「かぐやー川柳少女の十五の夜ー」倉間しおり句集
2015年 07月 14日
川柳句集「かぐやー川柳少女の十五の夜ー」を紹介。
一昨年の発行当時、中学3年生にして川柳歴12年の少女・倉間しおりさんの句集として話題となった。
「月が太陽を反射するように、川柳は自分自身を反照する。生命そのものの強烈なきらめきを、十七音という定型によって、ある種のフィクションへと変換する。」
(あとがきより)
ひとりでは月に帰れぬかぐや姫
お気に入りのペンなら嘘も書きやすい
憧れてキリンに化けてみるバナナ
魂に塗るクリームはありますか
尾を生やす正直者になりたくて
夏祭り魑魅魍魎とすれ違う
沈黙に泡を数えるソーダ水
桃一つ熟れて私の夏終わる
母さんの愚痴を餃子に詰めておく
ダイビング揺れる水面を貫いて
蜜漬けの梅干し噛んで堕落する
目玉焼きどろりと泣かす皿の上
ひっそりと風呂でイルカを飼ってます
眠れないのをコーヒーのせいにする
優しさの特売ですとチラシ来る
有料の愛でもほしい時がある
深夜二時手首の脈をふと探す
ゼロという数字に目鼻描いてやる
黒をバックに白字で浮かびあがる川柳句集………絵本のようなレイアウトに、十五才の少女の珠玉の感性が光る。お気に入りの一冊。
彼女を見習って、斬新でオリジナリティのある語彙と表現を模索したいと日々あがいている私だ。
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「川柳句集かぐやー川柳少女の十五の夜ー」
平成25年12月15日初版発行
著者/倉間しおり
発行所/新葉館出版
価格/1200円+税
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キレのある言葉づかい、みずみずしい感性、15歳にしてなんと味わい深い句を作れるのだろうかと感嘆いたしました。