「川柳番傘4月号」
2016年 04月 08日
148ページ。
表紙絵は「祇園枝垂」。
※同人近詠の見開きページ8席目に宮崎の中武弓さんが6句掲載。
おめでとうございます。
~同人近詠(田中新一選)より抜粋~
《巻頭》
未知数の謎を孕んでいる子宮
ジェラシーが無くした子宮から燃える
生きてきた証が欲しい馬の骨
(門真/西 美和子)
後期なお燃えねばならぬ氷点下
一寸の虫にも高いこころざし
力強い味方だ新しいスマホ
(香川/安田 翔光)
新しい景色に触覚を伸ばす
生き下手の握り拳に春が来る
消せぬなら抱いて生きよう花吹雪
(宮崎/中武 弓)
みちのくの鬼の遊びが終わらない
憎しみの沼でもがいている戦
身の内に花を散らしている虚ろ
(奈良/菱木 誠)
※先月号から誌友近詠の選者が森中惠美子さんにバトンタッチされたのだが、
1月号の巻頭になったばかりの私を、思いがけず「巻頭」に選んでいただいた。
今回で5度目の巻頭。
平成15年10月号の森中惠美子選で巻頭次席になった後、平成17年に選者を退かれた惠美子さんの選での巻頭は、もう叶わないものと諦めていただけに、嬉しい。
13年越しの夢がやっと実現した。
ありがとうございました。
全国あちこちの方から、お祝いの文やメールをいただいたことにも、心より御礼申し上げます。
~誌友近詠(森中惠美子選)より抜粋~
《巻頭》
四月馬鹿告白を聞く花の下
千本桜炎の恋を呼び覚ます
モルヒネより桜が延ばす余命表
車椅子押して無言の桜狩り
桜前線諸行無常の風を抱く
ちちははの面影たどる花遍路
(宮崎/さわだまゆみ)
墓地を買う石段ひとつまたひとつ
冷凍魚起きてもいいよ春だから
私の影にも春の陽が当たる
(札幌/小林 宥子)
髪を梳く君に秘かな思慕募る
褪せていく不戦の誓い箍緩む
(宮崎/日高 賀邁)
喜びも哀しみもハグして涙
よさこいの汗が飛び散るほど若い
(鹿児島/馬場ナオミ)
一滴の酒が鰯を化けさせる
透析の妻を見殺しするか雪
(鹿児島/松本 清展)
根雪から漏れてきたのは春の詩
指切りをしてから泣いてばかりいる
(薩摩川内/春田あけみ)
~課題吟「ぽろり」(東京/佐藤孔亮選)より抜粋~
花弁がぽろり離婚を決意する(間瀬田紋章)
土壇場のポロリに泣いた語り草(日高 賀邁)
ポロリ出た本音に首も椅子も飛ぶ(平本つね子)
大粒の涙よ魔女も恋に落ち(芳賀 恵子)
長生きでごめんと母の愚痴一つ(平井 義雄)
小さな音たててこぼれていく私(足立 淑子)
~イメージ吟(No.6)片岡加代選より抜粋~
4月7日いよいよアトムへと進化(松本 清展)
忙しいスポーツ科学研究所(西村 正紘)
下書きのままで未来が走りだす(菱木 誠)
逃げ足が早い桜もしあわせも(さわだまゆみ)
資本主義走り過ぎたか貧富の差(木嶋 盛隆)
~各地句報2月句会より抜粋~
入来わくわく番傘(あけみ報)
雪どけの雨に春の匂いをかぐ(紅雀)
合格へ雪をサクサク踏みしめる(夢修)
火気厳禁恋を断っての二次試験(清展)
燃えすぎて困る胸の火もて余す(紋章)
秒針がコチコチせかす締め切り日(まりん)
宮崎番傘(九州男報)
試着室に催眠術をかけられる(桂介)
仲のいい夫婦に謎が多すぎる(紋章)
決断に財布を覗く試着室(喜宏)
リサイクル子の断捨離を試着する(幸風)
溜め息でカーテン揺れる試着室(九州男)
~友の会「ぎらぎら」(東京/石川 雅子選)より抜粋~
難民の子らのひとみに光るもの(芳賀 恵子)
航跡がぎらぎら光る長い帯(冨田 博)
焼肉屋ヒトが野獣に変わるとき(平本つね子)
ぎらぎらの闘志見透かす変化球(松本 清展)
ぎらぎらの過去になかった裏の裏(肥田木聞明)
宿敵の背へ挑戦の目が刺さる(芳賀 恵子)
秀 あの頃の僕が抱いてた噴火口(肥田木聞明)
特 ぎらぎらの愛から脱皮繰り返す(山崎 修二)
特 終章の金波銀波へ舟を漕ぐ(井芹陶次郎)
特 海染める落暉リベンジ決意する(岸田 万彩)
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南九大会も近づいて参りました。
出席する
予定です。
懇親会には残れませんが。
コメントありがとうございます。
南日本川柳大会、今年からは熊本と宮崎、両県からの参加で規模が大きくなるから、楽しみですね。
私はまだ参加できるかどうか判りません。
参加できたら、今度こそ清展さんとお話したいです。ツーショットも撮りたいですね。
(^-^)/
今日は「川柳都城さくら会」の
6回目の句会でした。
嬉しいのは、その中に20代の女性が一人いることです。
☆☆りんごちゃんは巻頭作家に4回もなったのですね。
これは、すごいことですね!!公私ともに忙しいのによくがんばるな~と頭がさがります。おめでとうございます。
щ( ̄∀ ̄)ш
コメントありがとうございます。
「都城さくら会」盛り上がってるようですね。
おめでとうございます。
若い女流川柳作家にも、大いに期待ですね。
「川柳番傘」の巻頭、今回で5度目です。
私自身が一番「びっくりぽん」です。
m(__)m
第二の森中惠美子を目指して・・・・!
お久ぶりでございます。九州地方の地震では余震も多くお疲れではないかと心配しておりました。
二年ほど前に見た熊本の景色が、すっかり無残な映像になってしまい心痛めております。
りんご詩姫さん 相変わらずご活躍ですね。素晴らしい句が並んでいて、うらやましい限りです。
地震は、これ以上拡大せず早く終息に向かってくれるよう念じております。
コメントありがとうございます。
宮崎市内も何度も大きく揺れたので、丸2日間は、ほとんど眠れない夜を過ごしました。
テレビで被害の大きさを目の当たりにすると、どうしようもなく心が痛んでなりません。
被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い終息と復興をお祈りいたします。
m(__)m