「川柳ふんえん」No.800記念号

熊本・川柳噴煙吟社(平田朝子主幹)の
「川柳ふんえん」No.800記念号が届いた。

昭和25年1月、大嶋濤明を代表に創立された川柳噴煙吟社の柳誌「噴煙」が、今号で800号を迎えた。

おめでとうございます!!

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表紙は「被災した熊本城」の写真に「頑張るけん!熊本」の文字。

4月14日、16日の大地震により、6月開催予定だった「噴煙九州大会」は「噴煙九州誌上大会」に変更された。
本誌は、その発表誌を兼ねる。
全国から、377名参加。



~「平成28年 噴煙九州誌上川柳大会」より、
主な宮崎県川柳人と上位入選句を紹介~


【案外】 真島久美子選
《入選》
人見知りだけど案外聞き上手(いとうゆうこ)
案外は案外として受け入れる(岩切 義山)
案外と奥が深いぞだんごむし(甲斐 雅人)
案外に親孝行なリーゼント(さわだまゆみ)
IT化前頭葉はマイペース(吉井 楼太)
逃げないで跳んだあの日の水たまり(江藤九州男)
《五客》
麻痺の手も案外やれる頑張れる(石田 酎)
スパイかも知れないスカートのフリル(赤松ますみ)
神様は真面目な顔をしているが(小松 多聞)
因数分解できればわたしかわいいの(大内せつ子)
町工場世界に笛を吹いている(光本 照夫)
《三才》
何も無いそれを求めて人が来る(村上 和巳)
あなたにはゴミ私には夢なのだ(小林ふく子)
どん底を案外知らぬ深海魚(土屋起世子)
《選者吟》
戯曲など書かせてもらいたい月夜


【案外】 泉 談亭選
《入選》
素顔の私案外人にわからない(桜木 えり)
涙には案外もろい男傘(江藤九州男)
ママの留守パパのレシピの塩加減(柴崎 幸風)
案外は案外として受け入れる(岩切 義山)
《五客》
夜が明けて意外涸れてた涙つぼ(宇野 幹子)
地震予知人は案外蚊帳の外(佐藤 六郎)
百箇日妻は健気に立ち直る(楠原 富香)
泳ぐのが溺れるたびにうまくなる(小島 萌)
八起き目の意外な風が味方する(鈴木千代見)
《三才》
偏差値をこぼれた種が咲き誇る(佐藤 嵩子)
町工場世界に笛を吹いている(光本 照夫)
つなぐ手にヒトはどんどん強くなる(石神 紅雀)
《選者吟》
置き手紙テーブルにある妻の乱


【預ける】 麻井 文博選
《入選》
家族の輪妻に預けている平和(植田のりとし)
世間体私の何を預けよう(肥田木聞明)
母預け充電中のポンコツ車(齋藤なが月)
《五客》
九条をハトに預けた日の誤算(主税みずほ)
余命表神に預けて風になる(上野 秀湖)
千代契る愛の割り符を預け合う(永石 珠子)
命まで預けて散ったダッカの地(木村 文福)
満員の施設へ空を待つ疲れ(大河原信昭)
《三才》
逆剥けの痛さ施設へ置いてくる(宇野 幹子)
生きようね数えきれない揺れの中(岩崎眞理子)
浮雲に託す余生と知ってから(梅崎 流青)
《選者吟》
折り鶴を預けオバマの深い礼


【預ける】 植村 克志選
《入選》
故郷に預けたままの赤い靴(太田ちかよし)
わたくしのひと日預けた陽が沈む(永友 淳子)
限界集落神に命を預け生き(齋藤なが月)
盲導犬に命預けるスニーカー(さわだまゆみ)
介護2の母を預けて疼く夜(日高 賀邁)
預かった不戦の誓い子に渡す(吉井 楼太)
《五客》
長老にあずけ一声待っている(安永 理石)
残高に卒寿の余生支えられ(古川 清泉)
億年の命預かり今を生き(上山 錦柳)
終焉の下駄を預けて峡に住む(中村 鈴女)
浮雲に託す余生と知ってから(梅崎 流青)
《三才》
修羅越えて下駄を預けた家裁出る(米澤 俶子)
千代契る愛の割り符を預け合う(永石 珠子)
任せよう火の輪をぬけて来た人だ(梶田 隆男)
《選者吟》
清流に命預けて雑魚放つ


【やれやれ】 永石 珠子選
《入選》
やれやれを繰り返しつつ老の坂(七條 美千)
カルガモの親子仲良く渡り切り(吉井 楼太)
一局を終えてやれやれ汗を拭く(工藤 照代)
結婚式挙げて胎児と聴くバッハ(さわだまゆみ)
政治とカネやれやれまたも謝罪劇(棧 舜吉)
《五客》
同じ石でまた躓いている自嘲(真島 清弘)
異常なし細胞診の結果来る(鳴神 景勝)
嫁に城渡しようやく自由人(佐藤 嵩子)
肩書きを残らず捨てて軽くなる(沢田 正司)
自分史の完結編へ運が向き(平井 翔子)
《三才》
風雪に耐えて金婚妻と酌む(藤井 柳昇)
罹災証やっと明日が見えてくる(中田 博)
子も自立やれやれ寡婦の荷が降りる(松本 宏子)
《選者吟》
ラマーズ法やれやれ呱々の声響く


【やれやれ】 中原たかお選
《入選》
まだらボケ漢字が一字みつからぬ(間瀬田紋章)
結婚式挙げて胎児と聴くバッハ(さわだまゆみ)
神様も根負けをする絵馬の数(高峰 桂介)
ロボットが上役になる未来絵図(吉井 楼太)
鹿と猪攻防終えて稲を抜く(甲斐 雅人)
ぶりっ子の仮面をはずす二十五時(植田のりとし)
強情を通した背中泣いている(肥田木聞明)
《五客》
花火師の最後の点火子に任す(梅崎 流青)
ボランティア汗拭いてまた次の町(千葉 昌秋)
クレームが五時の作業着脱がせない(古野つとむ)
一審は妻の尋問抜けました(井上 俊一)
せっかちがエスカレーター駆け上がる(楠原 富香)
《三才》
熊本もカタカナで呼ぶ街になり(前田 一天)
一日を閉じる束ねた髪を解く(時津みつこ)
宮仕え終え人間のスケジュール(太田玉流川)
《選者吟》
子の巣立ち親の介護と入れ替わり


【魂】 西岡 南風選
《入選》
入れ換える魂のまだ二枚舌(七條 美千)
磨り減った鍬で魂継ぐ棚田(甲斐 雅人)
魂にふれるごと碑を撫でている(西 ほたか)
歪なる魂神の処方箋(齋藤なが月)
魂が時々家出する齢(永友 淳子)
職人の魂脈打つ町工場(棧 舜吉)
火の恋の魂洗う写経筆(さわだまゆみ)
一目惚れまるで魂抜けた首(桜木 えり)
《五客》
通夜の座に混じった亡母の笑い声(清水 正弘)
闘病へ魂揺らす夜が来る(山本 聖子)
振り向けばくまモンがいる頑張れる(玉利 清玉)
魂だってくよくよしてもいいんだよ(高峰 桂介)
大地震三つ児しっかり目に刻む(森内 俊之)
《三才》
名匠の魂抱いて阿修羅像(藤井 英坊)
たましいの深みに森の色を置く(加藤ゆみ子)
魂を売った話が錆びている(間瀬田紋章)
《選者吟》
焼夷弾くぐった魂まだ捨てぬ


【魂】 緒方 正堂選
《入選》
火のような大和魂リオの空(太田ちかよし)
歪なる魂神の処方箋(齋藤なが月)
魂だってくよくよしてもいいんだよ(高峰 桂介)
名匠の魂抱いて阿修羅像(藤井 英坊)
魂が飛んで彷徨う地震の朝(森永 茂)
火の恋の魂洗う写経筆(さわだまゆみ)
魂を活断層に揺さぶられ(江藤九州男)
《五客》
入魂の筆が感動詞をつづる(大河原信昭)
亡魂は火垂るの墓で語り合う(上野 由美)
人恋いの煌めきなのか螢川(山口由利子)
貸し借りを終えて魂正座する(小代千代子)
農魂が卒寿の鍬を離さない(上野 秀湖)
《三才》
親父から習った魂の字は楷書(西村比呂志)
鎮魂の炎棚田の水に揺れ(徳丸 浩二)
魂祭やがて行きつく列に居る(中村 鈴女)
《選者吟》
卓袱台に魂ひとつ遺される


【八】 古谷龍太郎選
《入選》
還らない八月舗道灼けている(日高 賀邁)
八合目から慢心が止まらない(細山田吐夢)
八方の果てへ響いている軍靴(間瀬田紋章)
八月の浜鎮魂の海螢(高峰 桂介)
薫風に八分音符のウォーキング(植田のりとし)
八起き目のおんなは怖いもの知らず(さわだまゆみ)
鳩の舞う空の青さか八月忌(太田ちかよし)
腹八分ベルトの穴が指図する(いとうゆうこ)
口も手も八丁かなと嫁を褒め(富田 博)
《五客》
八日目の蝉に冷たい世間の目(中原たかお)
数え歌八に届かぬ母の歌(横尾 信雄)
八回も男を愛しまだひとり(上田美知子)
八月のあの日陛下と蝉しぐれ(森永ゑい助)
あなた見た虹の八番目の色を(中西 宏夫)
《三才》
八月の空から千羽鶴降りた(小松 多聞)
八月を絞ると海の味がする(加藤ゆみ子)
八月の空に晶子の詩が浮かぶ(沢田 正司)
《選者吟》
八月が核の愚かさ語り継ぐ


【八】 平田 朝子選
《入選》
八十の義母に座席を譲られる(藤井 英坊)
八木は米と答える電子辞書(間瀬田紋章)
誤解され八紘一宇の塔憮然(棧 舜吉)
十八に戻る米寿の母祝う(江藤九州男)
《五客》
八起き目で自分の位置がみえてきた(坂本ゆき子)
昭和史に突っ立つ八月の骸(麻井 文博)
八月になると引き揚げ語る父(徳丸 浩二)
多情多恨エイトビートで消してゆく(平井 翔子)
八月の空に晶子の詩が浮かぶ(沢田 正司)
《三才》
柿八年姉が他人になっていく(梅崎 流青)
八月になったら下りてくる鎖(赤松ますみ)
一号から生きて八百号祝う(安永 理石)
《選者吟》
八面六臂残業手当何もない


【自由詠】 田口 麦彦選
《入選》
孫帰省顔も財布もゆるむ夏(齋藤なが月)
安全神話のガレキを月は見つめてる(高峰 桂介)
乾杯に妻はエプロン着けたまま(藤井 英坊)
ふるさとを背負う球児の玉の汗(富田 博)
八日目の蝉へ読経の雨が降る(川崎 敬女)
《五客》
それとなく虹を射すひと母だった(丸山 健三)
出世魚みたいなミサイルのこわさ(永井ききょう)
いい季節美女と素足とサングラス(いとうゆうこ)
沖縄を包んでこその平和国(下原てい子)
一瞬で落城させた震度7(鳴神 景勝)
《三才》
平和への勇気非武装非暴力(佐藤 六郎)
生きていることが哲学だと思う(小松 多聞)
ケネディもマドンナもいる我が書斎(覧のぶなが)
《選者吟》
震度7めげず隣のバラが咲く



~総合成績~
1位 梅崎 流青(10.0点)福岡
2位 佐藤 嵩子(9.5点)長野
3位 沢田 正司(8.5点)愛知
4位 中村 鈴女(8.5点)福岡
5位 赤松ますみ(8.5点)大阪
6位 加藤ゆみ子(8.0点)神奈川
7位 大河原信昭(8.0点)栃木
8位 永石 珠子(7.5点)長崎
9位 森永ゑい助(7.5点)佐賀
10位 小林ふく子(7.0点)静岡
11位 時津みつこ(7.0点)福岡
12位 鳴神 景勝(7.0点)熊本
13位 黒川 孤遊(7.0点)熊本
14位 さわだまゆみ(7.0点)宮崎
15位 加藤自津夫(7.0点)愛知
16位 小松 多聞(7.0点)佐賀
17位 徳丸 浩二(6.5点)熊本
18位 佐藤 六郎(6.5点)熊本
19位 宇野 幹子(6.5点)和歌山
20位 中田 博(6.0点)熊本
21位 前田 一天(6.0点)鹿児島
22位 村上 和巳(6.0点)熊本
23位 松村 華菜(6.0点)熊本
24位 小池 一恵(6.0点)福岡
25位 冨永紗智子(6.0点)福岡
26位 平井 義雄(6.0点)長崎
27位 緒方 正堂(6.0点)熊本
28位 真島久美子(6.0点)佐賀
29位 藤村 容子(6.0点)石川
30位 安永 理石(5.5点)熊本



※得点は、
三才(天・地・人)2点、
五客(1~5)1.5点、
平抜き1点。

※同点の場合は、上位入選句数、受付番号を優先。



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by ringo-utahime | 2016-09-08 17:08 | 川柳誌 | Comments(6)

Commented by h82261765 at 2016-09-09 16:59
昨日二度見しようとしたら消えていた。
わが家へは
今日もまだ来てないんだわ。
Amazonの注文はすぐ届くのに(笑)
松山の全国大会句報もまだ届かない。
Commented by kojiro-nomama at 2016-09-09 17:59
梅崎 流青(10.0点)
ってすごいですね。
まゆみさんも頑張りましたね!! おめでとうございます。
11日は秋雨前線の関係か雨女か男がいるかくだりざかですね。
Commented by ringo-utahime at 2016-09-09 18:00
清展さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

清展さんの入選句を下記に挙げておきますね。

【案外】真島久美子選
ここまでは負け犬だった徳俵
【預ける】植村 克志選
すべもなくこの身預ける再手術
【自由詠】田口 麦彦選
脱退を選び結果に狼狽える

m(__)m
Commented by ringo-utahime at 2016-09-09 18:05
さくら草さん、コメントありがとうございます。

「ふんえん」が届く前に、緒方正堂さんから「14位入賞おめでとう」とメールをいただいておりました。
例によって平入選しか無かったんですけど、入賞できて良かったです。


吟行会のお天気が心配ですね。
私は「晴れ女」なんだけど、もっと強い「雨男」がいるかなあ。

σ(^_^;)?
Commented by h82261765 at 2016-09-09 20:17
ありがとうございます。
自分の選とはかなり違うな。予定してなかったのばっか選ばれてるがな(笑)
Commented by h82261765 at 2016-09-10 20:24
今日の夕方やっと届きました。
日本の外れなんかな僕の街(笑)

「八」は800号の八だったんだな。難しく考え過ぎて
八角と九重のことを詠んじゃった。
自信はあったんだけど
二人にフラれたからホンモノだわ(笑)