも物にも、この世の全てのことに感謝しなさい。たとえば、トイレで用を足したあとは、トイレの神様にありがとうを言いなさい」それが父の口癖だった。
父の生きざまからすれば矛盾以外の何ものでもなかったが、私はこの言葉に何かしら不思議な感動を覚えた。
今も私は、スーパーのレジ係に、バスの運転手さんに、ファミレスのウェイトレスさんに、そしてトイレの神様に、毎日あらゆるシーンでの「ありがとう」を欠かさない。
今年、私は一冊の詩集と出合った。屋久島の森羅万象のなかで、生命を見つめ、世界平和を祈り続けた詩人、山尾三省。
父とは正反対の生き方をした彼の詩のなかに、父の志と重なる一節を見つけた時には、涙があふれて止まらなかった。
(中略)
人生の感謝を教えてくれた実父と、行く末を遠くから見守ってくれた養父。
二人の生命を引き継いで、これからも私は生きて行く。
あらためて「ありがとう、お父さん」。
(2006年晩夏 記)



足の裏踏み      山尾 三省

閑ちゃんは 二年だから
父さんの 足の裏踏み 五十回
一、二、三、四……五十回 有難う

すみれちゃんは 四年だから
足の裏踏み 七十回
一、二、三、四……七十回 有難う

海彦は六年だから
足の裏踏み 百回
一、二、三、四……百回 有難う

病気になって父さんは このごろ思うのだが
結局人生は この有難うということを
心から言うためにこそ あったのだ
有難う
ありがとう 子供たち


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「祈り」

2002年8月28日第一版第一刷発行

著者/山尾三省

発行者/石垣雅設

発行所/野草社

発売元/新泉社


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by ringo-utahime | 2016-10-23 09:01 | ポエム | Comments(2)

『訃報』川柳

10月20日(木)、
ラグビー日本代表の司令塔や代表監督も務めた
平尾誠二さん
が、京都市内の病院で亡くなった。
53歳。

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1963年1月21日生まれ。
京都市南区出身。
伏見工業高校、同志社大学商学部卒業。
同志社大学大学院政策科学総合研究科(修士課程)修了。

中学入学後にラグビーを始め、伏見工業高校(山口良二監督)の高校3年時に全国高校選手権大会(花園)で優勝。
※テレビドラマになった「スクール☆ウォーズ」では、平山誠の役名で四方堂亘が演じた。

1982年、史上最年少(19歳4ヶ月)で日本代表。

1985年8月、英国留学中に、男性ファッション誌のモデルになり、日本ラグビー協会からアマチュア規定違反で注意勧告を受け、日本代表フランス遠征メンバーから外された。

1986年、神戸製鋼入社。日本選手権7連覇達成。

1998年1月、現役引退。神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼任GM就任。

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2019年には日本で初めてのラグビー・ワールドカップが開催されるのに、それを待たずして逝ってしまったミスター・ラグビーの無念を思って、残念でならない。

お洒落で、お茶目で、男らしくて、かっこいい平尾誠二さんが大好きだった。
ご冥福を心からお祈りいたします。


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課題『訃報』の川柳を集めた。

【訃報】
いい奴と言われた順に来る訃報(土屋 一紀)
いとしい人の訃報こけしがこけた(村上百合子)
沖からの訃報三角波が立つ(大橋 啓子)
恩をまだ返さぬ人の訃を聞く夜(安武 仙涙)
駆け足で回覧板が来る訃報(片貝 宏子)
家中の空気が重いペットの訃(大田 美磯)
軽い訃が届く菜の花畠から(森中惠美子)
子の訃報握り始発を待っている(江川寿美枝)
誤作動の風吹き抜けて訃が続く(山本希久子)
寒き夜の訃報凍烈音を聴く(佐藤 正)
祝福をされる訃報も長寿村(中村 英福)
正論を吐いたライバル訃報欄(菊田 信子)
立ち枯れをしたなと思う訃報欄(平井 丹波)
誰探すわけでもないが訃報欄(野口 直子)
チューリップ散って一つの訃が届く(敷田 無煙)
突然の訃からあなたを探してる(たむらあきこ)
友の訃に在りし言葉が胸を締め(櫛方 一男)
友の訃に胸の動悸が止まらない(久保田幸子)
バッテリー取り外された日の訃報(間瀬田紋章)
ひとつの訃罪も恨みも風となる(本田 南柳)
ファックスが軽く流した訃の報せ(小崎 国雄)
訃が続く薬飲みつつ生ける幸(内田みさ子)
訃にふれる冬をいくたび見たことか(田中 士郎)
訃の知らせ一番先に年を聞く(山本 実郎)
訃のしらせ花のしらせも浮世です(森中惠美子)
訃は不意に胸のガス抜き出来ぬまま(安部 美葉)
訃報きく全身濡れた紙になる(江澤多香子)
訃報欄思わぬ人に追い越され(菊地 克二)
訃を聞いて炬燵の人も手を合はし(麻生 路郎)
訃を告げて帰る二人を雪が追う(二宮 秀三)
訃を告げるケータイ遠慮がちに鳴る(高野 久代)
またしても同年配の訃報欄(吉道 航太郎)
真夜中の訃報の知らせ気の焦り(青木 沢江)
物語秘めて小さな訃報欄(佐藤 善雄)
病む人へ人の訃報は伝えない(栗田 久子)
余花の雨親しき友の訃報知る(久保田半蔵門)
ライバルの訃報つっかい棒が折れ(山田都一郎)
ライバルの訃報へ早い冬が来る(伊藤 洋子)
朗報も訃報も同じ耳で聴く(小島 仁)
別れの場反芻している訃報欄(丸山 宣久)
訃の知らせ積もって長いながい梅雨(さわだまゆみ)


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by ringo-utahime | 2016-10-20 15:20 | 川柳(課題別) | Comments(0)

『引退・引き際』川柳

10月18日(火)、
日米通算203勝をあげた広島東洋カープの黒田博樹投手(41)が、広島市内で記者会見し、今シーズン限りの現役引退を表明した。

「リーグ優勝して日本シリーズにも進出できたことが、引退を決めた一つの大きな要因。最高のシーズンを送ることができたので、全く悔いはない」と話した。

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1975年2月10日生まれ。
大阪市出身。
父は、元プロ野球選手の黒田一博。

専修大学から、1996年のドラフト逆指名2位で、広島東洋カープに入団。
背番号15。

広島で、通算124勝、105敗、防御率3.55。
メジャー(2007年ドジャース入り、2012年ヤンキース移籍)で、通算79勝、79敗、防御率3.45。
プロ20年目の今年、日米通算200勝を達成。

2014年シーズン後にメジャーでの現役続行の選択肢もあったが、古巣の広島に復帰し、今季は25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

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カープ女子でも何でもない私だが、男気にあふれる黒田博樹が大好き。
国民栄誉賞をあげたいな。



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課題『引退』と『引き際』の川柳を集めてみた。

【引退】
引退が出来ぬ陛下の丸い背な(藤本 巌)
引退の感想これからうまい酒(佐伯みどり)
引退の日近し肩の力抜く(亀田美都子)
引退をお待ちしていた感謝状(野上 点人)
完結という引退へ花吹雪(高橋 白兎)
どきどきが消えて引退考える(望月 和美)

【引き際】
手を打ってから引き際を模索する(岩田 笑幣)
荒れ狂う波も引き際知っている(新川 博子)
風強い岬引き際かもしれぬ(後藤 昌美)
その先の無い引き際に華がある(望月たか美)
引き際が見事うしろは振り向かず(亀山夕樹子)
引き際が見事な恥を知る男(藤本 直)
引き際で男の美学試される(北原 伸章)
引き際に男が持っている美学(黒田 正吉)
引き際の美学十指の動くうち(池田 房子)
引き際の美学に笑みを置いてくる(片山 純子)
引き際はおんなにもある寒椿(松村 華菜)
引き際もまたひまわりと月見草(八木沼福男)
引き際を決めて明日へ身構える(笠原 道子)
引き際を桜並木は知っている(藤原 鬼桜)
ベテランと呼ばれ引き際考える(田口 勝義)


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by ringo-utahime | 2016-10-19 09:38 | 川柳(課題別) | Comments(2)

『賞』川柳

10月13日(木)、ミュージシャン『ボブ・ディラン』
《ノーベル文学賞》受賞が発表された。

受賞理由は「アメリカ音楽の伝統に、新たな詩的表現を創造した」というもの。

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ボブ・ディランは、1941年5月24日生まれの75歳。
アメリカのミネソタ州ダルース出身。


グラミー賞・アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞し、ロックの殿堂入りも果たしている。

2012年に大統領自由勲章を受賞。
2008年に「卓越した詩の力による作詞がポピュラーミュージックとアメリカ文化に大きな影響を与えた」としてピューリッツァー賞特別賞を受賞。

ノーベル文学賞を歌手が受賞するのは初めてなので、大きな話題になっている。


ボブ・ディランの代表作「風に吹かれて」の和訳を紹介したい。

★風に吹かれて★
(Blowin In The Wind)

どれほどの道を歩かなければならないのだろう
人として認められるために

どれほど鳩は飛び続けなければならないのだろう
砂の上で安らぐために

どれほどの弾が打たれなければならないのだろう
殺戮をやめさせるために

その答えは 風に吹かれて
誰にもつかめない

どれほど悠久の世紀が流れるのだろう
山が海に流されてしまうまでに

どれほど生きなければならないのだろう
本当の自由が許されるまでに

どれほど顔を背けなければならないのだろう
何も見ていないふりをするために

その答えは 風に吹かれて
誰にもつかめない

どれほど見上げなければならないのだろう
本当の空を見るために

どれほど多くの耳を持たなければならないのだろう
人々の泣き声が聞こえるまでに

どれほど多くの人が死ななければならないのだろう
死が無益だと知るために

その答えは 風に吹かれて

誰にもつかめない

《1962年に雑誌「シング・アウト」に掲載。1963年にリリース、アルバム「Free Wheelin'」に収録》


私は、1972年にリリースされたGAROの「学生街の喫茶店」の歌詞〈♪学生で賑やかなこの街の片隅で聴いていたボブ・ディラン〉を懐かしく思い出す。


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余談だが、10月15日、熊本の噴煙吟社から、先の誌上大会の入賞商品が郵送された。
ありがとうございました。



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課題『賞』の川柳を集めてみた。

【賞】
芥川賞作家が美人で困ります(田口 麦彦)
ペンダコの届かぬ位置の直木賞(佐藤 良子)
金賞の札つけしまま菊枯れる(黒田 青磁)
賞状をお盆に乗せて渡す役(上野多恵子)
直木賞から三才賞に夢凋む(渡辺 夢王)
相手役だけが光った演技賞(長先 暢柳)
イチローの射程に入らぬ栄誉賞(池田 伍柳)
恩賞と利権の界に遠く住み(田中 天望)
皆勤賞貰えただけで嬉しがり(金川 宣子)
傘はもう畳みましょうと平和賞(望月 弘)
枷一ツ殖えた受賞を喜ばれ(藤田 遊喜)
菊入賞ちょっぴり酒が許される(宮村ちよ路)
九条に欲しいノーベル平和賞(古手川 光)
金賞へ地酒づくりの闘志湧く(中村 孝一)
勲記揚げ亡妻の功労賞にする(長家 正見)
殊更に野菊も香る受賞の日(古屋 一福)
市長賞市長がほめた覚えなし(右近 志秋)
執着にいま陽が当るノーベル賞(岡部 暖窓)
賞金王苦労話しは語らない(福岡 瓢斉)
賞金の使途まで司会者口が過ぎ(倉本 玉代)
賞金をクラゲと分ける化学賞(平田 宏)
賞辞退する一徹な芸の虫(平井 吾風)
賞状の一語にもらう力こぶ(赤池 加久)
賞状も以下同文ではいりません(加藤 鉦好)
賞状を声出して読むひとりの灯(森中惠美子)
賞状を見つめて過去の人となる(今井 旺波)
賞という中で身近な努力賞(博多 成光)
賞のない趣味にこの日は癒される(上條 風子)
新聞でわが子の受賞確かめる(室田 隆司)
授賞式妻の支えが実を結び(川口 昌通)
受賞して創作熱に点火する(篠原智恵子)
受賞して何も変わらぬ寒ぼたん(森中惠美子)
上手下手わからん字でも賞をとり(森 敦貞)
人生は誰でもくれる参加賞(中村 五豆)
耐え抜いた人に金賞占められる(柿嶋さだ子)
ダイヤ婚妻に捧げる助演賞(村井勢津子)
だっちゅうので可愛い顔して賞をとり(高橋 勇三)
小さくていい大会の賞ならば(山岸千世子)
天国の母に見せたいちさき賞(三宅 葉子)
時どきは私にあげる努力賞(岸本 宏章)
特賞の笑顔に出会う暮れの市(伊藤よね子)
とぼけ賞候補に宇野とコロンボと(上久保山人)
直木賞候補で終わる紙屑か(鷹野 青鳥)
南北の手が重なった平和賞(島田 公惠)
ニッポンの快挙ノーベル賞にみる(江尻 麦秋)
入賞の子の作文に母が病む(榎本信太郎)
ノーベルが選ぶ世界のトップ賞(福田 三宝)
ノーベル賞会社あわてた宝もの(中澤 伽羅)
ノーベル賞の卵が廊下拭いている(田邉千坊子)
ノンフィクション賞を貰った子を仰ぐ(那須ひさし)
春の小川ノーベル賞も育ちそう(望月 和美)
化け上手の妻にノーベル化学賞(田中 正昭)
ヒーローを食ってしまった助演賞(上嶋 幸雀)
控え目の若い瞳に化学賞(氏家三佐子)
貧困を救うノーベル平和賞(崎山 文代)
ふさわしい人ほど辞する栄誉賞(深海 和人)
僕だってノーベル賞は夢じゃない(山田紀代美)
孫自慢みんなノーベル賞候補(石川 泰子)
無位無冠歳を重ねた賞もある(石田 照子)
むつかしい賞を祝ってにぎやかだ(森中惠美子)
名総理育てた父母に黄花賞(岩田 三和)
ものを言う瞳で貰う演技賞(中田 克昭)
読めぬ字に賞がついてる書道展(水野 弘一)
ライバルの受賞に揺れる肚の虫(星 泡柳)
老妻へ主婦大賞をさし上げる(長野建八郎)
ワンランク上の造花で授賞式(山田 茂夫)
晴れやかに燕尾姿のノーベル賞(かつみ)
主婦業にせめて小さな努力賞(多紀子)
いそいそと帯締め選ぶ授賞式(さわだまゆみ)


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by ringo-utahime | 2016-10-16 07:27 | 川柳(課題別) | Comments(2)

『すき焼き』川柳と俳句

昨日の『宮崎りんご川柳座』の月例句会では、創立一周年のお祝いをした。

2015年10月1日(木)に正式発足、現在の会員は11名。
毎月第2水曜日の18時~21時「りんごの詩」を貸し切りにして、勉強会を開いている。

先日の「川南土の子番傘川柳大会」で、副賞の宮崎牛を2パックゲットしたので、すき焼きをした。

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《すき焼き》の語源
もとは、鍋の代わりに鋤〈すき〉の上で焼いたことからとも、すき身(薄切り)の肉を焼くところからとも言われる。
当初は、今でいう「焼き肉」に近いものであったとされる。
明治の文明開花期に普及し、東京周辺では「牛鍋」、関西では「すき焼き」と呼ばれた。
関東大震災以後「すき焼き」で統一された。
※関東風は醤油や砂糖を合わせて鍋に入れるが、関西風はそれぞれ別に入れるのがふつう。
~日本語「語源」辞典より~

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とっておきの〈富士山の日本酒〉を開けた。

Nさんが用意してくれた一周年祝いケーキも、みんなで食べた。

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課題『すき焼き』の川柳と俳句を集めてみたが、残念ながら少なかった。


~川柳~
【すき焼き】

クローンかも知れぬすき焼き食べている(北尾 龍端)
すき焼きがからい男の祭りだな(森中惠美子)
すきやきが食べておくれと寄って来る(和家 重子)
すきやきの具が踊りだし鍋笑う(清水 素見)
すきやきの鍋も淋しいもののうち(森中惠美子)
すき焼きの肉は子供によせてやり(山本 美春)
夏のおわりのすき焼きに妥協する(森中惠美子)
すき焼と見えて船頭葱をさげ(麻生 路郎)
すき焼に君は豆腐と葱係(岸本 水府)
独り身のすき焼き卵まで無口(さわだまゆみ)


~俳句~
【すき焼き】 (季語=冬)

すき焼きを囲むとなりの子も加はり(若林 卓宣)
横額は八一の書なり鋤焼す(右城 暮石)
すき焼や浄瑠璃をみて泣いてきて(長谷川 櫂)
牛鍋に一悶着を持ち込めり(村山 古郷)
鋤焼や誼〈よしみ〉といふも今日はじめて(下村 槐太)
牛鍋てふ店まだありし荷風の忌(斎藤 由美)
ぶちぬきの部屋の敷居や桜鍋(綾部 仁喜)
ネクタイの結び目重し桜鍋(五十嵐唐辛子)
鋤焼やくろがねの鍋にほひ立つ(加藤 晃規)
男らの牛鍋の火の消えさうな(松尾むかご)

※桜鍋は、馬肉を使ったすき焼き。


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by ringo-utahime | 2016-10-13 15:26 | 川柳(課題別) | Comments(2)

『納豆』川柳と俳句

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コンビニの納豆巻きを初めて食べたが、なかなか美味しかった。

関西人には納豆を嫌いな人間が多いが、板前だった亡父が時々納豆を食べていたせいか、私も子どもの頃からたまに食べていた。

俗説に「本来、豆を腐らせたものが豆腐、型に納めたものが納豆だが、取り違えられた」などというが、これは誤りのようだ。
納豆は日本独自の言葉であり、豆腐は中国から伝来した食品で、中国でも豆腐と呼ばれているので、取り違えることはあり得ないらしい。



《納豆の主な効能》
①整腸効果(納豆菌&食物繊維)
②血液をサラサラに(レシチン)
③骨を元気に(カルシウム&ビタミンK2)


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課題『納豆』の川柳と俳句を集めてみたが、残念ながら少なかった。


~川柳~
【納豆】

後なんぼまだまだ納豆かきまぜる(井上 文子)
かき混ぜた納豆がほら歌ってる(今村 幸守)
刻み葱添えて納豆日本一(佐藤 歌子)
サクラサク日へ納豆を粘らせる(塩田 悦子)
納豆ずるずる夢まぼろしのまんなかで(熊谷 冬鼓)
納豆と卵に味方させる妻(加藤ゆみ子)
納豆に賞味期限がある不思議(山本 喜禄)
納豆に慣れて都会派らしくなり(中川 信男)
納豆の糸でアジアを掻き混ぜる(大黒谷サチエ)
納豆の粘り元気なお父さん(八木 芳水)
納豆も梅干しも好き親日家(三上 博史)
納豆を掻き混ぜながら策を練る(村田 繁一)
納豆を食わずに水戸は語れない(舟辺 隆雄)
納豆を信じこませたマスメディア(黒埼 和夫)
納豆を交ぜ交ぜ探す着地点(利光 正行)
女房と納豆掻き混ぜる程味が出る(岩井たけお)
冬の別れに納豆が糸を引く(森中惠美子)
マイペース納豆捏ねて捏ねて朝(平井 祥子)
納豆の中で捏ねてる妻の愚痴(道子)



~俳句~
【納豆】 (季語=冬)

納豆の苞を作るに藁選ぶ(志鳥 つばさ)
受取りて苞つこ納豆銃のごと(古木 遙)
納豆汁杓子に障る物もなし(石井 露月)
板の間に敷く座布団や納豆汁(草間 時彦)
ふるさとに忌を修しけり納豆汁(新井 悠二)
言ひ澱むには都合よき納豆汁(折原あきの)
納豆汁職場変へしといふ知らせ(古瀬 夏子)
婆が婆嫌がつてをり納豆汁(薗部 庚申)
納豆汁教師が故の貧しさに(小林 宗一)
糟糠の妻が好みや納豆汁(高浜 虚子)
朱にめづる根来折敷や納豆汁(与謝 蕪村)
箸割れば響く障子や納豆汁(石塚 友二)


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by ringo-utahime | 2016-10-11 08:15 | 川柳(課題別) | Comments(6)

2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡


by りんご詩姫