『枕』川柳

高校野球もリオ五輪も閉幕して、何だかすっかり寂しくなった。

やっと、みんなの寝不足が解消されるのかな?

相変わらずの熱帯夜、枕でも新しくしてみようかな。

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課題『枕』の川柳を集めてみた。

【枕】
寝首掻くことなどしない蕎麦枕(上田とみ江)
もやもやの中に枕がふたつある(中嶋ひろむ)
そば殻の枕に寝ると亡母に逢う(井上婦由湖)
思慮浅い頭を枕知っている(播磨圭之介)
お陽様の匂い枕にして眠る(山西 佳子)
ブルースが流れつづけている枕(松永 千秋)
歳時記は枕で役に立ってます(原田のぶこ)
首塚にあらず枕を裏返す(須田 尚美)
忘れよい枕が朝にしてくれる(出口ようこ)
指を折る紙と鉛筆枕もと(佐野 哲哉)
枕投げ本気出したい胸の内(熊野 由子)
枕元ちょっと早目の朝を呼ぶ(吉原久美子)
耳かきの順を競った母のひざ(松尾 憲子)
子沢山枕並べた日の遥か(丑本寿美子)
追憶の彼方に母の膝まくら(長野 新)
マジシャンの枕は夜に鳩が出る(宗星)
ブリキの勲章枕木に爆ぜている(香代子)
温泉タマゴは枕芸者の角砂糖(果心)
陶枕のひびが昔を語りだす(灯子)
新妻の秘密が枕の下にある(握夢)
変換キー忘れ枕を抱いていた(郁郎)
言い過ぎて枕高くは眠れない(戸田 清孝)
いい春をひそかに待っている枕(福力 明良)
いい夢の余韻が残るそば枕(小野 しま)
怒りから悔いへ枕は石となる(奥山 晴生)
偽りのない星にいやされ夢枕(横内 玲子)
裏返す枕に微熱残るまま(下田 幸子)
エリートコースその枕木の平社員(深堀 正平)
大空に草の枕で語りかけ(加藤美佐子)
お茶の罐枕に母の昼寝ぐせ(岸本 水府)
お隣の肩を枕に終電車(木原ケイ子)
女ひとりの枕は白く明けやすき(森中惠美子)
海峡を枕に明日の策を練る(片野 晃一)
活断層枕に今日も高鼾(伊勢田 毅)
完走の笑み百歳の北枕(平井 丹波)
北枕笑い飛ばして大鼾(江川寿美枝)
気楽さは枕をさげて出迎える(麻生 路郎)
着る順に積み上げてある枕元(田野倉 豊)
ギャラ少しあがったのかと箸枕(寺下 敏雄)
銀河鉄道僕の枕が始発駅(川津 清人)
空想の世界に浸る草枕(稲田はつお)
草枕遊び心に湧く英気(長嶋 民夫)
呼吸したような気がした枕経(木原 鶴子)
子沢山僕の枕は何処へいた(麻生 路郎)
この河童よい河童で肱枕でごろり(川上三太郎)
騒ぐ子に戻ってほしい水枕(井上 洋三)
三十年喜怒哀楽の歌枕(三輪かずえ)
宿題と一緒に寝てる枕もと(田島 世四)
祝電が届く産院の枕もと(神保十三夜)
春暁に見る邯鄲の夢枕(鷲見 敏彦)
新刊を積んで安らぐ枕元(杉本 晴美)
情報誌枕に昼寝する無職(小原 正司)
縄文の死者るいるいと北枕(吉田 州花)
少し高い枕で少し馬鹿になる(森中惠美子)
せせらぎが枕辺に寄る旅ひと夜(浜本 耀子)
瀬の音と知って二度目の枕する(前田 雀郎)
そこにあるものを枕に母昼寝(岸本 水府)
蕎麦殻の枕に聞いた母の声(遠藤 千義)
蕎麦殻の枕に母の子守唄(藤田かをり)
そば枕バラに刺された指と寝る(森中惠美子)
旅の枕で他人にものが言いやすし(森中惠美子)
旅の枕に旅の涙はすぐ乾く(森中惠美子)
抱き枕あなたの顔が浮かばない(北村あじさい)
知恵の輪が解けると眠くなる枕(佐々木良可)
哲学書枕に明日の風を詠む(渡辺 典子)
東京と鳥取でやる枕投げ(藤井 蛍舟)
泊り客雨で枕をあてがはれ(麻生 路郎)
泊まり客勝手に敷いた北枕(迫部 秀子)
どんな夢見たのか枕濡れている(松浦 大鷹)
敗北の涙枕は知っている(中井火呂志)
白状をしてから枕高くする(森中惠美子)
薄情を枕の上で知りつくし(椙元 紋太)
箸枕女将自慢の京の四季(藤原 静香)
箸枕好きな人待つ木の芽和え(岡崎 麻子)
母の枕は辛抱という位置に(森中惠美子)
春の海枕の位置が定まらず(森中惠美子)
低過ぎる枕で反論もできぬ(五十嵐夏了)
一粒の涙が憎い膝枕(小栗 正和)
ひとり旅ここの枕も親しめず(森中惠美子)
ひとりの枕はひとりの彩で裏返す(森中惠美子)
日々楽しそして枕の薄つぺら(岸本 水府)
吹き抜けるものが枕の下にある(森中惠美子)
福神の顔を描こうよ抱枕(益子 雀)
ペットから取り戻せないひざ枕(稲川 惠勇)
ほとけの日の枕を少し遠ざける(森中惠美子)
枕から湧いた一句を抱いて寝る(小波津芳子)
枕経あげつつ逝くてそれもよし(小西 由江)
枕木で終わる人生かも知れぬ(奥 豊价)
枕木に耳押しあてた青い空(皆川久美子)
枕の下の大地は味方にもなろう(森中惠美子)
枕の下を流れる水を夢で追う(別所 花梨)
枕の中に楽しい人が住んでいる(川西 包子)
枕辺に残る薬も回復期(真鍋 愛)
枕元に家元ねらう顔並ぶ(今田 馬風)
枕元よってたかってガンとせず(岩田 峰鈴)
まぼろしの一人を夜ごと追う枕(山倉 洋子)
真夜中に売る水枕無事いのる(川口 愛泉)
水枕愛がたっぷり詰めてある(岸本 宏章)
水枕とれてやっぱりうるさい子(水品 団石)
水枕魔法にかける子守歌(大黒谷サチエ)
耳の穴甘えて見たいひざ枕(渡辺千恵子)
宿はよし昼の枕が一つ出る(岸本 水府)
雪国の枕詞は情だろう(大石 一粋)
夢醒めて続き見たさに枕抱く(馬越 弘子)
夢枕あんちくしょうが立っている(加藤 鰹)
夢枕戦友は二十歳のままでいる(黒川 清光)
良い夢を見るスイッチがある枕(齋藤てい子)
よごれてはいるが自分の枕なり(岸本 水府)
窓を打つ吹雪に冴えるそば枕(岡崎たけ子)


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by ringo-utahime | 2016-08-23 18:16 | 川柳(課題別) | Comments(2)

Commented by h82261765 at 2016-08-24 12:21
鰹さんの句が印象的だな。
当人の「かつぶし」にも載っているんかな。
まだ中味は見てないからな。
買っただけ(笑)
Commented by りんご詩姫 at 2016-08-24 12:31 x
清展さん、コメントありがとうございます。

私も鰹さんの句が印象的でした。句集「かつぶし」には収められていませんでした。

課題別に川柳を拾う作業をしていると、つくづく「森中惠美子さんは本当にたくさんの句を詠んでおられるなあ」と感心いたします。
やっぱり、惠美子さんは凄いです。

(#^.^#)