「川柳くすのき新春号」(120号)

福岡市の「川柳くすのき新春号」(120号)を紹介。
43ページ。

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◆楠の会30周年記念大会
《大会特選句》


「タッチ」 楠根はるえ選
筆先のタッチ匠のただ無口(間瀬田紋章)

「タッチ」 渡邊 桂太選
神の手に触れて余命を受け入れる(緒方 章)

「わくわく」 石神 紅雀選
わくわくと遺言状を書いている(松永 千秋)

「わくわく」 西村 正紘選
風を聞き海鳴りを聞き旅にいる(黒川 孤遊)

「窓」 平井 翔子選
戦争が終った窓を開け放つ(渡邊 桂太)

「窓」 黒川 孤遊選
十階の窓十階の風匂う(古野つとむ)

「流れ」 松永 千秋選
月曜も火曜もみんな流された(加賀田干拓)

「流れ」 西岡 南風選
瀧になる水に覚悟は出来ぬまま(古野つとむ)




◆新樹抄(秋季号) 渡邊 桂太 推薦と鑑賞より抜粋

戦艦が菊の御紋を抱いて寝る(井上 俊一)
六法に愛の一文字あったなら(田代はんざき)
公転も自転も無限夏の空(山内 澄)
遠心力信じる自転車とわたし(冨永紗智子)



~近詠自選句抄「新樹」より抜粋~

レントゲン心の傷もくっきりと
デジタルに取り残されている気楽
(佐賀/横尾 信雄)

じょんがらのライブコスモス青い空
恋をしたらしい息子がまぶしいぞ
(鹿児島/石神 紅雀)

寄り道は時々します老いの戯画
九条の視野に迫って来たほたる
(福岡/石田 酎)

鳥になり空を飛ぶ夢見た記憶
任解かれ日々の暮らしを持て余す
(春日/内野童里夢)

手鏡に浮かぶ女の曲り角
震度七もう修復の出来ぬ仲
(北九州/楠根はるえ)

一円のお釣りでもやもやが消えた
足の裏なでると過去の女ひとり
(熊本/黒川 孤遊)

代読も声詰まらせる名弔辞
国境を越えてよろずの神ツアー
(太宰府/小池 一恵)

ときめきの付箋を見失う秋雨
歳時記を抱きしめながら黄昏れる
音のないテレビ眺める冬の虚無
泣くことを忘れてからの蕁麻疹
デリカシーのない友だちを棄てられず
(宮崎/さわだまゆみ)


銃口へ理不尽の火が詰めてある
B面の女を生きる安堵感
(都城/主税みずほ)

言い訳はしない黙って腹を切る
礼状を読む途中から詰まる胸
(佐賀/西村 正紘)

そぞろ行く電飾の町虚無の町
年おんなテレツクテンと舞い終える
(福岡/平本つね子)

踏んばれる所で咲こう肥後椿
錆びていく脳と闘う予定表
(荒尾/松村 華菜)

残り火がくすぶっている日記帳
肩書きをいまだ書いてる名刺裏
(福岡/山下 唱悦)

いつまでも母が手を振る部屋の窓
タッチする指が絡んでからのこと
(福岡/萩原奈津子)

一本のラインを引いたのはわたし
熟成のワイン明日を裏切らぬ
(福岡/冨永紗智子)


◆課題吟「光」 北村あじさい選より抜粋
一条の光を生んだ会議室(石神 紅雀)
生き様を語ると光る師のことば(石田 酎)
光るものいっぱいつけてなお孤独(河野 成子)
スーパームーンに心の裏をのぞかれる(倉本 智子)
鉛筆が光る書きなさいと光る(黒川 孤遊)
月光が癒してくれた失意の日(山下 唱悦)
日の光モネは宇宙の色で描く(横尾 信雄)
飢えてなお眼光にある深い慈悲(主税みずほ)
〈佳作〉
ボランティアの手話から咲いた恋光る(さわだまゆみ)
逆光に立って本心さらさない(平本つね子)
海の底わたし発光しています(萩原奈津子)
〈秀句〉
背水の陣が男を光らせる(千代 八斗)
草原の光を浴びて脱皮中(馬場ゆうこ)
〈軸吟〉
万物の放つ光に生かされる(選者)



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by ringo-utahime | 2017-01-08 23:50 | 川柳誌 | Comments(4)

Commented by kojiro-nomama at 2017-01-09 17:21
りんご詩姫さん

憧れのベテランの秀句には何時も心打たれます。
サスガだとしばらく雷に打たれたような感激が
おそいます。
Commented by ringo-utahime at 2017-01-09 21:42
さくら草さん、こんばんは。

全国に尊敬すべき川柳作家は山のように居ますね。

今年も頑張って、一句でも詩性にあふれる句を詠みたいものですね。

q(^-^q)
Commented by synjyoko at 2017-01-13 15:02
りんごちゃん、新聞のコピーが届きました。
ありがとうございました。
知っている方ばかりですね。
Commented by ringo-utahime at 2017-01-13 23:41
紅雀さん、こんばんは。
コメントありがとうございました。

朝日新聞(宮崎版)新春川柳に投句いただき、ありがとうございました。
感謝です。

m(__)m