宮崎番傘8月句会
2013年 08月 13日
8月11日(日)午後1~5時に開かれた
『宮崎番傘川柳会8月句会』の詳細を報告。
間瀬田紋章さんが、お嬢様の紗代さんのソプラノリサイタル(鹿児島県薩摩川内市「夢修庵」)ご出演の為、欠席された。
出席16名+欠席21名=合計37名の投句が集まった。
《出席者一覧》
①南風②桂介③九州男④三窓⑤巽⑥幸風⑦博⑧八荒⑨信⑩聞明⑪治夫⑫ほたか⑬みずほ⑭美千⑮まりん⑯まゆみ
課題吟の選者を、桂介・みずほ・まゆみで務めた。各課題ごとに約40句の入選を披講。
~課題吟の入選作品~
※録音したものから書き出したので、漢字・かな表記が異なる場合もあります。
【告知】 高峰桂介選
逃げ道はそっと残して告知する(聞明)
にこやかに癌告知する若い医師(夢修)
赤ヒゲは治してやると目で告知(幸風)
闘いの火蓋切られた癌告知(聞明)
動脈弁修理不能と神の告げ(博)
告知聞く父の浮き輪が見え隠れ(みずほ)
落ち着けず身辺整理告知前(藤柳)
腹を据え余命告知を聞く毛穴(紅玉)
選挙告知ネオン街には閑古鳥(マヤン)
告知する医師の金歯が気に掛かる(信)
受胎告知にマザコン男凍りつく(まゆみ)
告知書の不当解約突き返す(碌詩)
癌告知まず保険金チェックする(夢修)
愛告げた遠い昔の影法師(博)
今でしょう煙草やめろと医師告知(幸風)
告げられて男無口になる受胎(九州男)
癌告知暗雲たれて声かすれ(巽)
丸腰で告知を聞いた父の風(みずほ)
ああやっぱり酒は駄目だと医者告知(大義)
告知からおまけ人生今日を生き(なが月)
立ち退きの告知に無情ホームレス(碌詩)
好きだよと指一本で告げられる(あけみ)
受胎告知心あたりのない悪夢(夢修)
治るよと名医の告知信じる日(三窓)
待ったなし直球投げる癌告知(まりん)
身に覚えあってぐさっときた告知(九州男)
逃げることできぬ告知のゴング鳴る(みずほ)
告知受け俎板のうえ鯉になる(悦子)
孫誕生吉報乗せて飛ぶメール(藤柳)
酒を断つこれが五度目となる告知(弐恵娘)
佳5 プリンス誕生吉報に沸く外野席(紅玉)
佳4 離婚劇開始の電話ついに来た(美千)
佳3 受胎告知いばらの道に立つ少女(治夫)
佳2 告知板だれも見てない団地です(信)
佳1 世界征服と告げた息子も二十歳過ぎ(あけみ)
準2 余命知り修行密度を濃ゆくする(香木)
準1 不法投棄カラスに告知される朝(ほたか)
特選 無人駅昭和の香り告知板(憲一)
軸吟 音みんな消してしまった癌告知(桂介)
【木漏れ日】 さわだまゆみ選
木漏れ日の森に少年たちの夢(治夫)
木漏れ日を全身に浴び歩きだす(マヤン)
木漏れ日の光やさしい苔育つ(カツ子)
自分史に木漏れ日ほどの陽を当てる(弐恵娘)
木漏れ日に未来を託す二人連れ(悦子)
木漏れ日のように優しい人でした(信)
木漏れ日に誘われて見る白昼夢(なが月)
木漏れ日に見え隠れする青い恋(南風)
木漏れ日を抱いたベンチに花が咲き(博)
木漏れ日が見せた私の陰ひなた(弐恵娘)
木漏れ日に鉄条網の国境(幸風)
木漏れ日の当たる幸せだけでいい(九州男)
人生の果て木漏れ日の温かさ(南風)
赤い鼻緒に木漏れ日ゆれて恋かしら(紅玉)
木漏れ日が内緒話の口火切る(なが月)
セシウムを除けて木漏れ日蜥蜴の子(三窓)
木漏れ日差す林を呑んだ大津波(碌詩)
木漏れ日の中で育む初恋や(紋章)
木漏れ日に素顔をさらす男坂(みずほ)
木漏れ日に浸り育たぬ自立心(香木)
木漏れ日がちらちらキスに目を閉じる(紅雀)
木漏れ日を浴びて女は蝶になる(淳子)
木漏れ日に森の童話を重ねてる(聞明)
深呼吸すれば木漏れ日会釈する(みずほ)
さわさわさわ木漏れ日と風恋さなか(紅雀)
すだれ越し木漏れ日追って赤子這う(ほたか)
木漏れ日の丘津波避難の海臨む(ほたか)
木漏れ日を浴びて外した夜叉の面(淳子)
木漏れ日に時を忘れた影ふたつ(信)
木漏れ日に迷宮入りの夢芝居(南風)
木漏れ日と遊ぶ二人の散歩道(桂介)
木漏れ日の光と影をまとう君(憲一)
木漏れ日を吹き抜けてゆく明日の風(紋章)
佳5 ケイタイを切り木漏れ日と散歩する(桂介)
佳4 木漏れ日が墓参の子らを撫でてゆく(香木)
佳3 木漏れ日が胸の隙間を浄化する(みずほ)
佳2 木漏れ日に子ども獅子舞ほっとする(藤柳)
佳1 木漏れ日に部活の汗がきらめいて(紋章)
準2 木漏れ日の下で詩人の顔になる(淳子)
準1 退院はもうすぐ木漏れ日が笑う(紅雀)
特選 木漏れ日を浴びて童女のけんけんぱ(あけみ)
軸吟 木漏れ日に淡い初恋かくれんぼ(まゆみ)
【玉(たま)】 主税みずほ選
気おくれを玉止めにしてかがり縫い(弐恵娘)
甲子園ヒーローを生む玉の汗(まゆみ)
アンケート玉虫色に書いて出す(幸風)
にんまりと不意を突かれて隠し玉(紅玉)
そろばんの玉じゃ弾けぬ子の心(あけみ)
ダイヤモンド女心に火が点いた(藤柳)
薄給の暮らし支えたうどん玉(まゆみ)
玉の輿言われてみたい次の世で(藤柳)
玉串を右に左に目を回す(マヤン)
いつの間に角を落として石の玉(彦猫)
コレステロール悪玉増えている団子(凡童)
我が孫は人には言わぬが玉のよう(彦猫)
落ちて落ちて落ちて実になる玉の汗(あけみ)
君と僕の糸をしっかり玉結び(あけみ)
磨きすぎ玉は普通の石になり(九州男)
青春の根っこに玉子かけごはん(聞明)
悪玉も善玉もいる腹の虫(ほたか)
良い玉にされた女が出世する(南風)
親が投げた癇癪玉を投げ返す(桂介)
子を育て真珠の似合う人となる(紅玉)
夫婦愛生きる命の玉手箱(碌詩)
玉算の得意な父がいた昭和(淳子)
行間に玉虫色の伏せ字置く(淳子)
玉の汗流したお金国が取り(香木)
玉の輿おとぎ話に滑り込む(香木)
玉の輿夢見る街のシンデレラ(治夫)
片胸に平常心の玉の汗(なが月)
玉じゃくし愛と憎しみよそおわん(なが月)
風邪をひくことも良いかな玉子酒(憲一)
玉の輿乗れば乗ったで苦労する(憲一)
水玉模様蹴って待ってるマタニティ(ほたか)
杉玉へ老舗の矜持盛る酒屋(まゆみ)
佳5 帯ぽんと叩いてみせた肝っ玉(桂介)
佳4 新人は玉石混交だんご虫(三窓)
佳3 玉よりも時には尖った奴が良い(弐恵娘)
佳2 磨いても磨いてもなお傷ばかり(彩香)
佳1 人魂も飛べないでいる空っ梅雨(南風)
準2 くす玉が割れる夢見ている主宰(紅雀)
準1 しゃぼん玉覚えてますか咎の数(聞明)
特選 黒真珠喪服の列にある視線(紋章)
軸吟 玉砕の島に冴え冴え月が哭く(みずほ)
後半は、自由吟の合評会。みんなで和気あいあいと自由に意見を述べて、とても盛り上がった。
(*^^*)
~おまけ~
句会のあとは「ジョイフル」で、ミニミニ女子会。抹茶スイーツと、ピザを食べた。
実は、ランチも「ジョイフル」のヘルシーメニューだった。
(*^。^*)
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