「川柳番傘9月号」

番傘川柳本社(大阪市北区)発行の「川柳番傘9月号」を紹介。146ページ。

表紙絵は「六地蔵さん」。

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※今号の同人近詠欄は、各自の自選4句を掲載。

~同人近詠(自選)より一部抜粋~

七難は続く生き抜くほど続く
色即是空だから恋など愛などと
(奈良/菱木 誠)

非常袋の生きる証しを深くして
葱坊主に花の未練を覗かれる
(都城/主税みずほ)

思い出はいつまでつづくみだれ髪
頂上へいく足音の群れにいる
(宮崎/中武 重晴)

扉の前で迷いだす隙はない
くぐもった腕に時計を巻き戻す
(宮崎/中武 弓)

診察券にんげんは皆弱いもの
信じられる人いなくなり削除キー
(宮崎/間瀬田紋章)

貴方は読書裸で髪をとく私
弾け飛ぶ恋そこここにホウセンカ
(薩摩川内/石神 紅雀)

不揃いでいいさ人の輪くさり編み
歴女ブーム旧街道の一里塚
(福岡/冨永紗智子)

泥団子いつかこの手も母にある
宇宙からシングルベッド覗かれる
(佐賀/真島久美子)



~誌友近詠(森中惠美子選)より抜粋~


《巻頭》
しっかりと老いも病も受け止める
命とや弥陀の心の風任せ
コップ酒あとは演歌があればいい
(御坊/塩路とみ子)

拳だって優しい場所を持っている
そうめんも愛も途切れぬよう流す
(薩摩川内/春田あけみ)

苦も楽も生きる証しの傘を干す
降り止まぬ雨また爪が伸びてくる
(大牟田/山下 華子)

地の揺れを知らぬ無邪気な鳥の声
飢え満たす銭が悲しい顔をする
(福岡/平本つね子)

手も振れぬままに別れた風の盆
泣いていいよと十五夜の子守歌
追憶の風連れてくる曼珠沙華
自分史のアンダーライン修羅の色
風になった人のグラスと赤ワイン
(宮崎/さわだまゆみ)


海鳴りの不気味なうなり熱帯夜
突っつくと魔女が出てくる縫いぐるみ
(宮崎/日高 賀邁)

常識の垣根に刺さる子の視線
友の葬ふっと魔性の中にいる
(宮崎/肥田木聞明)

散り様もさまざまいずれ散るならば
こもりきり仏頂面になる鏡
(鹿児島/馬場ナオミ)

なぜ娘なのか遺族の眼が虚ろ
核ボタン近くに置いていた献花
(鹿児島/松本 清展)


~前月号近詠鑑賞・同人の部(和歌山/馬場 明子)より一部抜粋~

風だけが知ってる八月の記憶(中武 弓)
暇な日はペンネームなど考える(真島久美子)
原色を干すと青空はしゃぎだす(黒川 孤遊)


~前月号近詠鑑賞・誌友の部(徳島/能田 文夫)より一部抜粋~

年中多忙黒ネクタイを妬む白(富田 博)
冷や奴独りの膳の主役です(山下 華子)
昭和史のモンペ姿に母がいた(永友 淳子)



~課題吟「穏やか」(名古屋/武藤 伶子選)より一部抜粋~
あの日のこと忘れたふりの凪の海(冨永紗智子)
葬送に流してほしいシューベルト(岩田 明子)
穏やかが一番天も地も人も(山田 順啓)


~イメージ吟〈No.11〉(徳島/福本 清美選)より一部抜粋~
黄昏のタイムマシンに乗るところ(中武 弓)
拉致されてそしてだあれも居なくなる(日高 賀邁)
真相は未だに分からないらしい(西村 正紘)
荷物だけ帰国無念のテロに遭う(森園かな女)
一休み影と対話の一人旅(富田 博)
太陽の位置確かめている独り(真島久美子)


~各地句報7月句会(森口 美羽抄)より一部抜粋~
《宮崎番傘》(九州男報)31名
あの日から名刺は風に飛ばされた(紋章)
息継ぎの途中で軋みだす音色(聞明)
途中下車人と地酒に癒される(のりとし)
甘い水飲ませ育てた子の反旗(敬女)
大正琴弾くとあの日に還る母(よしひさ)
《入来わくわく番傘》(あけみ報)29名
うまそうだ素直なきゅうり曲がってる(紅雀)
最初から出てる答えをこね回す(あけみ)
自慢などない家系だが丸い風(やす子)
ほめ言葉しかし妬んでいる言葉(紋章)


~友の会のページ「およそ」(名張/久保 光範選)より一部抜粋~

味つけはいつもおよその匙加減(永友 淳子)
大まかに分けると私有機物(平本つね子)
おおよそは呑んで細部で突っ撥ねる(松本 清展)
第一声およその数が背を押す(富田 博)
現実はおよそ夢とは程遠い(肥田木聞明)
おしなべて酒を愛している詩人(さわだまゆみ)


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by ringo-utahime | 2016-09-02 18:12 | 川柳誌 | Comments(2)

Commented by kojiro-nomama at 2016-09-03 18:13
台風が気になります。川柳ブロぐUPありがとうございます。
今から孫の誕生会に行ってきます。
京都の大学に行っている子も帰ってきていて
運転免許を夏休み中に取るみたいで頑張っています。
サテサテ・・・財布のひもをちょっとだけゆるめて・・
(* ̄Oノ ̄*)!!ばーちゃんも応援しますよ!!
川柳が疎かになった夏でした。 Ψ(´д`)Ψヶヶヶ・・・
Commented by ringo-utahime at 2016-09-03 18:24
さくら草さん、コメントありがとうございます。

台風のせいで、昨日のうちに、明日の川南土の子番傘句会は中止になりました。

9月11日(日)の宮崎番傘吟行会の晴天を祈りたいですね。

相変わらずパワフルに動き回っておられるご様子ですね。
来世は是非、さくら草さんの娘に生まれ変わりたいものです。

季節の変わり目ですから、くれぐれもご自愛くださいね。

m(__)m