りんご詩姫のブログ(新)

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2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡

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3月28日(火)に届いた発表誌「第5回卑弥呼の里誌上川柳大会」(企画・卑弥呼の里川柳会、編集発行・真島久美子)を紹介。


全国590名の参加者は、過去最高の投句数。
宮崎県からは14名が投句。

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課題ごと1180句の投句の中から、入選80句、佳作5句、特選1句、選者吟1句が選出されている。

※一部の柳友と上位入選句を下記に記載。


【真】 森中惠美子選
入選
真っ白になった地震からの日記(北村あじさい)
菜の花の真っ只中にいてひとり(萩原奈津子)
お体を真摯に思う菊の紋(風間なごみ)
真正面壁と向きあう反抗期(小林 宥子)
真剣な恋ですカルピスを飲んで(小林信二郎)
あるがまま象はすべてを受け入れる(渡邊 桂太)
八合目からが男の真価です(入木田一寸坊)
真ん丸が描けて嬉しい古稀の春(藤井 英坊)
真っ白になった百歳になった(柴田 美都)
お世辞でも真正面から受け止める(中武  弓)
真剣に煙草吸ってる喫煙所(高瀬 霜石)
神様を真ん中にして無神論(主税みずほ)
ローソクが消え真相はそれっきり(楠根はるえ)
佳作
真っ直ぐに歩きたいから酒が居る(竹村紀の治)
真実はひとつ活断層の上(本多 雅子)
棺に納まるのも迫真の演技(安田 翔光)
真っ直ぐに月まで行った紙の鶴(本多 洋子)
凍み豆腐と一緒に吊るすのは真(加賀田干拓)
特選
真実はとてもさみしい雨になる(ひとり 静)
選者吟
思いきり笑ってみたい真と実


【線】 大西 泰世選
入選
線一本外し人間らしくなる(七條 美千)
待ちましょう自分の線を引くまでは(弘津 明子)
白線を引いて終わりにしてしまう(岡本  恵)
地下鉄の線路もたまに空恋し(前田 一天)
脱線をして拾った丸い石だ(中武  弓)
水平線までが私のテリトリー(新家 完司)
百歳の視線は仏さまのよう(細山田吐夢)
あたたかい大仏の肩の線 春(黒川 孤遊)
直線で書いても波を打っている(青砥たかこ)
呑み込んだ線があちこち突っつくの(ひとり 静)
佳作
曲線で行こうよ春の岬まで(森吉留里惠)
たんぽぽが最前線に咲いている(森山 文切)
まっすぐな線だと思うことにする(前中 知栄)
羽根が生えました路線変更です(阪本ちえこ)
線描のりんご夕陽が洩れてくる(船水  葉)
特選
直線よもっと野菜を食べなさい(若林 桝一)
選者吟
恵方から線一本を持ち帰る


【粒】 木本 朱夏選
入選
粒々が出て少年の反抗期(風間なごみ)
粒々にされて負け組だと悟る(月波 与生)
粒状の愛しか与えられません(森山 文切)
浅田飴まあるい缶におばあちゃん(岡本  恵)
輪廻転生する一粒の麦だ(安田 翔光)
大粒のダイヤと自由取り換える(石神 紅雀)
粒になったとは初耳だな君よ(小林信二郎)
つぶつぶを夜空へ撒いておきました(柴田 美都)
佳作
粒々のざらざら青春感情線(山本希久子)
こぼれ種風を掴んでから自由(山岡冨美子)
てのひらのひと粒希望だといいな(ひとり 静)
ご飯粒つけて花野に来てしまう(村山 浩吉)
仁丹の昭和の息を吐く男(辻内 次根)
特選
粒選りの桃なら川下で待とう(福力 明良)
選者吟
極上の嘘をひと粒さし上げる


【息】 樋口由紀子選
入選
白い息吐いて駆けだすランドセル(前田 一天)
産院の廊下で僕もスースーハー(小林信二郎)
白い息吐いて正しい春になる(柴田 美都)
真っ白い息で満ち欠け解いている(中武  弓)
この恋はとっくに息をしていない(真島久美子)
今一息ああ頂上に霧がでる(間瀬田紋章)
新緑の散歩肺までみどり色(石神 紅雀)
深呼吸して「て・に・を・は」を整える(中村 鈴女)
呼吸することに時々疲れます(城後 朱美)
溜め息をつくロボットとなら話す(徳丸 浩二)
母の焼く土人形の息遣い(さわだまゆみ)
1分の重さ待たせる待たされる(高瀬 霜石)
佳作
隣人は食べてる寝てる息してる(中岡千代美)
始まりも終わりも息をせぬ兵士(月波 与生)
オメデトウ五億回目の息ですよ(岡谷  樹)
三文判もハッとひと息かけて捺く(伊藤のぶよし)
13ページにはさんであった息(森田 律子)
特選
すぱいらるだからあすぱらがすの息(吉松 澄子)
選者吟
長靴の片方に息詰め込んで


【影】 赤松ますみ選
入選
ほろほろと太宰治の影法師(柴田 美都)
竹とんぼ影を嫌っているように(真島 清弘)
影絵からポンと飛び出す過去・未来(中村 鈴女)
行間の伏字に影が付いてくる(萩原奈津子)
影のあるおんな彩る黒真珠(さわだまゆみ)
古民家の影絵で生きてきた昭和(永友 淳子)
交差点わたしの影を見失う(阪本ちえこ)
ロボットの影を何回踏んだやら(内田 久枝)
三島忌に昭和元禄への遺影(やまぐち珠美)
私がわたくしでいるアカンベー(高瀬 霜石)
長い影僕の戦は終らない(栗山 芳彦)
ひとりごとでしたと影を踏んでおく(ひとり 静)
一枚で語りつくしている遺影(平田 朝子)
佳作
月蝕でしょうか立憲平和主義(岡谷  樹)
逃げ水を追えば三つ巴のカモメ(森田 律子)
ついていい嘘を知った日少年は(船水  葉)
抗うか引くか分水嶺の影(田辺与志魚)
闇のなか影はかくれんぼに夢中(森井 克子)
特選
影を抱き続ける冬のヴァイオリン(西出 楓楽)
選者吟
影ならば水琴窟になりました



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第39回吉野ヶ里川柳大会案内

★日時/平成29年4月16日(日)
    午前10時開場(投句締め切り11時30分)

★場所/佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津「きらら館」
    (東脊振インター出て右折すぐ)

★宿題(各題2句)※欠席投句拝辞
   「優しい」
   「種」
   「あらあら」
   「溢〈あふ〉れる」
   「雑詠」

★会費/1000円(昼食込み)

主催・わかば川柳会
協賛・吉野ヶ里町文化協会
後援・読売新聞西部支局、西日本新聞社、佐賀新聞社


※宮崎組の参加希望の方へ。
当日、貸し切りマイクロバスを出します。日帰り。宮崎駅東口に、午前6時20分集合。費用は参加者数で割り勘、6000円程度の見込み。申し込みは、宮崎番傘川柳会の間瀬田紋章会長まで。



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by ringo-utahime | 2017-03-29 09:35 | 川柳大会 | Comments(8)

第48回宮崎市川柳大会

3月26日(日)宮崎市中央公民館大研修室にて
『第48回宮崎市川柳大会』
が開かれた。

※昨年までの「宮崎市民川柳大会」から「民」がとれて、「宮崎市川柳大会」の名称に変わった。
※また、今回より県内外から広く欠席投句を受け付けることになった。


出席79名+欠席投句21名=合計100名の参加。

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各課題ごとに、平入選41句、佳作5句、準特選2句、特選1句、軸吟(選者吟)1句の合計50句を選出。

脇取りは、七條美千、二宮 信、さわだまゆみの3名。

※私の入選句と上位入選句のみ、下記に掲載。

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【迷子】(宮崎)吉井 楼太選
入選 迷子の夜へ手を差しのべたみすゞの詩(さわだまゆみ)
入選 情報の森で迷子のスマホ族(さわだまゆみ)
止句 少年のこころが迷子愛に飢え(上野 由美)
佳5 衛星の迷子宇宙の果ての果て(井手 良祐)
佳4 家も田も消えて迷子の過疎の村(佐藤こうじ)
佳3 詫びながら母の名を書く迷子札(橋本弐恵娘)
佳2 迷子の骨探してクレーン夕焼ける(西岡 南風)
佳1 大都会迷子になった理想主義(稲戸 楽子)
準2 GPS少しはじける迷子札(間瀬田紋章)
準1 メビウスの輪迷子の母が行き来する(植田のりとし)
特選 大国の狭間日本に迷子札(外園ピアノ)
軸吟 つながれたくさりが長い迷子札(選者)


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【鬼】(鹿児島)麻井 文博選
入選 朝に夕に鬼をなだめる介護録(さわだまゆみ)
止句 鬼にも蛇にもならぬ天狗の一人言(永友 充子)
佳5 鬼の巣が真ん中にある未来地図(間瀬田紋章)
佳4 人間の狂気を鬼も持てあます(棧 舜吉)
佳3 九条の根っこをかじる鬼がいる(吉井 楼太)
佳2 堕ちてゆく手前で鬼になりました(細山田吐夢)
佳1 ふくよかな乳房に鬼が棲んでいる(真島 清弘)
準2 美しい顔から透ける鬼の影(桜木 えり)
準1 原爆の鬼鋭角に鶴の首(西岡 南風)
特選 本当の鬼は人間だと思う(真島 凉)
軸吟 胸底に涙脆さを隠す鬼(選者)


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【コンビニ】(佐賀)西村 正紘選
入選 コンビニの旗が食育うたいだす(さわだまゆみ)
止句 コンビニが母になったり妻になる(小代千代子)
佳5 コンビニで複数形の顔になる(真島久美子)
佳4 コンビニの駐車場から足が付く(七條 美千)
佳3 コンビニに日参老いのスケジュール(稲戸 楽子)
佳2 コンビニのカフェで休息する戦士(さわだまゆみ)
佳1 コンビニに里の老舗が四股を踏む(深道 岳柳)
準2 コンビニの味で育った舌が拗ね(川崎 敬女)
準1 アマゾンとコンビニだけで用が足り(前田 一天)
特選 コンビニで予約受けます月旅行(吉井 楼太)
軸吟 半世紀前にコンビニ欲しかった(選者)


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【反対】(宮崎)西岡 南風選
入選 反対の根雪をとかすベビー服(さわだまゆみ)
入選 酒の席だけで反対する羊(さわだまゆみ)
止句 反対の声沈んだままの辺野古沖(西 ほたか)
佳5 テロという反旗世界を弄ぶ(宮本 直子)
佳4 反対派居たことダムは語らない(横尾 信雄)
佳3 反対意見ぴしり流れた静電気(山口 陽花)
佳2 未練たっぷり反対に押す離婚印(植田のりとし)
佳1 妻や子の風に反論ひっこめる(高峰 桂介)
準2 反対を向くと親父も母もいる(間瀬田紋章)
準1 ほほえんでゆっくり首を横に振る(河野 正)
特選 反対はしない気ままな猫の耳(横尾 信雄)
軸吟 散る花を踏んで反対せずに去る(選者)


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【興奮】(延岡)荒砂 和彦選
入選 夜神楽へ青い瞳もエキサイト(さわだまゆみ)
止句 沸点の低い男は飛び回り(西村 正紘)
佳5 図星つく言葉が息を荒くさせ(相田 聡子)
佳4 興奮の坩堝独りの鬼になる(肥田木聞明)
佳3 観劇の余韻右脳がまだ疼く(横尾 信雄)
佳2 興奮が醒めて別居の協議中(木下他意無)
佳1 明日逢えることを思えばもう微熱(麻井 文博)
準2 青筋を立てているから触らない(西村 正紘)
準1 興奮のルツボ人格溶けてゆく(牧野 紗絵)
特選 昂ぶりがゆっくり溶ける空の青(細山田吐夢)
軸吟 心拍の乱れ真っ白にした頭(選者)


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【乾杯】(宮崎)間瀬田紋章選
入選 乾杯の音頭もまるい国訛り(さわだまゆみ)
入選 乾杯の報告添える春彼岸(さわだまゆみ)
止句 乾杯のグラスに罅〈ひび〉を入れておく(長友てるはや)
佳5 乾杯を遠く見ている喜寿の坂(中瀬ふさこ)
佳4 取り敢えず火種はふせて乾杯です(岩崎 哲)
佳3 作業着の乾杯特許取れました(真島 清弘)
佳2 乾杯に無欲のドラが鳴り止まぬ(森永 茂)
佳1 乾杯の風に震える羽化の蝶(堀口 宏幸)
準2 乾杯を桜吹雪に急かされる(七條 美千)
準1 乾杯の裏でミサイル飛んでいる(川崎 敬女)
特選 乾杯の高さは幸せの高さ(麻井 文博)
軸吟 乾杯の中心にいる天下り(選者)


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《各賞受賞者》

宮崎市長賞
○原爆の鬼鋭角に鶴の首
(宮崎市)西岡 南風

宮崎市議会議長賞
○メビウスの輪迷子の母が行き来する
(宮崎市)植田のりとし

宮崎市副市長賞
○乾杯の裏でミサイル飛んでいる
(宮崎市)川崎 敬女

宮崎市地域振興部長賞
◎大国の狭間日本に迷子札
(鹿児島県)外園ピアノ

宮崎市文化スポーツ課長賞
◎反対はしない気ままな猫の耳
(佐賀県)横尾 信雄

宮崎番傘賞
◎昂ぶりがゆっくり溶ける空の青
(宮崎市)細山田吐夢

大矢左近太郎賞
◎本当の鬼は人間だと思う
(佐賀県)真島 凉

宮崎市芸術文化連盟会長賞〈新人賞〉
☆鬼の居ない時は陽気なコップ酒
(宮崎市)馬場さだお

※◎特選句、○準特選句、☆平入選句。

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大会終了後は「ニューウェルシティ宮崎」にて懇親会。34名参加。

カラオケも出て、盛り上がった。

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by ringo-utahime | 2017-03-27 13:40 | 川柳大会 | Comments(4)
「宮本武蔵」「新・平家物語」等で有名な作家吉川英治(1892.8.11~1962.9.7)は二十歳前後の頃、吉川雉子郎〈きじろう〉の名で川柳を詠んでいた。

柳号の「雉子郎」は〈焼け野の雉子の子を思う親心をしのんだもの〉で、吉川英治はかなりの親思いの青年だったらしい。

ちなみに、私は英治の名言「朝の来ない夜はない」が好きだ。

雉子郎の川柳を少し紹介したい。

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清盛も太閤も居ぬ京淋し

古本を売りて富みたる夕心

何尺の地を這ひ得るや五十年

貰はれて行く子に袂ただうれし

駈落は金の無くなる所まで

あめつちの中に我あり一人あり

死ぬんだと云へば女房泣きやあがる

新内よ流せ廓の雨上り

両国の美しい夜に風邪を引き

夏よろし君が翡翠の玉のかげ

生きぬれば蝶にも汗はありぬべし

小鳥店買はれ行くのと泣きかはし

その女八百屋に見たる夕かなし

渡海てふ火宅の中に油蝉

きりぎりす半分泣いて風が吹き

珈琲の香にさへ酔ひぬ恋すれば

うれしさに憂きに鬼灯吹く女

かにかくに吾が朝顔もうすれ行く

気が違ふほど夕焼けぬ夕焼けぬ

後に読む其の夜の小さき名刺の名

飯が旨いに止まれり俺の秋

風が出て来たよと下駄をはいた時

貧しさもあまりの果は笑ひ合ひ

思はれもする柩の中の静けさ

うら寒いこころに息が見えて来る

一人喰ふ膳にぽつんと紅生姜

どん底の人に不思議な顔の光沢

世の中におふくろほどのふしあはせ

生きようか死なうか生きよう春朧

おふくろは俺におしめもあてかねず

櫛一つ無くして帰るすみだ川

湯屋の前通れば晩い桶の音

仏壇はあとのまつりをする所

売れて居るところを見ない骨董屋

真ん中を歩く都の午前二時

落ちぶれてまだ鍵だけをたんと持ち

金銀の中で貧しき飾職

なつかしき日を張り板に張りつづく

このさきを考へてゐる豆のつる

春の夜の立ち聞きゆるせ女部屋

春をただ男やもめのふところ手

悶々と蠅を叩いてゐたりけり

年忘れおまへは帰る俺は寝る

この道でいつぷくしよう小春かな

子に甘く女房に甘くあられ酒




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by ringo-utahime | 2017-03-17 17:50 | 川柳本 | Comments(4)
宮崎番傘川柳会(間瀬田紋章会長)発行の
「川柳みやざき春季号(169号)」を紹介。
44ページ。

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◆巻頭言
宮崎の文化(間瀬田紋章)


◆近詠『尾鈴集』(高峰 桂介選)〈36名参加〉より抜粋

彩りと色子どもながらの曼陀羅華
ことばことば人間を生む詩を生む
(宮崎/西岡 南風)

新年の風切り刻むテロリスト
聖地巡礼ポケモンGOと初茜
寒ぼたん愛でて独りの雑煮椀
スッピンで笑う美魔女の寝正月
恵まれていて情のない黄水仙
肩書を抱いてハートのないおんな
思い出になるまで返す砂時計
究極の親孝行へ宇宙葬
(宮崎/さわだまゆみ)


餅焼ける匂いの中に愛あふれ
初孫の笑顔大吉より勝る
(宮崎/間瀬田紋章)

捨てきれぬ煩悩と行く遍路みち
十円玉あれば弾んだ昭和の子
(宮崎/江藤九州男)

冬銀河小さな椅子を置いておく
頼られて頼って太い毛糸編む
(宮崎/中武 弓)

西陽から前向きの色選っておく
立ち直る心の傷とバイキング
(都城/主税みずほ)

帰る子に長ネギの土かけて待つ
明け方の神楽は客も神と舞う
(川南/甲斐 雅人)

子沢山物干し竿に有る喜劇
勝敗はもうついてます妻笑顔
(宮崎/馬場さだお)

穏やかな時が流れる経の声
甘い誘い罠の話と知りながら
(宮崎/日高 賀邁)

ひとつだけ覚えた芸に救われる
芸術を語るに髭をたくわえる
(薩摩川内/石神 紅雀)

除夜の鐘は騒音煩悩溢れだす
飽食の舌が刺激に飢えている
(宮崎/棧 舜吉)

待ちに待ったコンサートへと春コート
切り取った景色の中にある居場所
(宮崎/七條 美千)

断捨離で狂い始めた砂時計
やり残しがあるから生きる前を向く
(宮崎/太田ちかよし)

冷め過ぎたカレー離婚のプロローグ
噛みしめるスルメ親父が蘇る
(宮崎/河野 芳柳)

古里の道疎くなる八十の杖
老友の青春気取る年賀状
(宮崎/柴崎 幸風)



◆私の風〈エッセイ〉

港(金井 一光)

新しい風(佐藤こうじ)



◆第37回 課題吟


【手帳】  吉井 楼太選より抜粋
入選
介護した手帳に母のマルとバツ(甲斐 雅人)
空白の手帳きままな定年後(桜木 えり)
誕生日みんなで覗く母子手帳(高峰 桂介)
母子手帳の魔法おんなを強くする(さわだまゆみ)
何年も同じ手帳で足りている(石神 紅雀)
ボロボロの骨を抱いてる古手帳(西山なずな)
破られた手帳の箇所に在る火種(太田ちかよし)
佳作
サクラ前線手帳のメモを染めて行く(主税みずほ)
過去からの手帳が胸をノックする(中武 弓)
今日という手帳にどんな絵を描こう(植田のりとし)
特選
欲も悟りも白い手帳が喋りだす(西岡 南風)
軸吟
過労死の責を糺している手帳(選者)

【さらり】 さわだまゆみ選より抜粋
入選
黒帯はさらりと短所攻めてくる(柴崎 幸風)
お誘いをさらりとかわす自惚れ屋(桜木 えり)
舌三寸さらりと躱し切り抜ける(七條 美千)
憎しみをさらりと流す男の背(佐藤こうじ)
小悪魔はさらりと嘘を言って退け(三輪 治夫)
弱音などさらりと吐いて酒にする(石田 酎)
佳作
愛という言葉をさらり投げてくる(間瀬田紋章)
意を決しさらりと書いた離縁状(太田ちかよし)
縁談をさらりと躱す社のホープ(やすの喜宏)
K点をさらりと越える恋がたき(植田のりとし)
特選
忠告をさらりと言える友がいる(南村のりお)
軸吟
悲喜劇をさらりと閉じる訃の知らせ(選者)


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by ringo-utahime | 2017-03-11 17:30 | 川柳誌 | Comments(2)

「川柳番傘3月号」

番傘川柳本社(大阪市北区)発行の「川柳番傘3月号」を紹介。
138ページ。

表紙絵は「菜の花畑」。

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~同人近詠(田中 新一選)より抜粋

《巻頭》
笑わせているのに笑えない喜劇
すっきりと別れ上手な鬼の面
(飯塚/坂本 喜文)

心配もそこそこあるがよく眠る
弱点をさらしサイコロ振ってみる
(別府/小代千代子)

図太く生き抜いて泣きながら笑う
全てを失っても青空がある
(香川/安田 翔光)

私を裸にします雪明かり
意地悪な言葉は風にしてしまう
(宮崎/中武 弓)

冥福を祈ってみても風は風
翼などいいから子育てをしよう
(佐賀/真島久美子)

生きようともがいて不意に来る傘寿
真っ白な飯から香るありがたさ
(熊本/黒川 孤遊)

トンネルを抜けて一気に国訛り
計算がゆれる尻尾の先ゆれる
(福岡/冨永紗智子)

脚本に野望を足して語尾渇く
アンダーライン昭和の風を宿します
(都城/主税みずほ)

子の話だけで別れためぐり会い
神々の歩いた道を登山靴
(宮崎/中武 重晴)

痛み止め飲んで新年やり過ごす
春嵐もう許されぬ恋の種
(宮崎/間瀬田紋章)

そんなこともあるさと言われ生き延びる
服を脱ぐおんなの踵美しい
(薩摩川内/石神 紅雀)




※私は、久し振りに巻頭次席に掲載していただいた。


~誌友近詠(森中惠美子選)より抜粋~

《巻頭》
君となら転んでみるか春の坂
ほほ笑んで母は夕日に溶けました
(大阪/桑原すず代)

母さんの遺影が笑う雛飾り
西行塚の桜に会いにゆく彼岸
彼岸桜母恋しいと泣いている
バッカスに翻弄された父の悔い
仲直りの姉妹を包むあずき飴
ラーメンで仕切り直しをするおんな
(宮崎/さわだまゆみ)


在りし日の祖父母はでんとして柱
突っ走る赤信号のように恋
(鹿児島/馬場ナオミ)

酸欠にならないうちに遊びます
鏡から罪のありかを見せられる
(薩摩川内/春田あけみ)

想い出がポツリポツリと冬帽子
遠い昔指切りをした冬の駅
(大牟田/山下 華子)

老いてゆく君がこんなに愛おしい
ガンバラナイこれも一つの選択肢
(福岡/平本つね子)

花野ゆく母にはきっと南風
うたかたの命を惜しむ寒昴
(札幌/小林 宥子)

支援する側に戻され靴みがく
ジョーカーを引いてしまった星条旗
(宮崎/江藤九州男)

決別ができぬ彼岸のなごり雪
独り住みパントマイムに暮れる部屋
(宮崎/永友 淳子)

免許証返して旅の軽い脚
歳月に疵の記憶はついてくる
(宮崎/日高 賀邁)

こだわりも嘆きも包む里の風
不器用だからこそ母が愛おしい
(宮崎/肥田木聞明)

厄を背負う今年の干支はお人好し
逝く鶴が余命継いでと哭く出水
(鹿児島/松本 清展)


◆課題吟「こだわる」(宮崎/主税みずほ選)より抜粋
雑草の意地がこだわりみせてくる(肥田木聞明)
こだわりのジビエに逢える雪の宿(森園かな女)
母さんがまだ譲らない仕舞風呂(平井 義雄)
ミクロンに拘りがある町工場(井芹陶次郎)
朝駆けの事件を綴る記者の手記(原 馨)


◆イメージ吟〈No.17〉(大阪/西 美和子選)より抜粋
石垣の割れ目の涙息をする(富田 博)
四次元へ行き来できない壁がある(日高 賀邁)
認めあい細い絆に身を寄せる(冨永紗智子)
わたくしがわたくしでなくなる恐れ(馬場ナオミ)
恋心忘れ前頭葉乾く(真島久美子)
いのち渇いて核心までが不明です(主税みずほ)
こんな顔ですが笑っているつもり(藤本 秋声)


◆各地句報1月句会より抜粋
《宮崎番傘》
陣痛なんて子の可愛さに比べれば(紅雀)
線引きを違えて着地あみだくじ(舜吉)
バチバチの値踏み女の初対面(敬女)
痛いとこつつき合っても夫婦独楽(こうじ)
ご破算の出直しをする鶏一羽(美千)


◆友の会「スピード」(名古屋/鍋島 香雪選)より抜粋
ネギ刻むスピード嫁にまだ負けぬ(永友 淳子)
生活のスピード落とす介護の灯(さわだまゆみ)
スピードを落として今を見極める(肥田木聞明)
なぜ急ぐ自転に任せ生きようよ(富田 博)
スピードで小型力士が立ち回る(谷口 尚)


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by ringo-utahime | 2017-03-06 23:45 | 川柳誌 | Comments(0)

2013年4月開設『りんご詩姫のブログ(新)』‥‥文芸川柳、フラメンコ、ボイストレーニング、パン教室、グルメ等々、趣味に生きる元気印「りんご詩姫」の〈気まぐれブログ〉。小さなスナックのママです。よろしく♡♡


by りんご詩姫